窮屈に気がついて私は朦朧としていた

近くから心地よいざわめきがきこえ

かすかに薫る暖かさが全身に広がっていく

春がおでましかと重たい瞼をひらいた
海上は大きな波がうねり
雲は重石のように心にのしかかる


平静を求めて 安楽を求めて
ゆっくりと底へ底へと
熱めのコーヒーと
うつ映画が私を導いてくれる

時が 光が 
小さな泡 ....
宇宙は無という空虚な大地を開拓している

有を生み出しながら

自由と孤独が漂う中を

淡々と



人間は人生という草原を旅している

他人から自分というものを認識しながら
 ....
冷たい風 淀んだ光 潮のかおりをうけ
霧がかった海に浮かぶタンカー船はゆっくりと横切ってゆく
私は風に身をまかせ感慨深く眺めていた





眠りに落ちた瞬間 わたしは意識から ....
一面は乾ききった砂の大地

太陽が容赦なくあぶりつける

植物の集まりかと近寄るも 

風が作り出した砂の山陰だったことに落胆する

重たい熱風が背を押し付け

やせ細った体は倒れ ....
神様は0(ゼロ)を

均等に2分割して

皿の上に置くことができれば

あなたたちの関係を修復させようとおっしゃいました。


私は答え探しの旅に出るので

少し時間を頂けますか ....
乾いた笑い
矛盾した怒り
爪先立ちのプライド

耳後が痛む



言語、知恵、経験
複雑に首元に絡み合い
巨大化する 

絞めつけられる頚椎



もうすべてぶち壊して ....
海と空は手を合わせ
真っ白で
ふわふわの
雲のじゅうたんをつくっている

風はごうごうと
じゅうたんを
夕日にひきわたし
夕日は
やさしく
オレンジ色に
染めている

通りか ....
ドラムに合わせ雨が降り
やがて収まると静かに
霧が会場を包み込んだ
うす く うすく

疎らな客席が冷たく
こちらを眺め
舞台を突き刺している

照明は雨霧をかわし
なんとか会場を ....
どんよりした空の下
石畳の広場では雑音の中
何かに追われているかの様に
人々は行き交う
ベンチの近くでは
厚い眼鏡をかけた老父が
鳩に餌をまいている

私はその光景を
木の高いところ ....
宇宙を開腹した
するとそこには
赤々とした地球が
漂っていた

手でそっと拾い上げ
状態 温度 色彩
を確認した
どれも一定基準を
下回っていた
冷却処理を施し
月の栄養を
与 ....
ある日事故にあったぼくは
人間に助けてもらった
人間は親切にも
ボロボロのぼくを刺激しないように
そっと離れたところから
痛いところはないかい?
お腹すいてないかい?
寒くないかい?
 ....
ビルの間から差し込む月輪の筋が
静寂に包まれた街の噴水の塔を照らし
風が精緻に形どった街灯をなでた

噴水の前に赤毛の女が立ちつくし
トランペットを月明かりにかざした
そして風が吹き止むの ....
くすんだ黄色の水溜り
上を見上げ
雲が漂う空と
にらめっこ

林の中では
枝葉に溜まった
水滴が
我こそ水の男だと
言わんばかりに
飛び降りる

枯葉の下では
何やら
笑い ....
金魚鉢のなかで
金魚が白い腹を上にして
浮いている
連日の暑さで
死んだのだろう
食べるための魚は
何とも思わないが
観賞用の魚が死ぬと
なぜか心が痛む
時間があれば
金魚の葬式を ....
セミの青年やっと殻から出てきたよ。
今から鳴き方の練習をするようです。
では皆さんこっそり聞いてみましょう。

マ・マ・マ

ミ・ミ・ミ

ム・ム・ム

メ・メ・メ

モ・モ・ ....
レールの大きな軋む音で
返信を待つようなメールを
読み残したまま
携帯を折りたたんだ



扉が開くと茹だる様な
暑い風が車内の入り口付近まで
入り込んできた
私はホームに降り立ち ....
向日葵は上を向いてなにやら
太陽とお話をしているようだ

太陽さん、
私と一日だけ交代しませんか
お疲れでしょうし

太陽は答えた
そうですね
一日くらいお言葉に甘えて
休ませても ....
君は前脚を
威風堂々と開き
後脚を           
上品に揃えた
私は黒毛の艶やかな
毛並みにうっとりし
そっと撫でた

