淡い赤とあまずっぱい香り
苺がくれる内緒のしずく
お家を運ぶボクにはごちそう
檸檬ドロップを一掴み、口いっぱいに頬張る
あまりのすっぱさに涙でた
いつも頑張る君にもいっぱいあげる
泣いてもいいよ
それはきっと
檸檬の涙を集めたドロップのせい
じゃりじゃりと砂利道を
靴擦れを我慢しながら歩く
足に絡まる浴衣も
履き慣れない下駄も
平気なふり
袋の中で金魚が揺れる
歩幅の広いあの人に
気づかれないよう小走りで
オスカマキリが泣いているから慰めたら喰われかけた
彼女は僕を餌としか見てくれない
あの甘い日々は偽りだったのかと
嘆くオスカマキリの目の色は次第に変わる
新手の罠か
危ない、危ない
街灯を転々と遊びながら帰る
競う人もいないけど
ただ歩くことはしたくなくて
誰もいない夜道をケンケンしながら進む
窓からこぼれる光がなぜか寂しくさせる
子供みたいに
ずっと
帰りが遅いと ....
喉が痛いという妻に何気なくあげた
薄荷キャンディー
たった一粒でこの効き目
目を書きます
スケッチブックいっぱいに目だけです
切れ長の目がいっぱいです
瞳は黒く睫毛は長く
目だけだと表情までは分かりません
けれどきっと優しい人です
黒いアバヤの中の愛しの貴女

 ....
溶けていく砂糖漬け
とろとろと閉じ込めていたものを外に放つため

ふんわりと果物の香り
ふんわりと花の香り

固まった心もいつかは溶けるかしら

わたしらしく
あなたらしく
クローバーの海に沈みながら
流れてゆく雲を見た
雲がちぎれ また別の雲に繋がり 空の色に染まり 風に操られる
疲れ果て
クローバーの海に身を任せ
四葉を探すついでに
忘れていた涙を地球にあ ....
鳥のように空を飛び
羽を広げ雲に身を捧げて
月の光に染まり
夜を夜と感じ
一日を一日と感じ
全てが自己責任である自由を手に
広い世界へと解き放つの
黒い羽は闇に染まり
逆さまの世界が私 ....
きたいが充満している
息を吸い込むだけで口や鼻から入り込み全身を巡る
生きるために必要不可欠なもので
明日は今日よりも良い日だといいなって感じと手触りが似ている
明日が来る喜びに今日が去る悲し ....
非現実世界と現実世界
狭間に捕われの身
いたい
頭から脳を吐き出して
腸をしっぽみたいに引きずって
サルになる
人間にない苦しみに目を瞑って
不恰好なサルもどきになる
人間にはなれない ....
スミレの花の砂糖漬けを一つ口に

舌先で触れる
とろりと甘い
真っ暗な静寂の世界で孤独な二人が音を作る
朝になれば羽が体に滑り込み軽くなる
見えない羽が元気をくれる
誰でも持ってるふわふわの羽
眠ると白い獏が届けてくれるよ
朝、色とりどりの見えない羽が舞う駅のホーム
夜、千切れた羽が星空に吸い ....
踊り子ですか
赤い靴を履いて踊り続ける踊り子なのですか
罪ですか
わたしは罪を犯しているのですか
だから死ぬまで
この足を切り落とすまで
踊り続ける踊り子
この恋はわたしの独り芝居
舞 ....
本に挟まれた妖精がキイキイ鳴いて
目が覚めたら夜中の二時だった
丑三つ時に出るなんて妖精も日本のお化けと同じね
笑ってやったら小指噛まれた
本でぎゅーってしてやったらまたキイキイ鳴いた
気が ....
俺の周りにはいつも飴屋がいた
あまい飴
にがい飴
からい飴
すっぱい飴
そいつはいつも
感情なんて面倒なものだと言わんばかりに無表情な顔で
飴を入れた桶を二つ肩にしょい
金魚売りの要領 ....
星作りの夜
音が聞こえそうなほど近く
手が触れるほど近く
唇を震わし言葉を風に変える

