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哀しみあるいは悲しみを
膝の上に乗せて
よく眠ってくれるから
ひと時煙をくゆらせるように
ギザギザした鍵を
胸に刺したり抜いたりして
酒と音楽でにじんだ幻を孵したい
ああこの夕暮れが ....
猫はバンドネオン
彼女の腕に抱かれ
残像の融解と拮抗する
毛皮のレジスタンス
霧の池に耳を沈める
跳ねる魚
飛び立つ水鳥
昨夜の夢から浮かび上がる
白い死体
隠れた月が手 ....
罪人を眺めている
誰かの腹の中のように風のない夜
迎え火が目蓋の此方
灰に包まれた心臓のよう
ゆっくりと消えて往く
ただ罪人を眺めている
正義については微塵も語らない
なにかを殺し続ける ....
意識はふくらみ 肉体から浮き上る
こどもの手に握られた風船みたいに
実体のない 軽すぎるガスで ぱんぱんになった
自我――今にも破裂しそう(でなかなか破裂しない)
が 明後日の風に弄られる
....
水面から突き出し露わにされた
見えざる岩の 固く 鋭い突端
流れを切り裂いて
空間を満たしとどまることのない
行進を
ただ白く ....
フルート 高く舞い 歌う鳥
音を置き去りにひた走る稲光のよう
冷たい朝明けの空に溺れながら
命からがら 寄る辺もなくふるえ
ふるえながら鳴き叫ぶ――旋律
切れた指先で描いて見せる聾唖 ....
早朝の駐車場
誰かが捨てたごみ袋を丁寧に
カラスが広げている
コンビニ弁当の容器や紙クズを
ひび割れたコンクリートの上
器用に嘴を使って
秋晴れの清々しい空の下
目ぼしいものはな ....
{引用=ひび割れ}
雨音は止んだが
雨はいつまでも
乾くことのない冷たい頬
満ちることも乾くこともなく
ひび割れている
悲しみの器
{引用=天気雨}
泣きながら微笑むあ ....
煽り煽られ踊る火に
鳴りやまぬ枯木林の
奥の奥
紅蓮の幕は重なり揺れて
熾の{ルビ褥=しとね}はとろけてかたい
静かに 微かに
波打つ青い心臓のよう
円くなって まどろむ
火蜥蜴は涼 ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
雨に濡れたアスファルトに
並木のみどりが映っている
言葉に餓えた人たちが
傘に隠れて哭いている
雨は涙に良く似ている
昼は処刑台に良く似てい ....
無限上昇のカノンさんのただのみきやさんおすすめリスト
(11)
タイトル
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日付
この夕暮れが
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ただのみ ...
自由詩
5*
21-4-7
三面鏡に挟む春
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ただのみ ...
自由詩
4*
21-3-6
愛や情けを書けば良いそれは君らの仕事だから
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ただのみ ...
自由詩
13*
18-4-18
極めて人間的
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ただのみ ...
自由詩
15*
17-11-8
流時紋
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ただのみ ...
自由詩
18*
17-11-4
アンサンブル
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ただのみ ...
自由詩
4*
17-10-25
ルールとマナー
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ただのみ ...
自由詩
9*
17-10-21
秋の雨/感傷として_五編
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ただのみ ...
自由詩
17*
17-10-14
サラマンダー
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ただのみ ...
自由詩
15*
17-9-27
心の向こうで絵を描いているあなたへ
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ただのみ ...
自由詩
36*
12-5-28
映したものは
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ただのみ ...
自由詩
18*
12-5-17
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