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まるで拭う事を忘れた涙が
頬を撫でる指と錯覚するように
幾度も呟いた愚痴や寂しさが
いまいち消化できない感情と共に
過去を奪って 未来を閉ざしている
奇妙なほど暖かい冬が黙々と過ぎて ....
眠る前のひと時
部屋灯りを落とし
目を瞑って思う
窓を叩きつける風
少しずつ強く響く
胸に手を当てて
一つ一つ振り返り
犯してきた罪の数と
贖ってきた孤独を
天秤にかけながら ....
夕焼けを背負い
黄昏に影を映して
今日を振り返らず
明日を思う事も無く
時に早足で
時に立ち止まり
ふと見上げると
涙が滲むのを知る
何を失ったか
何を拾ったか
時が背中を ....
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが大好きだ
カツカレーが好きだ チキンカレーが好きだ チーズカレーが好きだ から揚げカレーが好きだ
ソーセージカ ....
果たされない約束など
交わさなければ良かった
費やした言葉が無為に過ぎ去る
遠くで手を振っている影が
単なる錯覚だと気づいた時
壊れた傘の骨が頬を突いてきた
見向きもされない視線に ....
君の手はあまりに冷たいから
突然背中に触れられると
思わず身震いしてしまう
君はそんな僕の様子に
少しだけむくれてみせて
少しだけ拗ねた目をして
きっと笑ってくれている
離さ ....
静かに語る歌声が
明日に紡いだ願い達
どれ程叶えてくれるかと
見つめて過ごす夢を見て
ささやかな温もりを
同じだけ与え続けて
報いを求める卑しさも
小さな箱に閉じ込める
優しく ....
暖房の効きも悪い部屋の中
膝を抱えてぼんやり過ごす
あと三十分のタイムリミット
月曜日が僕の肩に手をかけてきた
差し迫る現実を目の前に
虚しい空想を慰めに
潜り込んだベッドは
昨日よ ....
発車までの十数分
自販機前の喫煙所
微かに増した北風に
肩を竦めて時を待つ
鼻先掠めた白い粉
灰と思って振り払う
甲に感じた冷たさが
春はまだだと告げてくる
肩に抱えて繰り返す ....
遠くにおいてきた時間を
一つ一つ取り出して
今の僕に重ねてみた
懐かしさと共に思い出す
未熟だったあの頃を
自立の為に選んだ道
自律を願って歩んだ道
幼さと若さの間で
ひたすらに足 ....
人の多い交差点
一人佇む僕の影に
誰かがふと足を踏み入れる
それはまるで
心の中に入り込むように
さりげなくも図々しいもので
だからこそ思う事は
それが例えば誰かじゃなくて
僕の望む君 ....
北風の声が少しずつ
冷たさを増す12月
いつもと同じ帰り道
佇むように咲いていた
小さな体いっぱいに
陽射しを浴びてのんびりと
場所を間違え根を伸ばし
季節を忘れて咲い ....
冷め切った路地に
泡沫の玩具が舞って
寒さ堪えて歩く僕の
肩に弾けて消えていった
子供達の無邪気さと
自分の卑しさとを比べ
小さく息を吐いて
無造作に首を振る
涙が出た訳じゃな ....
長袖に染み込む空気は
もう安らげるほど
涼やかじゃないんだと
何気ない十一月の黄昏
駆ける自転車の上で
小さく身震いをした
二十七年目の誕生日まで
あと半月といった所
眠り足掻くだ ....