倒れた自転車から音は聞こえない。
コインロッカーに花束を忘れてきた。
クレーン車の輪郭が闇に消える。
花壇の整列した花々で指先を切った。
低気圧、靴紐を揺らす。
埋められ ....
夏は ただあつくあつくなって
空は ただあおくあおくなって
なんだか どこかへ行けそうな
あこがれだけが 駆り立てられて
体の どこか奥から
あおい水が 湧き出すようで
水面の ....
シベ超でググッたら
とても素敵なサイトを発見しました
詩を書くセンスを磨くにゃお笑いが一番。(大村浩一氏)
けっこうメジャなサイトだとは思いますが
最近笑っていないあなたに
http ....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
けらけらと笑いあい
手をつないで
かけぬけた
日々
わたしはいつでも
ひとりでした
ほろほろと溶けて
くずれてゆく
角砂糖はキライ
シャカシャカと音のもれ ....
わたしはかつて
とてもあまくて湿った土から生えて
花を咲かせることをゆめみた
猫が足元におしっこして
とてもあたたかくてしあわせだった
ちがう土から生えてそだつわたしたちは
た ....
この手誰の手?
ふわふわ手。
居眠りしている
子猫の手
ちがうよ
ちがう
それは前足
薄目をあけて
子猫が抗議
ニャーン
頭が回らないほどの陽気の中で
なつかしい感情だけは僕に触れることができるみたい
どうしてか分から無いけれど
ひまわりと太陽は 絵にするとよく似ているなぁと思った
思考が停止すると感情はここぞと ....
あの空の話
もう遠くなった映像の中では
坂道の向こうの太陽と
薄くなるグレーの空とが
混在していて
蝉時雨
引いては寄せて
寂しさを反芻している
知らない知らな ....
やがて来る、あたらしい雨
プラットフォーム
この手で焼いた
たこやきのまるいかたち
そしてあの子のえがお
満ち足りた身体に
デザートがはいるだけの
ちょっとした空隙ができる
まだ走 ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
鉱 山 や 氷 河 期 抱 き 耐 え る 夏
網 戸 ご し 細 か い 夜 が 並 ん で る
盆 支 度 墓 の 間 に 間 に 少 女 た ち
盲 目 の 父 と ....
夕刻
おとこまさりの包丁裁きで
頭を落として
からだを開いた
中骨を
刃先でなぞる
膜を破る
洗い 流す
ぴりぴりとあかい
赤は
どこまでも
泣き止まない
鍋の底で ....
苫小牧の少女が一篇の詩を書き上げる頃
渋谷の未成年たちは今日の居場所を探す
小さなハコで鮨詰めになって揺れながら
沖縄の夜の珊瑚礁を思う
糸井川の漁村の少年は
明日の朝の漁を邪魔 ....
「見くびらないで」
僕は一時
そう言う君に見とれてみた
だって強がりにしか見えなくて
そんなの可愛い過ぎだったから
湧き上がる感情を否定なんて出来ないっていう口癖
....
七日目を待たずに
未完成の球体をもてあそぶ少女が
白の断片を拾い
主体を隠す
まもなく
発火するだろうパンドラの箱
遂に
僕らの目醒めを待たぬまま
うそよりもほんとの方が痛かった 居たかったのはあなたの隣
「君いつもひとりでいるよね」「違います隣に居るの透明人間」
透明になればこのまま居られるの? 問うてはみても応え返らず
返す ....
カッターや
ハサミや
カミソリなんかより
もっと鋭く尖ったモノを
あたしはちゃんと知っている
てのひらに真珠ころがす幼子の瞳に宿る夏の新月
君の居場所になりたいと思った
君のそばにいたいと思った
だけど
それを願うほど
願うほど
君を想うほど
想うほど
あぁ 崩れて ....
困ったことが起きていました それを急いで箱に入れてしまいました
そうするより他なかったのかな、知恵もなかったし、
ふむ、、
で困ったら、むしょうになんかこうねじってみたくなり
ねじりま ....
最終電車の中、
大学生が7人がかりで女の子一人に話しかけてる。
あいつらきっと、ものすごい悪いこと企んでるんやで。
よれよれのサラリーマンや、悪臭放つ浮浪者よりもっと悪いこと。
1、2、3 ....
夏の日が
この白いカーテンを掴み引くことを正しいと言い切り
この白いカーテンを掴み引く私の手の甲を
えぐる、痛い、傷口は
眩しい
白
下垂した詐術を失った途端
険しく ....
昨晩 幽霊の子が部屋に来て
コンピュータの前に座り
しばらく居座っているウイルスと
何やら会話をしていた
書きとめようとしたが
いつのまにか眠ってしまった
目が覚めると
....
逃げ水に憩う少年の亡霊
殺された理由を知っている
水中花に己をなぞらえるが
枯れた薔薇の木である自分の骨を知っている
折れた枝 千切れた花冠 あるがままに
磨れた肌 紛れた破 ....
六月工場は
けだるい傾斜の
丘の上
機械は今日も
フル回転
ゴットン ゴットン
パッサン シャーシャー
ちょっとスローな
六月工場
これでも全てが
パワ ....
空にはたくさんの色があった
傾いたその縁に支えられたのはいつだっけ
鉄塔が突き刺さった夕日
思い出せないほど前から続く
そんな夕暮れ
帰ろう
が口癖だった頃
いつも隣のあの人が
....
ベッドの中にビバークする
寒さに震え縮こまりながら
一点だけを見つめ泣く
寒いと
痛いんだね
どれだけ泣いても枯れない涙
いったん収まりはするものの
すぐにあふれてくる
泣きす ....
角膜の表面にて
夏の日は湿った瞬きだらけになり
結局はわたし目蓋でその色彩を瞑り流します
そう、悲しい映写幕として
角膜は常時日陰です
鼓膜の表面にて
夏の波動は痒みに酷似 ....
僕は
アパートメントの窓から
君の住んでいた方に
見惚れている
君が
虹をつむぐ
優しい指の
君が
終わりを告げる
優しい眼の ....
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