ぱちんぱちんと音が鳴る
星のかけらを浴びて
背に生えた見えない羽を振るわせる
ぱちんぱちんと
 ....
ことりことりと首が落ちる
シーツの上に散らばる椿の花
ことりとおちる音が聞こえるようで
耳を押さえてうずくまる
何が怖いのか何か悩みがあるのかと
たずねる男の声さえかき消されるほどに
こと ....
歌うとき体はかたしろになる
曲が持つ色とりどりの魂のうつわ
声は白く脆い粉砂糖で出来た薔薇の花
またある声は黒猫の目のようなまあるい光を描く
うつわに魂が宿る
誘われるように口からは♪がこぼ ....
寂しくない薬欲しい
こんな私じゃ、誰もかも呆れてしまう
自分が寂しいの止められる薬が欲しい
人前で泣く事さえ出来ない
それならいっそ泣かない薬が欲しい
寂しいばかり言う愚か者のそばに
誰も ....
蜂蜜色の飴を舐める
雨の雫くらいの大きさで
人差し指と親指で摘み上げると
ぷるんと揺れる
口に入れると甘くて
しばらく舐めているとしょっぱくなってくる
我慢して舐めていく
気がつくと涙も ....
ふんわりした夕焼けの雲に抱かれる
お日様のいいにおいするよ
晴れた日に干したお布団みたいに
ふかふか
オレンジ色に染まる
手をつないだ影も笑顔も
胸がこんなに苦しいのは
あの日の楽しい思 ....
膨らんだ感情を幾つかの言葉で編んだ檻に閉じ込める
とげとげがちくちくと胸を刺す
けれど気にしない
普段言えない部分も真っ白な世界では
無理出来ないから
荒れてとても痛い言葉を読み手にぶつける ....
寂しいと泣くありんこを踏み潰したら雨が降った
しとしとと
塩味を舌で確かめる
あめ
寂しいと泣く自分への戒めのためさ
誰も助けない
そんなこと知ってるよね
ごめん
だから泣かない
ば ....
背を向けている女

背格好が似ていて
同じ香りもしている

手からすり抜けていった女

男の笑う顔だけが見える

腰に手を回し
歌うように
触れるか触れないかぐらい
おもいを伝 ....
ベッドに寝転びながら真っ暗な天井を見上げる

次第に浮かび上がる伸ばした手のかたち

疲れた貴方をこの手で抱きしめたくなる

言葉だけが遠く離れたあなたに届く

言葉というものの良さを ....
トイレの便器に座って下着を下ろす
この普通の行為によって導きだされるのはそう、排泄物だ

食事中の方失礼

力んだところで出るものは出ず
変わりに長く細長いものがにゅるにゅると飛び出した
 ....
琥珀色したウイスキーの様に詩をねかします

夜寝る前のぼんやりとした頭の中に
色んな香りや味がする言葉を放り投げて

樽の代わりに夢の中で

自分でも思いつかない言葉が時折
隠し味とし ....
魔法使いを名乗る人がいた

学校の帰り道丘の上でぼんやりと空を見上げる男

それが魔法使い

知らない人と極端に話すことを恐れ
遠回りに帰る背中の後ろで

魔法使いはただ空を見ていた ....
暗闇れもん(406)
タイトル カテゴリ Point 日付
3時自由詩1*04/8/14 16:22
檸檬ドロップ自由詩1*04/8/14 1:05
夏祭り自由詩004/8/13 10:15
独り言(蝶)自由詩2*04/8/12 22:07
夜道自由詩3*04/8/12 18:33
笑顔クスリ自由詩1*04/6/12 0:58
砂の舞う国[group]自由詩4*04/5/5 16:23
砂糖漬け2未詩・独白1*04/5/5 1:11
緑の海自由詩10*04/5/5 1:08
こうもり自由詩6*04/5/4 17:07
きたい自由詩2*04/5/4 12:40
サルもどき自由詩2*04/5/3 21:51
砂糖漬け自由詩2*04/5/3 0:19
雲製造システム自由詩3*04/5/2 18:43
赤い靴[group]自由詩4*04/3/30 0:25
妖精[group]自由詩3*04/3/28 14:15
恋風味自由詩4*04/3/26 18:56
星作りの夜自由詩6*04/3/25 23:36
ことり自由詩1*04/3/24 21:47
うた自由詩2*04/3/23 23:28
ひとがた自由詩2*04/3/22 21:54
別れ飴自由詩3*04/3/22 16:11
夕焼けお布団自由詩2*04/3/21 21:33
投げました、当たりました自由詩4*04/3/20 12:29
ありんこ自由詩3*04/3/19 20:33
ドッペル(ドッペルゲンガー)自由詩2*04/3/19 13:08
よる自由詩2*04/3/17 21:37
失恋衝撃レベル自由詩7*04/3/16 23:23
できたて自由詩304/3/16 0:40
居場所自由詩304/3/15 19:27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 
0.1sec.