人工的な白い光は
添加物に似て もやがかかる
間接照明にロウソクの火が
馴染み深き吐息に消えない 風に囲まれた
意場所
〒7桁で留まる この世のシブミ行動範囲
黒と黄色の 蜘蛛界の ....
暗い森の木の根元の茂みの中
闇に光る二つの目
光の反転した森の風景の中
鹿が逃げようとするが
矢庭に飛びかかる黒い大きな影
まず獲物の内蔵を喰らう
黄緑色の内蔵を喰らう
赤い筋肉を食 ....
おじいちゃんと森で薪を拾う
僕が手当たりしだいに
背負子に放りこんでいると
そいつはまだ早いと言う
幹を離れてまもない小枝は
水分を含んで
みずみずしい
生木の範疇を出ないものは
....
化粧をすると何だか息苦しくてすぐに落とした
(でもあの人と逢う時にはして行くんだ)
マニキュアを塗ると手の仕草が女らしくなる
(でも面倒だから塗らないんだ)
女子がもっともお洒落をする ....
ぼくは何処にいくにも
カメラは持っていかない
どうしても映しておきたいなら
眼をレンズにして心のシャッターを切る
もしそれがいつか忘れるものなら
撮る価値のなかったものだと云うこと
....
きっと僕は
強くなんてなれないよ
けど僕はきっと
弱くもいられないんだ
僕はきっと
泣いてばかりじゃいけない
だけど
泣いてばかりだから
君の前でだ ....
泣けない
女もそこそこいくと
かわいくないのもの
ずしずしっとくるのよ
責任みたいなもんが。
あ
思い出した
仕事失敗して上司にものすごくおこられた
年くってからの言葉が
ささる ....
連休なんかくれなくてよかったんだ
だって『家族や愛するひとの無いひとのための連休の過ごし方』という新書は
....
ねえ
僕の決意を聞いて?
僕らはこれから何度でも
悩んで
泣いて
それでも
生きるだろう
そのたびに
どんなに傷が増えていっても
傷だらけ ....
窓のカーテンを
開けるのが
遅すぎたので
空たちはすでに
色を失っていた
だけど彼等は
ただじっとしている
訳ではないようだ
動いている
動いている
じんわりと
じんわりと
そ ....
計算に満ちたつぶら
その狭間でエセ素知らぬ
大胆に満ちた豊潤
その狭間でエセ鈍感
受動態のまま
都合よき展開を待ちわびるシンデレラ
地底すれすれのあまた
可愛そうにと手を差し伸べた
....
カリフォルニアオレンジの
レースのカーテンが開く
朝靄がかった滑走路から
無人の戦闘機が機首をあげ
オレンジに光沢した
カーテンをふりはらい
飛びたっていく
....
世界は塵
・・・今日の雪のような
僕は傘を差す
君を待って
傘の上には雪
雪の上には雲
そして雲の上には空が
空の上には宇宙が・・・ある
君は僕に会いに
電車に乗ってやってくる
僕 ....
光が
空の壁を抜け
消えてゆく
遠い笑みの 細い柱
石の路の夕べの先
午後が雷を呑んだあと
あたりは暑く静かになり
失くしたものを数えだす
進む方へ 傾 ....
そして幕が閉じる
舞台化粧を落とすと誰が誰だか分からない
勇敢な騎士は土曜の朝に生ごみを出す係りらしい
美しいお姫様の鼻はとんがっていつも人を見下している
けれど一番分 ....
ぼくの時は老いてしまった
ぼくの時は錆ついてしまった
ぼくの時は過去になってしまった
ぼくの時は昔話になってしまった
ぼくの時はもうそれを知ってしまった
ぼくの時は近 ....
誰を怨んでも仕方がない
これが私の人生だから
何に当たっても仕方がない
これが私の人生だから
殺意さえ抱いたことがあったけど
見上げれば蒼い空
空はだまって大きな心で
私を見つめてい ....
希望も野望も鈴鳴らし 音を選ばせ囲み込み
込み入る感覚 反射から還り 選音された洗脳
溶け入る感情 時計回りの秒針のみに 瞬き疲労
HEY アルファベットのマットレスで鈴鳴らし 吸 ....
空におおきな黒い鴉
歌ってもたずねられることなく
招かれることもなく
いつしか
無表情になったまなざしで
人を視ている
飛翔しても舞っている
とは言われない
かなしい翼は
だけど知っ ....
水は流されることは許されるが流れることは許されない
水は留まることは許されるが止まることは許されない
いつだって受身
いつだって無心
自分の意思など持っていたら死んでしまう
....
人類が計量できない程の
夥しい血を流して
辿り着いた国家体制は
独裁主義・共産主義・社会主義・資本主義の
僅か四つしかない
しかし独裁主義はまず長続きはせず
共産主義が滅びる様を見 ....
そっと風が吹けば
散り散りにこころは飛翔し
うらおもて
うらおもて
ひるがえり
夕暮れ空の向こうで
群れをつくり
大きなさかなが一匹
空をゆっくり泳いで ....
文字を生むのがこわいから
ころころころがす
丸くなるよに
あなたが私を
斜めにみるから
ほんとうなんか
みせないって決めた
文字のつぶて投げて
怒ってみたら
悲しそうになった ....
{画像=120530012115.jpg}
この世の中には
幕間に控えて居る役者は
いっぱいいて
人が羨む役を貰えるかは
まことに運次第なのだと思う
人は与えられた役の ....
あの時から何も変わらない
こぼれる物は、いつも私のお気に入り
きっと報われると
きっと振り向いてくれると
大きな期待を胸に
つい 意地悪く
突き放したり、我が儘言ったり
....
{画像=120529154724.jpg}
気温が一度上がっただけで
庭は目覚め
今夜は舞踏会だと
シロテンハナムグリが伝言する
白薔薇が
今まさにデビュタントに
踊り出そうという心 ....
いつからだろう
嫌いって言えなくなった
いやだって言うことが
なにかを壊す気がした
すきって言うことがよくて
清浄機みたいに思われて
嫌いって言葉だけが嫌われて
私の心にたまって ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
偶然のすれちがい
微笑み挨拶するけれど
何かを伝えたくて
何も伝えられなくて
優しい風が吹くだけで
明日の気配に
ふわりと衣が
背筋を撫でる
遠くを見ると、果てしなく感じて目を閉じた
足元を見ると、崩れ落ちてゆきそうで怖くなった
さようなら
桜の枝が揺れて花弁が零れる時
そんな言葉を耳にする
さようなら ....
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