すべてのおすすめ
死ぬ気でやっても
報われないことは数多くある
だからといって
死ぬ気でやるのを辞めたら
それは敗北を認めるばかりか
敵前逃亡との軽蔑すら受ける
だから自分が大事だと想ったことは ....
君を纏って眠る(君はいない)君の気配に包まれて
君は君の家に戻って、私も私の家に戻って
異なる日常で眠るのだから
身の回りにあるものの中で、今もまだ当たり前に存在し続けているもの
(と ....
あなたのかたい頬
思いのほかやわらかくて
その冷やかな瞳にも
熱い涙は宿るのだが
心の奥深くに一つの扉があって
それは故郷へと繋がっている
絶対零度の沈黙
この地上の何よりも冷たい場 ....
ほら
めかくしをすれば
大丈夫
この世の全てのかなしみを
わたしの手で
隠してあげる
あなたが
もういいよ、といったなら
指のすきまを開けましょう
朝
目覚めて
しずしず ....
強さとは野蛮とは何
研ぎ澄まされた刃で誰を斬るのか
姑息な闇はもういいとおもった
死がもたらすものの方が正直だと
首を刎ね八つ裂きにしても僕は生きるのだろうか
キンメリア ....
涙はあたたかいのに
人はそれにきづかない
自分の悲しみに夢中だから
人はそれにきづかない
犬も
猫もそれを知っていて
ないて涙をなめている
僕の家の水道水には
カルキとカルマが含まれている
カルキは浄水器で
取り除けるかもしれないけれど
カルマはおいそれと
消えて無くなってはくれない
僕は毎朝
カルマで顔を洗 ....
父が釣りをしている
何を釣っているのか聞くと
忘れたと言う
僕も隣に座って糸を垂れる
息子とよくいっしょに釣りに行ったもんだ
という話を皮切りに
父が息子の自慢を始める
小さいころ ....
おっちゃんは
耳の後ろから加齢臭
インド人はカレー臭
インド人のおっちゃんは
カレー臭の加齢臭
んなことあるかいっ
尻を拭くとき
トイレットペーパーが
ウンコ水に付いてしまうことが ....
家に帰って、腰を下ろし
一才の周をだっこすれば
小さいいのちの温もりが
このお腹にあったかい
この両手を
短い足の膝下に組んで
右に左に、ゆさり、ゆさり
パパは君の ....
大晦日 日系スーパーまで高速を飛ばして 注文していたお節を2組取りに行く
太巻きとシアトル巻き、上の娘の好物のイクラの瓶詰と、
私しか食べない刺身も一緒に買う
「Japanese noodles ....
大好きな人よりも本当は
お弁当の方が好き
はっきり言ってももちろん愛は消えないさ
僕の方のね
でもさ愛がはっきり確かめられるんだ
たとえ見栄え悪くてもね
おかずはいいさはっきり ....
あなたが何故肩も背中も震わせて
歯を食いしばって泣いていらっしゃるかは
ぼくには解りませんでした
しかし あなたの嗚咽を殺すかのように
スクリーンでは人々が歓喜の真只中で
“インターナシ ....
おとうさま
きんととはどうしてきれいなおべべをきているの?
とうちゃんはおもうんだ
とおく離れた御池に
きんととは居て
落ちてきたもみじをおべべにって思った
おとうさま
がてんが ....
おっ 雪
景気は どうだい
見りゃあ分かるだーん
どかーんと絶好調よ
そうだな
まだ まだ
いや今日は もういいと思う
まだ まだあー
....
戦中・戦後を生き抜いた
ある詩人が世を去った後
長い足跡のつらなりと
ひとすじの道の傍らに
彼が種を蒔いていった花々が開き始める
今迄の僕は
別の場所で夢を求めていたが
....
あみだで負けて お正月に当番の旦那さん
私は初日の出を夢の中で拝み 目を覚ます
御節のレシピを何度も見るが お付き合いで売買
田舎なのかテレビの特別番組が遠い
福袋買いに行こうか 透視 ....
年が明けて何かが変わるかもと
歳の数だけそう想って来たけれど
一度だってそうであったことなんてない
悲しみは悲しみのまま
しんどさはしんどさのまま
ずっと飲み込んできた酸っぱいものが
....
初々しいと言えば
きこえはよいが
あのころの私はとても無知だった
結婚して初めて過ごす夫の実家でのお正月
おせちに「くわい」を炊くという
新種の宝石のような
淡い水色でつやつやの丸い物 ....
季節の車輪を転がしながら
時代の坂道下って降りて
さあ年の終わりと始まりのテープが切られました
あなたの目にはどんな時代が見えますか
世界は灰色にもバラ色にも染まります
....
世界平和なんて願わなくていい
家内安全、商売繁盛、合格祈願、恋人ができますように、何だっていい
目を見開き、そして願え!
指先から立ち昇る
煙の先の
窓際はすでに冬だった
確かすぎるほどの白い気配を
膝をたたんで見ていた
痛みの季節
救いはあるのかと巡らせれば
換気扇はまわりつづける
....
ゆっくり湯を沸かし
大きな器に ひとかきの飯を入れ
わずかばかりの具を入れて 雑炊をすする
これで いい
大晦日の朝は これでいい
主婦が三日寝込んだだけで
高く高く それは高く
見事に築き上げられた
お皿の山
洗濯物の山
子供が引っ張り出したガラクタの山
塵・埃・ゴミの山…
実家を離れて初めて知った
美味しい ....
六月の朝に好きな人に会う。
新しいときの創造は過去を手放すことなのに、音をたてて崩れる国のまえで、いまは少しも淋しくなれない。
ほんの小さな単語たちにも特権は与えられる。神は完全な意味で公 ....
クリスマス以降
全くやる気が起きなかった
どうにか今日で仕事納め
やっと時間が心に追いついたのだ
裸婦像みたいな街路樹の肩にカラス
除雪車に削られた白い壁に車を着けて
ふ ....
まほろばが うたいはじめるのです
フライパンの中は カタクチイワシの まほろばなのです
心が自然と フライパンに降りてゆき
放物線をえがいて 炒られて対流する香ばしい香りに
うたいはじ ....
水色の瞳に黒が大きい
いつも獲物を狙う 鼻くそ模様をつけた うちの次男
血の繋がりのない拾った子供
アパートの下で必死でアピールしていた 健気な子
頭にコーヒーの染みつけた けれど匂いは獣 ....
夕焼けに向ける背中にいつも話しかける
あなたの白く暗い眼のなかに
今は何が映っているのか
細く響くラジオと
揺らすグラスの氷の音に
あなたはいつも
何を思うのか
わ ....
ひし形の歪んだ街に産まれて
時々、綿菓子の匂いを嗅いで育った
弱視だった母は
右手の生命線をなぞっている間に
左耳から発車する列車に
乗り遅れてしまった
毎日、どこかで ....
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