球体ジガゾー
ただのみきや

わたくしは鋭利な球体
鬱血した魂のむらさき
情熱と酷似した粗暴に焼かれ 
焼失した楽園の輪郭をなぞる
背骨を抜かれて自慰に耽り
名札のない隠喩の銛が刺さったままの
つめたい消し炭の太陽

平和主義者の面持ちで
すべてのものと敵対する
鼓動が止まる直前の修道女のよう
白目になるほど天を眼差し
黄ばんだ朝を紙屑にして
沈黙の銅鑼を力の限り
蒼白い拳で打ち続けた

垂れさがる宇宙の白
条理の壁を転がり上る
わたくしは不条理な球形
待針で止められた幼心の
しどろもどろの舌の裏
隠し続けた虹色の毒
熟しすぎた魂の展開図


   《球体ジガゾー:2013年12月4日》




自由詩 球体ジガゾー Copyright ただのみきや 2013-12-04 22:00:01
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