私の穢れも
あなたの澱みも
総て吸い込まれていく
何も無かったかのように
回りは何もくっつかない空気が佇む 曇りの外気に文句はない
プラスにもマイナスにも ぶれない数値 平常心 圏外の感動は小波
大きめに砕いた珈琲豆 酸味嫌いも薄い酸味 熱さだけ口移し
今 ....
おもうんだけれど
すべての真実はきっとどこかの看板の裏にでも
ちいさな文字でこっそりと書いてあるんだ
ぼくの夢の中の沙漠の入り口で老人は言ったのさ
誤解は理解の種
迷妄の畑にも真実の苗は ....
ふと手にした一枚の紙切れに
優れた画家のデッサンが浮かぶように
鏡は少女の清らかな
一瞬の微笑を映すだろう
ほのかな{ルビ灯=ともしび}のひかりの中に
明け方の少女がひとり
....
無欲な晩餐会でかわを剥がれて丸焼きになるな
せめて生き延びる手立てを身につけろ
降り注ぐ暗黒の汚物は人生のソース
世界の淫らなリソースアンドてり玉バーガーセットは
ぶたのストラップのおまけ ....
一日の終わりに
脱いだ
ぬけがらが
いくつか並んでいる
命がけで
脱いだわりに
その佇まいは
くしゃみ
ひとつほどの
可笑しさを漂わせている
上手に脱いだ
ぬけがらは
....
冷たい湖の中をただひたすらに泳がせて欲しい
何処にも始まりはなく何処にも終わりがない
水草に足を取られて沈んでしまうまで
ただ泳がせてほしかった
そんな事を思いながらあの日 ....
ヤドカリのバスタオル 頭上注意薄ピンク色
偶然かしら pjの同色のバスローブ
夕食はまだなの 今日はオーブン料理だから
帰宅を待ってるの
湯冷めは 昼間の太陽の余韻がフワリ ラ ....
風よ吹け
そして俺達のみすぼらしい魂を笑え
みすぼらしい事にみすぼらしい姿で
汲々としている俺達を
風よ吹け
そして俺達の腐った魂を凪いでくれ
世界はまもやく穏やかな風になり
人間などは ....
雨に濡れたアスファルトに
並木のみどりが映っている
言葉に餓えた人たちが
傘に隠れて哭いている
雨は涙に良く似ている
昼は処刑台に良く似てい ....
僕は
コトバに打たれ
コトバに追われ
コトバに泣く
今日も
コトバの色暗く
コトバの音重く
コトバの肌ざらざらと。
時に僕は
コトバへ逃げ
コトバへ叫び ....
暗闇の中に
長い間いるせいか
赤
と言う色を
忘れてしまった
他の色は
心もとなくも
なんとか
思い出せるのだが
どうしても
赤だけは
イメージできない
薔薇の赤
....
Baby 空の高さなんて
気にせず見上げて欲しい
太陽にも優しく
眩しさを感じて欲しい
生まれながらの幸せに よそ見で零れる涙を
拾ってくれる人に 投げかける心を忘 ....
蝶のくちもと
触れる予兆
硬い草色
舐め取るふるえ
粉にまみれた異母兄妹を
泡のように飲み干して
こぼれた光
夜の 市街
皆のところに行けない犬
噴水 ....
ひらり おちる
消しゴムのかす
えんぴつを研いだ時の
木の破片
真っ白なノートに書きなぐった
たくさんの言葉たちが
笑う 泣く 笑う
書いては消した 小さな唄
ちっ ....
歌声をたよりに 君を探してた
夢だとわかっているのに それでも君を…
点々と続く足跡は猫みたいに小さいのに
その向こう側に君がいると確信する僕
足元が滑って まるで地球儀の上を歩いてるみた ....
母の日がすぎて
枯れるしかないカーネーションが
花屋の奥に隠れている
ありがとう も
ないよ ね
今さら
なんでもない日に
ぼさっと訪れて叱られようか
母にとっての子供でいた ....
ここにあるのはただのがらくた
偽物で繋ぎ止めた
僕の透明な城
見える奴にしか見えない
はりぼての城
僕はそこでしか呼吸ができない
僕はそこでしか物が見えない
僕はそこでしか声を出せな ....
お金とのめぐり合わせ
悲観に胸を打たせず
雇われ芸人のように平らな道で滑る
お金よりも大切なもの
そんな美徳 3拍子で振り終える
マーフィーを書き写す がむしゃらな上り坂
頭だけ ....
車椅子の母の髪をカットした
チョキチョキ ハサミで切りそろえる
黒い髪より 白髪の方が多くなったね
わたしは 母が年を取って授かった
上には 年の離れた兄弟たちがいて
望まれないまま ....
初夏
少年の頃
お話の木の絵を見た
広葉樹の木陰で
子供達が
眼を輝かせ
耳を傾けている
お婆さんのことば
森や草原を漂い
風に運ばれて
村や町や港や
海や諸国を巡り
....
嵐の海を
さまよう
一艘の舟
なすがまま
耐えるのみ
時間が経つのを待ち
天に祈る
無事に帰れますように
次の朝港につく
灯台は一晩中
見守っていてくれた
感謝します。
....
天から光がさし
地から湯気が立つ
鳥たちの声
虫たちの息
生きている
感じている
日常を忘れ
自然に返る
敵はいない
味方もない
一人で歩く
今を生きる
つぼみのまま
死んでしまった木
息も途絶え
枯れてしまった
風にゆれて
寂しさのみ
ぶる下がっている
カサカサいって
さらこうべが
笑っている
千年の時も
盛者必衰の理
....
{画像=120506235631.jpg}
きらきら光る
硝子の破片
きらきら光る
小川のせせらぎ
寂しく独りで
光っている
きらきら
きらきら
光っている
....
鳥の囀りが
風に乗り
詩になっていく
花の分身が
風に乗り
詩になっていく
雨の音符が
風に乗り
詩になっていく
ここで
みんなが
風を待つ
わたしの言葉も
風を ....
YESを放とう
だだっ広い肯定の中に否定は
美しく豊かな皇帝の中に すっぽり納まる
YESを放とう
瞳に映ってしまう 止むを得ない
瞳の縁を辿って刹那にこぼれてゆく涙も
....
ぼくはそう、凶悪犯にだってなれた。
無敵だってなれた。
ヒーローにだって、
そう、
なれるはずさ。
道路に落ちた雨粒たちが 車が走る度 ドレミだけしか必要ない
耳慣れした淡白な音色を走らせる
空中に住んでる雨粒たちが 着地する場所に迷わず ストレートに
本能に従い澄んで魅せる
....
少しずつ
剥がれてゆく日常
面の奥に隠した感情は
熟れきった果実
触れてしまえば朽ちる
それを知っていても
進む以外の選択肢は無く
今日も偽物の真っ赤な唇で笑う
....
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