窓際に並べた氷がとけていくのを眺めていた
わたし以外に誰もいない
広い部屋の中で
ひざをかかえるように小さくなって
息を潜めて

日が落ちて暗くなっていく
とけた雫か
わたしを伝って流 ....
昔からショックな言葉に慣れていた
今では投げかけられる言葉の棘をよけることさえしなくなった
本をいくら読んでも人との付き合い方なんて分からない
人とできるだけ関わりたくない
関わらなければ何も ....
そばで健気に咲いている人を毟り取った
ピンクを手にできない天邪鬼なわたしに免じて許しておくれ
男になりたい
可愛く咲くあなたは綺麗でも
そこにはびこるアブラムシみたいに
あなたを誰よりもやら ....
ねぇ、お布団にいないよ
昨日まで
体温の高いあなたに温められて
頬をすり寄せていたはずの滑らかな肌がない
耳元でおやすみの声が聞こえない
眠れない
眠れないはず
長くそばにいると離れた時 ....
本音を打つと手が震える
数え切れないほど作りかけのメールを消去した
距離があるから致命的で
はやく言わないとと誰かがせかす
お互い気づかないフリが得意
そうしないと耐えられないと知っている
 ....
たまにだだっこする
平気じゃないのに平気なふりをする
夜ごろんごろんしてたかと思うと
朝にはしっぽをピンと立てて
行って来ますととびらの前で
一人で生きて行けるって宣言したさきから
 ....
血のつながりって何だろう
最近そんなことばかり考える
親子って何だろう
一緒に暮らして
憎みながらも愛さずにはいられなくて
口では文句をいいながらも手放せない存在
他人に迷惑と言われれば自 ....
不器用なあなたを縛ってみる
抵抗するたびに麻縄が黒い肌にそって生き物みたいに動く
熱に浮かされていて気づいたらそんなことをしていた
ずっと触りたかった黒い肌にわたしのすべてを這わせて
少し ....
ある日、ドアを開けるとそこには
私の知らない、子供が2人居ました

わがままで
まだ大人かどうかも分からない曖昧な存在の私に
自分の弱さを訴えてくる子供達

面倒な子ねと切り捨てることは ....
FLY ME TO THE MOONが流れてる

寂しいとだめなのと
そんな悲しい顔をして遠くを見ないで
伏し目がちな目をして
頼りなさそうな肩で
まつげが少し濡れている

そのしずく ....
一人でご飯を食べていたんだよ

それは仕方のないことだった
わたしの家は特殊で複雑なので
他人からは簡単で残酷に思えることが
仕方の無いという言葉で片付いてしまう

祖母は一人でご飯を食 ....
髪に手が触れる
花の香りのシャンプーに眠りが招かれる
細い指が髪にからまり、ほどかれて
湯船で肩まで湯につかり
甘えながら洗い落とされていく
泡が弾けていく
疲れがゆるゆるとほどかれて
 ....
殻に長い間閉じこもって何をしているかと思えば
頬を赤く染めて
あなたは一つの歌を抱えて現れた

こっちは心配でご飯も喉を通らなかったし
寂しくても触れられなくて散々だったよ
なんていっぱい ....
すべすべした冷たい壁に体を這わせる
赤い唇がささやくようにふるえる
足元に布がまとわりついている
いらないとふと思い
次の瞬間にはその記憶さえ捨てた
窓が無い部屋の中で
白い壁が続く無機質 ....
ね、癒しをちょうだい

平日の美術館のしんとした空気がすきなの
色とりどりの小窓からみなが挨拶をくれる
しんとした空気
足音を立てずに挨拶を
スカートの端をつまんで優雅に足はクロス

 ....
仕事に行く
ぎりぎりのところ
足を一歩踏み出すだけで息が苦しい

外の世界とつながらない
伸ばした手はいつも空気を掴んだ
あたたかい手はない
足を踏み出すだけで疲れていく一歩一歩
 ....
寂しすぎて、まぼろしが見える
愛してる
それは滅びの呪文か
家に鍵をかけなくなった

怖いものがなくなったのか
もう失うものが何もないのか

祖母は離れの鍵を閉めなくなった

あれほど何かに怯え
家族にさえも恐怖に感じ
この地上のどこにも安全 ....
都会の片隅で小さな太陽がふんわりしている
誰にも気づかれないようにそうっと触ってみる


