私は海になる
ただひとり あなたのために私は
自分を分解して個体の部分をすべてぬき取り
液体だけで構成された海になる
父になることしか出来ない性の宿命
それでもかまわず
私は母のような海に ....
そっくりそのまま書くことを覚えれば
きっと
今の境遇を甘ったるく 写せるだろう
一枚のレコードが教えてくれる新しい名前
短い髪の女の子を好きだったこと
はるか彼方に望んでいたはずの人生を振り ....
昨日は {ルビ後ろ足=あし}が生えた

今日は {ルビ前足=うで}が生えた

明日には この{ルビ尾ひれ=きもち}が消えて

明後日には 本当の自分に

なれるかもしれない。
うちのキッチンには
ピラニアが
生息している

いつもは
気のいい
スヌーピー面して
猫を
かぶっている

風の日も
雨の日も
雪の日も

朝晩の散歩を
愛してい ....
冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを
わたしのほかに
 ....
得た と思うと同時に失う

林檎の皮を剥いていく
螺旋が皿に垂れていく
果物ナイフに映る甘いかおりに
私は涙を告げる

何も動揺することはない
唇はかすかに震えているが
芯は蜜を湛え ....
重力に
負けそうなときは


2センチぐらい
地球とお別れ


ティンカーベルの粉
ひとさじ
ふりかけて
たしかにインスタントラーメンを
作っていたはずなのだが

気がつくと
鍋にあるそれは
脳みそになっていた


腹がへってしかたなかったので

無理矢理、口に運んだのだが

口に ....
「引越しするので手伝ってください」

久しぶりの幼馴染からのメールを見て
行くとあらかた荷物は片付いていたのに
ただ
アルバムや卒業文集が
ダンボールのわきに積み上げられていて
それが手 ....
奇妙な事だ


君と僕の距離は
星の運行と
無関係


だから
神には祈らない
誰にも支配させない
君との距離


僕はしない
存在の曖昧なものに
心を預けたりしない
 ....
窓を打つみぞれの音の冷たきに孤独はやはり嫌いと思う


哀しきは居らぬ人へのうらみごと聞かせし空の雲行き怪し


夏の夜に火を点けられし導火線人目を忍び寒空に燃ゆ


{ ....
此の地面は
匂いも、何も
残らない性質です


此処にいることを示せず
湧き上がること溢れることを戒めてゆく動作が
結果的には
瞬きです


此の地面は
風へと ....
冷め切った路地に
泡沫の玩具が舞って
寒さ堪えて歩く僕の
肩に弾けて消えていった

子供達の無邪気さと
自分の卑しさとを比べ
小さく息を吐いて
無造作に首を振る

涙が出た訳じゃな ....
鳴かぬ 小鳥は 
口止めされたのでしょう

ひとつ めでられたら
無くすよりも たやすく

このくちばしで
守るのは

明日の 春では
ないのです
どうしても イライラして
とにかく その減らず口をホッチキスで
閉じこんでやりたかったが
世間の目が怖かったので
ホッチキスを渡すだけで 終わってしまった

笑いたいならば 笑え


 ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光

目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった


不思議だね
振り返ることは敗北では ....
ねむりたい頭のうえの冬蜜柑



渚なきからだ横たえ冬を聴く



白髪に月がふたつの冬夜空



斃れるはきさまだと知れ雪つぶて



おのれこそ ....
月が冴えわたる冬の夜
田園の雪の波が
月光に青白くきらめいて
をんなの肌に深く映ります
あぁしんど
酔い醒ましにちょいと表に出てきたけれど
伏し目がちな月影は
わかばにマッチをすっていま ....
ふわっと投げたよ
受け取ってくれなくてもいいよ
青空には軌跡が残るから
今日もきゅうりは
もてなかった
女のこたちの気ままな指で
もがれてみると
ぽきんと折れた切り口には
みずみずしい
ひかりがあふれていた

