病人は目を醒まし
言葉にならない声でさけんでいる
葬儀屋が切り取った脚を
箱に入れて去っていく
皮膚は黒かったが
骨は白いままだろうか
もっと遠い窓の向こうでは
咲いたばかりの花が
離 ....
猛禽がやたら低く飛んでるな

  なのはなにしずかなあめ
  なのはなにしずかなかぜ

桜の花びらに埋もれた
側溝のたんぽぽ

   散って舞う風流よりも
   舞って発つ、汚れても ....
老人ホームで 
19年間すごした
Eさんが天に召された  

すべての管を抜いて 
白いベールを被る
安らかな寝顔の傍らで 
両手を合わせた日 

帰り道に寄ったマクドナルドで 
 ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」

いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ

「どういうところがやさしいの?」

血管がういて筋張っているし ....
うつせみの なくこの世あり ひびきすみ青やかになる み空の高さ












{引用=※ 現人(うつせみ)=?この世に現存する人間。生存している人間。
?この世。 ....
あなたはいま、幸せですか?

君の単純な問いかけに
イエスともノーとも言えなかった僕は
不断桜の幹に身体をあずけ
枝先の小さな葉を気にしていた

こいつも光合成してるんだなあ
陽ざ ....
告げる直前の想い
はなびらよりも桜色に

ああ、あした咲く

あした咲くよ!
東口を出た歩道橋に 
一人立つ 
目の見えない 
フルート吹きの奏でる 
あめーじんぐぐれいすの 
音色を前に 

手押し車の老婆は通りすぎ 
土産袋を持ったサラリーマンは通りすぎ 
 ....
春雨の降る午後 
私は一人傘を差し 
無数の蕾が開き始める 
桜並木の道を往く 

三っつ目の信号を曲がり 
学校に沿う坂を下ると 
傘を差す 
君の母が立っており 
喪服の私は頭を ....
井戸水を拾って
足音をしのばせて
どうか誰にも
誰にも気づかれませんように    想いを、想いを、想いを
つるべを握って         しのばせて
雨よ、雨           降るのは花 ....
今年はじめての風邪をひいて
布団の中でまるまっていたいのに
僕は先生なんて呼ばれたりしているので
待っている子供たちのために教室へ行く

ところで
そこの教室の窓はとても大きい
僕が ....
遠ざかる夏の約束今さらに水たまりに咲く蓮の鳴き声




失ったものなどひとつもないような ちいさな津波のあとのリセット




くちづけで透明なピリオドを打つ始まらないままの第一 ....
タイトルに「あなた」なんて使って気恥ずかしいのですが、
なんかそういう気分なので(笑)。

さて。
蘭の会(http://www.orchidclub.net/)の「ふみばこ」というコーナーに ....
  {引用=わたしはすでに 
わたしそのもの}


自ら望み 
生まれてきたわけでもなく 
自ら選んだ
両親と国と時代でもなく 

窓辺に置かれた鉢の 
枝葉を広げた小木のように  ....
点描を打ちながら
窓に・風
空に・花
見れば・雲
きん・こん・チャイム

音楽室
古いピアノふるえる
新入生たちの指
柔らか過ぎて

美術室
ももいろの花瓶が立ち上がって
春 ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
物語は
いつからはじまったのだろう
あれは遥かふたばの記憶

いろおにの
むらさきが見つからなくて
忍びよる気配に耐え切れず
かさぶたに触れた、指先

―――ふるえていたのだ
―― ....
弧を描く波打ち際で
世界の縫い目をたどる短い旅路
遠ざかる、境界を引き寄せ
空と海を縫う指先が左右に揺れる
「こっちだよ」または「バイバイ」
その境目のメトロノームが
いつかのあなた

 ....
恋人を亡くし 
自らのこころを立て直そうと  
遠い旅先で 
免許取得の合宿に入った君は 
今日初めてのハンドルを握った 

仕事から帰った僕は 
君のブログの日記を読む 

「ギア ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}




糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
 雪雲が切れたようだ。陽が射すと季節が春へむかっているのがわかる。公園の駐車場で休憩としよう。座席を後ろに倒して窓をすこし開ける。エンジンを止めてガラス越しの青空をピラーで切り取ると鳥のさえずりが聞こ .... 久しぶりの路上ライブで 
再会した彼は 
唄い終えると 
ギターを背後の壁に立てかけ 

白い吐息を昇らせて 
小鳥みたいに震えてる 
ファンのみんなに 
ほっかいろを配る 

昼 ....
くしゃみをひとつする、と
私たちは地球儀から滑落して空に溺れる
あの日グラウンドから送った影は
手をつないだまま鉄塔に引っかかっていて
捨てられたビニールのレインコートのようだった

バス ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
はじめて車に乗った日 
すでに僕は30を過ぎていた 

はじめて車に乗った日 
先月25になったばかりで 
自ら世を去った君のことが 
頭から離れなかった 

はじめて車に乗った日 
 ....
誰か、などとごまかすのはよそう
あなたを、思うときの空だ
湿った雪雲が切れていく
灰色の向こうに広がる薄い青
きっと強く、遠くのあなたを想っている
灰色と青色が近いのは空のせいだ

   ....
新しい雪の降り積もった
静かな屋根やねが
水平な朝に焼かれて
私の底辺をもちあげる

増幅する光の波が
うずくまる私の手をとり
青い影を洗う

そうして
裸にされてゆく、わたし
 ....
風になり、花になり
ずっとそばで―――

今日は街に雪が積もって
めったにないことだとニュースでも騒いでいました
わたしはそのことが少しばかり怖くて
あなたの手を握ったのです
やわらかく ....
ゆうろさん料理をしましたか
ええ、しましたよ
左手 お野菜洗ったので冷えてあかい
右手 あついお鍋を見ていたのでももいろ
今日はどこで
小鳥の巣箱よ
小さなやかんに小さなお鍋
風邪ひいた ....
雪のつもった日のバスは 
渋滞でみんな遅刻のはずなのに 
なぜかこころやさしい 

雪化粧の街を窓外に眺める 
人々をぎっしり乗せた
バスのなか 
ネクタイのよれたおじさんが 
あんパ ....
銀猫さんのおすすめリスト(3217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
四月- 岡部淳太 ...自由詩1108-4-23
かえりみちで空をみたんだ- たりぽん ...自由詩708-4-16
蜜柑の木_- 服部 剛自由詩808-4-10
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秋空- こしごえ短歌7*08-4-2
leaf-Rain- Rin K自由詩24*08-3-30
あした、咲く- たりぽん ...携帯写真+ ...508-3-29
五線譜の橋__- 服部 剛自由詩17*08-3-24
春雨の午後_- 服部 剛自由詩18*08-3-24
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きせきの日_- 服部 剛自由詩808-3-17
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いつも波よせて、僕は- たりぽん ...自由詩808-2-23
声援_- 服部 剛自由詩14*08-2-21
朝の、底- 望月 ゆ ...自由詩31*08-2-20
蝉の砂時計- たりぽん ...自由詩9*08-2-20
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私信- 佐野権太自由詩21*08-2-11
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