やさしさが広がっていく
あの不安定な学生寮の中で
おっかない大家の目をかいくぐり
ロミオに会いにいくのです
あぁロミオなんて
悠長に危険を冒しベランダからは言えません
片手にスーパーのビニール袋を提げて
こっそり ....
この世は思ったよりも残酷で
どこまでも冷たくきれいだった
いつか見た氷の女王のように
心が凍り付いて
温かな鼓動さえ隠してしまう
一人で公園で鼻を赤くしてそんなことを熱心に夜空に語った

 ....
抱かれて眠りにつく
花びらに抱かれて眠りにつく
気づくと体中が棘だらけで
優しい花びらさえ壊してしまう
願いが届くには棘だらけの皮膚を
奥に眠る何かさえ
ひっぱり出さないといけないの

 ....
窓際で、本を読んでいる
風がさらさらと長い髪にふれている
春の香りがあたりに漂う
時々体の位置を変えるたびに
自分の存在に気づいているのかと不安になる

こんなにも後ろめたいことなら
い ....
生き急いでいるのかもしれない
怯えながらこの世界で少しでも多くのことを得たい
限られているからこそ
貪欲に希望を持ち
何かをこの手に掴み取ろうとしている

それは成功ばかりでなく

後 ....
ひざの上に大きいねこがいる
くるくるしたくせっ毛をゆっくり撫でる

普段難しい顔をしているそんなあなたが
安らかな寝息をたてて
ひざのうえでおとなしく甘えている

あまりにも可愛すぎるか ....
熱を帯びていく
赤い唇に似た花びらが体に落ちる
落ちていくのは花びらか
白いあなたの体か
波がうねるように

ねむり閉じられた視線をつなぐあなたの扉
漆黒の瞳が中に閉じ込められ
わたし ....
夢が膨らんでいく
いつまでも
この空の羊雲の背に乗って
ふわふわと漂いながら
私は夢を見ている
遠い遠いかもしれないけれど
きっとくる明日を見ている
日に日に歳をとり続けているけれど
 ....
何故こんなにも頼りないのか
思っていたよりも簡単に包み込めた細い肩
遠くから見ていた頃よりもずっと
近くに居る今のほうが手に入れるのが怖い
後ろ姿で
思い出の中ではずっとその姿のままで

 ....
仕事に疲れた
唐突におもったので
庭にいた見知らぬにゃんこと戯れて
一緒に猫じゃらしをがしがししながら
夕方になるまで外で遊んだ
にゃんこはそろそろ帰るよと気まぐれに帰ってしまう
薄暗い庭 ....
肌をあわせて
肩を抱いて引き寄せて
薄暗い明かりに照らし出された
非現実なひとかたまり
粘膜の全てをすり合わせて
やっとどうにか温かい
やわらかな空間の中でやすらかに眠る
手をつないで命 ....
暗闇れもん(406)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩1307/5/22 22:27
扉の向こうで自由詩307/5/19 21:51
咲く人自由詩007/5/12 22:25
ねこにんげん(10)自由詩107/5/12 22:09
遠距離2未詩・独白2*07/4/22 2:18
ねこにんげん(9)自由詩3*07/4/17 23:06
親子[group]自由詩4*07/4/17 20:59
自由詩2*07/3/31 23:14
大人になる日自由詩5*07/3/30 22:05
雨宿り自由詩2*07/3/28 23:40
独りご飯[group]自由詩4*07/3/24 21:32
泡花自由詩1*07/3/16 22:44
歌姫自由詩6*07/3/16 22:02
密室[group]未詩・独白2*07/3/14 22:02
平日美術館自由詩7*07/3/14 21:35
休日自由詩5*07/3/1 23:29
遠距離自由詩6*07/2/27 23:24
[group]自由詩3*07/2/27 22:38
自由詩3*07/2/25 0:53
戦うジュリエット自由詩5*07/2/23 23:59
大人ずきん[group]自由詩2*07/2/22 1:00
強がり自由詩3*07/2/22 0:06
窓際自由詩3*07/2/21 23:45
夢(2)自由詩0*07/2/18 1:17
昼寝自由詩1*07/2/10 23:03
よる自由詩6*07/2/4 1:35
自由詩0*07/2/2 22:27
背中自由詩3*07/1/31 23:30
ねこにんげん(8)自由詩1*07/1/26 22:58
エロス自由詩3*07/1/25 0:51

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