うちに帰ってきて
冷たい水で
顔をごしごし ....
− 愛は確かに潰えた


  男の心に残っていた僅かな温もりを奪い去る良く晴れた或る冬の日の未明 月光に射貫かれた眠れぬ夜に 愛は国道246号線池尻大橋近くの交差点で潰えた 間断なく走り去るヘッ ....
夕陽の色を集めれば
溶かせたでしょうか


旅行く雲に焦点を結べば
胸に焼き付くでしょうか


風に吹かれる風車も
いつか飛ぼうとするように


いつまでも見つめているだけでは ....
はいいろ
ぎんいろ
雲の上に
雲がのるいろ
錆びた欄干がぱらぱらと曲がり
きんいろとむらさきいろを抱き寄せて
ゆくあてのない歩みを照らしている


置き去りにされた水 ....
生まれ落ちてから死ぬまでに
自分自身でプロデュースしていくうちの
一大イベントである事は確かで

お誕生、お七夜、お宮参り、お喰い初め
初節句、七五三、入学式に運動会
成人式、卒業 ....
裸体に添えられた

蒼い手で

鳴りやまぬ鐘が

鎮められてゆく
長袖に染み込む空気は
もう安らげるほど
涼やかじゃないんだと
何気ない十一月の黄昏
駆ける自転車の上で
小さく身震いをした

二十七年目の誕生日まで
あと半月といった所
眠り足掻くだ ....
蝋燭の
仄かに灯した明かりだけで
読みたい物語がある


閉ざされた雪山の麓の
貧しい村の物語

痩せた土壌では穀物も育たず
日照りの夏と実らぬ秋を経て
魂の芯まで凍える冬を迎 ....
眠りから覚めるのに遅すぎて
半日を棒に振る
後悔するけど
寝不足が解消して
自分に必要だったのは
休息だったと
気がついて
ちょっとだけ元気になる

夢から覚めるのに遅すぎて
半生 ....
空が
すべってくるのを
まっている

雨 も
雪 も
白い雲 も
お日様 も
ある日 いつものように 行ってきますと家を出た 家族が

突然 何らかの 理由により 死の淵をさまよってしまったら

どうしますか?

すべてを 医療者に 委ねなければならず 私たちは
 ....
銀猫さんのおすすめリスト(3217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海になる- 岡部淳太 ...自由詩10*05-11-25
向上の歓び- 吉岡孝次自由詩4*05-11-25
御玉杓子- 仲本いす ...自由詩2*05-11-25
*U*x*U/*- かおる自由詩6+*05-11-25
冷たい雪の降る夜に- 千波 一 ...自由詩18*05-11-25
形見- こしごえ自由詩11*05-11-25
ティンカーベルの粉- たかぼ自由詩605-11-24
インスタントブレイン。- 仲本いす ...自由詩6*05-11-24
この街を去ってゆく君へ- ベンジャ ...自由詩9*05-11-24
祈らない、想え!- たりぽん ...自由詩9*05-11-23
霜月純情- 落合朱美短歌12*05-11-23
甘受する体- A道化自由詩1205-11-23
シャボン玉- 松本 卓 ...自由詩5*05-11-23
小雪- 砂木自由詩17*05-11-23
小悪魔- 仲本いす ...自由詩6*05-11-22
壁画- 千波 一 ...自由詩24*05-11-22
冬とからだ- 木立 悟俳句805-11-22
密約- こしごえ自由詩16*05-11-22
広くてオープンなスペースで- チアーヌ自由詩305-11-22
きゅうりの恋- ZUZU自由詩405-11-22
愛が潰えた日に男は自画像を描く- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-11-22
初めての、そして遠い- たりぽん ...未詩・独白7*05-11-22
みどりに_みどりに- 木立 悟自由詩405-11-21
*寿ぐ*- かおる自由詩4*05-11-21
月光- LEO自由詩5*05-11-21
書きかけの詩を描き続けよう- 松本 卓 ...自由詩1*05-11-21
冬物語- 落合朱美自由詩14*05-11-20
夢寝坊- イオン自由詩1*05-11-20
そら色のすべりだい- LEO携帯写真+ ...14*05-11-20
突然- renchu自由詩4*05-11-20

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