吸込まれそうな眸
見とれていると
君はこちらを見やっ ....
夜の仕事から帰ってきた女
シャワーを浴び終え
冷えた部屋のなかで
自分の体を大きな鏡に映し出す
年と酒のせいか
下腹部を見てうなだれ
大きなため息をつきながら
寝巻きに着替えた

そ ....
灰色がかった厚い雲に覆われた大空
ところどころ仄かに煌めく
その煌めき
たちまち稚魚となり
大空を泳いだ

稚魚
風に煽られつつも
しっかり雲に身を寄せ
必死で風の流れにのっている
 ....
道端に傷ついた
音符落ちてた
すぐに崩れそうなので
そっと拾い上げて
家に持ち帰り
ちり紙ひいた
丸い缶々に
いれてやった
何をしてしてやれば
いいのだろう


ピアノの上に置 ....
ため息まじりの
シャボン玉
すっ〜と
地面に
落ちてゆく

青に染まった
シャボン玉
しゅんと
ひとり
さみしいな

秒針集めた
シャボン玉
ぽわ〜んと
君を
待ってい ....
うずまき柄のシマウマ

性格はひねくれていて

曲がったやつだ

見たことないって?

ふふ ひねくれているから

人目に顔を出さないんだよ

それで山の奥地で一人寂しげに
 ....
吸いかけのタバコを押し当てた

心の奥底に住む陰険な目つきで

こちらを睨み付ける邪心に押し当てた

ジュウっと音が鳴るわけでもなく

肉の焼ける嫌な臭いもない

ただ邪心の高笑い ....
長期出張を終えた気分晴れやかな私の前に
あんな残忍な光景が待ち受けているとも知らず
私はエレベーターの前で玄関扉の鍵を指に絡ませ
クルクルと回しながら扉のほうへと足を進めた

はじめに玄関扉 ....
レモンの木に

レモン汁

かけてやったら

「酸っぱいじゃないか!」

と言い返してきた

これで

なにより

なにより
菜の花カフェでは アゲハチョウ
静かにjazzを聞きながら
アイスティーに 舌づつみ

木陰の下では テングチョウ
木の幹 張り付き
かくれんぼ

風を拾った モンシロチョウ
お化粧 ....
パスワード
  色々あって
    忘れそう

2階くる
  何しにきたか
    忘れたよ

何食った?
  昨日の夕飯?
    忘れたよ

酔っ払い
  帰りの道は
 ....
見えるのに
あなたの心は見えないなぁ
見えるのに
あなたに触れることができないなぁ

見つめても
あなたは気づいてくれないなぁ
見つめても
あなたは遠くの星を見る

もう一周
私 ....
hiro(73)
タイトル カテゴリ Point 日付
多年草・春自由詩216/3/12 17:50
リセット自由詩016/3/11 4:38
自由詩216/3/7 1:27
向こう側自由詩016/2/29 2:40
指先の湿り自由詩015/10/19 1:31
別れ自由詩115/2/13 10:39
原点自由詩115/2/7 22:03
雲の工場自由詩3*07/11/17 21:45
失恋のサーカス自由詩3*07/10/7 6:09
気分転換自由詩2*07/9/19 6:52
地球自由詩2*07/7/24 19:50
人間とぼく自由詩2*07/7/22 16:27
旋律街自由詩1*07/7/21 19:34
雨上がりの林自由詩5*07/7/21 11:38
ふれんど自由詩4*07/7/20 19:20
虫の声(セミ)自由詩5*07/7/19 7:37
夕道自由詩2*07/7/18 18:17
太陽と向日葵自由詩6*07/7/17 19:49
黒毛のグランドピアノ自由詩3*07/7/17 1:27
都影女自由詩0*07/7/16 7:51
雲の子自由詩9*07/7/15 9:03
羽の折れた音符自由詩8*07/7/14 10:41
待ち合わせ自由詩1*07/7/13 21:54
シマウマ自由詩3*07/7/13 0:01
邪心自由詩3*07/7/12 20:44
彼女はサボテン自由詩4*07/7/12 10:51
自信自由詩6*07/7/9 9:50
自由詩207/7/7 20:37
川柳307/7/7 7:48
恋する人工衛星自由詩107/7/7 6:25

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