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夜の中心に置かれた
玻璃の器の中で
微光を放っているのは
誰にも問われることのなかった
ひとつの答えである
旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた
翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった
後悔はしてないが
時々背中に ....
指でなぞる雲
指先から放たれる感覚は
自由自在に空を飛ぶ鳥のよう
ひゅいと懐かしい風が吹く
雲をなぞったように眉毛をなぞり
瞼を閉じれば暖かい光が
残像を呼び起こし ....
いつか何処かで――
あなたに逢った気がする
あなたのお母さんと
歌に生涯を捧げたあなたの思い出を
初めて語り合った日の夜
生前のあなたも来たという
故郷・朝霞にある ....
母の作る
遠足のお弁当
いつでもそこには
りんごのうさぎ
黄色い躯体に
赤い耳
役に立たない耳の端(は)を
世界に
ぴん、とそばだてて
ああ
君がい ....
私が気づかないうちにも
時は進んで
雲は形を変えながら空を流れ
波は静かに押し寄せ
引いていく
一秒…
二秒……
時は止まらない
お願い時間よいかな ....
心が弱っているときは
余計なことが
(巧妙に隠された冷たさとか)
見えてしまう
それで勝手に
傷ついたりする
心が弱っているときは
余分なことを
(キャラメルのおまけとか)
....
遠い海を思う日
すべての手足が色あせて見えた
博物館に展示された金飾の棺のように
自我という幻が何かを閉じ込めているようだ
風化させるままに人生を問えば
その答えもまたかさこそと音をたて ....
今日 一つの悪意がとぐろを巻いていた
子供の頃に見た陰鬱な景色のよう
すべてが蠢く暗号のように
見慣れた街並みがそのまま
仄暗い陽炎にゆがむ悪夢のように
今日 一つの悪意がとぐろ ....
出がけにかがんだ拍子に
傘立てをひっくり返してしまった
ありゃりゃ
傘の柄がポケットにしがみついている
学童用の黄色い傘
自転車通学している
中学生になった子供のものだったが
そうい ....
僕の中の水
君の中の魚
穏やかな流れにさえ
魚はとどまらない
僕の中の土
君の中の花
地面に黒い影を落として
花は咲き誇る
僕の中の空
君の中の鳥
どんなに ....
心の晴れ間は錯覚だから
いつも本当はどんより曇った空より
淀んでいること
誰も知らないわけじゃない
知らないふり?
できるわけない
心の中なん ....
{画像=121007020710.jpg}
さんぽのとちゅう
すりよるこねこの
せなをなでたらね
せぼねをじかにさ
かんじてしまって
せつないかんじだ
....
欠けている月をみれば
前髪が伸びたあなたを思いだす
あと何日かすれば
あなたの笑うのとおんなし角度に月がわらう
あんなに
やさしげではなかったけど
くたくたにくたびれ優先席で寝入っていた高校生
に傲慢な老人が席を譲れと激しく言い寄っていた
悲しかった
愛に溢れた社会
命を大切にして
お金等いらない
食べるだけ稼ぎ
世の中が綺麗で
苦しみを分かち
理解に溢れてる
すぐ近くにある
綺麗な自然達と
働き者の仲間達
森林の様であ ....
1
耳なし芳一
壇ノ浦に座す
撥は海風
火の肌をなぜる
赤い藻屑と沈んだままの(旗たち切れの)
悔いの嵐の そのなかの
2
めくらの芳一 どこへゆく
雨滝のよう 夜闇のよ ....
どんより色の窓
真っ黒に白い模様の
蛾が二匹
はたはたと舞っている
夕暮れの薄ら暗い窓だよ
秋に死す者
その不吉さを
喪服の様な衣装で表現か
ああ 舞う ....
とししたのメンズは
いどんでくるから
つかれちゃうのよ
かちたくもないけど
かつし
かてばかったで
つぎから
てきよばわりされるし
そう ....
指を折り数えた
波がない
気付き難いしあわせ
遠い場所に行けば
すぐに人は見えなくなり
空はもっと遠い
ふてくされた約束を
取り戻す
からくりのない場所で
....
{ルビ月極=げっきょく}さんは資産家だ
日本全国に空き地を持っている
でも、どこに住んでいるのだろう
月極さんのお家がない
そう思うと、ちょっとかわいそう
パートさんになった
月極で働 ....
おまえも ころもがえするんだろうと
犬に話しかける
ええ そろそろ冬毛が生えてくる季節です
けれど 私には長袖も半袖もありませんし
化繊や木綿や絹だとか
細かな品質表示はもとより
陰干 ....
人生が好転してきた
全てが調子が良い
心配事も減り
環境も良くなる。
楽しい
幸せだ
充実している
満足している。
体重も軽くなり
体調も良い
人からも好かれる
仕事が舞 ....
心に夕陽が沈むと
満天の星
ことばたちがキラキラと
真夜中のいきものたち
真夜中の市場にはすでに
大都会の胃袋を満たすための供物が
続々と魁偉な動物のような巨大車両や
あるいは中型や小型のさまざまな甲虫たちによって
到着し並びはじめて ....
夏の雲は膨らんだ自我
眩暈 土砂降り 稲光
遥か上には秋の雲たなびく
天使の翼のように
美しき日に坂道を上り また下り
廃屋の漆喰は剥がれ落ち
背の高い草が住む
暗がりに ....
大外刈りをかけたくてオヤジ狩りに遭う
よしだ自転車
マドモワゼル美容院
スーパーコスモス
夜10時までやってます
パーラーラスベガス
猫を探してます
見かけた方はジェリー佐藤まで
スモッグ注意報発令中
....
この道は、何処へ続いているのだろう。
このようなことを、あの頃はずっと考えていた。
今までにつらい、苦しい、もうやめたい。と、膝をつきそうになることが何度もあった。
だが、そのたびに ....
前ぶれは風のなか
雨のにおいのする
森は、騒き
心をみだす
( 誰もが平然と目をそむけるそこに、)
山の気はその密さをまし
やってくるものの 大きさをおしえ ....
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