猫 聞いて
きのう わたし
乗り越えた柵
おきたらまた
目の前に柵
猫 ねそべって
聞いてない
あした わたし
終わりをみに
いこうかな
猫 おまえ
やさしいひとに
拾 ....
車椅子の母の髪をカットした
チョキチョキ ハサミで切りそろえる
黒い髪より 白髪の方が多くなったね
わたしは 母が年を取って授かった
上には 年の離れた兄弟たちがいて
望まれないまま ....
くらやみを大きな箱でまっすぐ
ぐねぐねと 山越え
べっどたうん に 帰る
疲れた背中たちをみている
眼は うつむき 遠くを見てる
あきらかに この中に明るみはなく
ただ ....
野良猫が生垣から顔を出して
じっとこっちを見ている
/かけとび
あやとび/
/ステップとび
去年はできなくて癇癪を起していた
ふふふ、まあ頑張れよコワッパ と思った ....
気をつけたまえ
背中を向けて
眠るとき
寝首をかくかも
しれ ....
メダカは気弱な小魚だって
それが定義だと
それが憐れだと
勝手な思い込みが押し並べて
それがあまりにも{ルビ酷=むご}いと
両手で包み込もうとする
君の余計な優しさが
彼等の胸まで押 ....
明滅する赤や緑の光を浴び
暗闇にしまうまは横たわる
静けさの中でざわめきだけが
息 ....
四月病ってあるらしい
さりとて年度替りの初々しい賑わいとは
とうに縁遠くなっているのだから
花散らしの雨もあがり葉桜と化した桜並木を
これでよいのだと独りごちながら歩む
※
....
知っていますか
あなたが長い黒髪をなびかせたとき
真昼の純粋で無垢な輝きを消し去ってしまうこと
知っていますか
あなたが落ち着いた声で語るとき
街中のにぎやかな喧騒を消し去ってしまう ....
公的扶助の受給者の列を写せ
民は思う
なぜ、もっとしっかり生きないのか
貧困で餓死した親子の部屋を撮れ
民は思う
なぜ、生活の保障を受けないのか
国や自治体の生活保護行政の抜け穴を ....
せつなさと呼ぶにはうす汚れ
虚しさと呼ぶには大げさすぎる
そんなありふれた感情は ....
感覚は、何かがあることを教えてくれる。
それはその物が何であるのかは伝えないし、
その物にまつわる他のことを伝えてもくれない。
ただ何かがあることのみを知らせるのである。
(C.G.ユング ....
ただよう雲
なびく風
うなだれる向日葵
生きているよ
話しかけられた気がして
ただようぼく
なびくぼく
うなだれるぼく
生きているか
軽く肩をたたかれた気がして
地平 ....
こんもりと雪に覆われた朝
夢中でついばむすずめたちは
埋もれることもなく
枯草を折ることもない
だがまんまるの愛らしさは鋭い冷気への対抗
食糧不足は天敵も同じ
生きることは戦い
いの ....
何かをしようと思うのですが何をしていいのか解らず
家に一人でじっとしているのも寂しいものですから
出来るだけ服を着込んで嵐の様な風の夜に
月を見に出かける事にしたのです
月には雲がかかった ....
それぞれに様々な「ことば」が書かれた無数の箱の前で男は沈思する 名詞 熟語 接続詞 形容詞…吟味に吟味を重ねた末 男は箱を積み上げて建物を建て始める
実存の子 ....
神秘のヴェールを失った
月は一個の衛星
人類にとって偉大な一歩は
月を地面に引きずり下ろした
足跡をつけられ 征服ずみの旗を立てられ
凌辱されたかつての女神は
いまでは早い者勝ち
勝手に ....
小さい頃ママに
この匂いは何って聞いて
キンモクセイを知った
それは秋で
僕の生まれた季節で
嬉しいなって思った
ママなんて呼び方
ありえないって思う時には
もうママは天に召さ ....
えーっとマン
えーっとマン
ハイッ?ハイッ?ハイッ?
ハイッ?ハイッ?
えーっとマン
えーっとマン
霞む瞳
遠い耳
薄れる記憶
ついに本格的
老化現象(鼻毛も白い)
あき ....
サツマイモ
さすがに君も化粧落として
掴んだものがコレ
真新しい長靴も泥だらけになって
急ぎ足で抜いてきたようだ
もしかして きみ
屈託のない笑顔に問い掛ける
うちだけど
渇いたくちびる三角帽子 ....
湿度にとらわれた熱量が
肌にまとわりついている
エアコンは嫌いだ
あの冷やりとした
微かにカビ臭い風は
地下の駐車場を思い出す
軟らかにしなだれる
段ボールを思い出す
寝苦しさ ....
恋人よ
ぼくはすぐ立つ
スケスケのパンティ見れば
ダークな街の
アダルトショップで
君への贈りもののパンティ
探す、探すつもりだ
いいえ
あなた
私は欲しいパンティはないのよ
....
玉蜀黍
玉杯を挙げながら
君の衣剥ぎ取り
下弦の月に捧げる
濁っていたかもしれない
闇に光る眼差しも
火照った君の肌に淡く溶け出す
黍の甘さがそのまま
横たえた身体から呟 ....
膝の上の猫
まるで愛おしい生き物でも見るような目で
わたしを見てにゃーと鳴くの
通り雨降る、夏の午後
その視線を
すり寄ってくる体温を
振り払いたくてそっぽを向いた
うっとう ....
祈ってあげてください。
とつぜん、そんなメールをもらった。
かれが重篤だという。
かれは もう ひとりの みちを あるいている…
かれのことを、詩友といっていいかどうかわからない。
....
{画像=110609020839.jpg}
誰もが想いを求めて立ち止る時
人は静かに息を継ぎ
少しく肩を落として振り返る
回りの木々は色彩を落とし
静かにあなたの瞳を見守るだろう
....
野原に言葉を放したい
青空の下で
道行き人に言葉を預けたい
街灯の下ででも
わたしは「わたし」を捨て去りたい
「わたし」が
わたしを拾う時まで
わたしは
「あなたがた」の影 ....
夢はまだ
手の届く
ところに
あるでしょうか
わたしのそばに
そして
あなたのそばに
男は単純にうそをつく
あなたは人にうそをつかないため
自分にうそをついてしまう ....
あの花のように
ただ雨に打たれる事が
あの花のように
静かに忍び耐える事が
許し難いことのように
そこに一筋の
情けなさを思うから
今もなお
欠点を無我に隠す
思いの果てない ....
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