祈りは貴方の血の流れを感じること
希いは死の安寧に勝る愛を得ること
貴方 腕輪をください 首飾りをください アンクレットをください
それらはわたしの枷となり わたしは生存を許可される
....
声色を変えてもわかるきみのこと遺伝子レベルで記憶してるから
色々と迷いましたよだけどこれこれにしますよこれはシャケ弁
開花してしまった空をもう一度つぼみに戻す さらば空想
....
春分の朝のひかりが桃色に染め上げてゆく雲を見ている
結んだ髪に椿を挿して出掛けましょじんこうてきなダムを見ましょう
最短で森の迷路を抜ける道あなたが選ぶ毒の木いちご
ばた ....
青ざめた喜劇役者が
陽気に痙攣している
何を間違えたのか
この照明はやけに明るすぎる
恐ろしい青空に
巨大な広告塔たちがそそり立ち
だだっ広い国道を車たちが
獣のように流れてゆく
....
どろがはねて、さ
わらってるけど、さ
おちてくでしょ、ぜんぶ
だけど、ときどきないたり
でもやっぱりわったり
するのはなんでかな。
あした、ここに
そらいろのバスがくる、よ。
....
断崖のふちに
ぽつんと一つ置かれた白いベッドで
僕は目ざめた
僕の上には
途轍もなく青く明るい空だけが
広がっていた
僕はベッドの上に坐ったまま
何も考えられずにいた
すると
空 ....
形状を記憶しているつもりなら今すぐ夢の断片ひろえ
轟音の低音ベースが鳴る部屋で無音のきみがほほえんでいる
失った真夜中ひとり花園で紋白蝶を両手で潰す
密葬す巨大な木々に囲 ....
桃いろをうつす銀 青をうつす銀
たちどころにいりまじり 夢心地
息づく闇の何処かで
黒髪の 解かれる気配
ほのかに 立ちまようのは
知らない花の香と
やわらかな水の ....
眠たくて思考回路がぐにゃぐにゃとマーヴル模様に溶けてゆく午後
コウモリが戯れている春の宵ゴーストたちと花見してます
黒い文字無数に踊るタンバリン片手に踊れ闇の俳人
携帯の ....
塔というひとつの崩れるあこがれや空へと伸ばした腕の傷痕
傷つけて傷つけられて庭先で裸足のままで梅の香を嗅ぐ
濁流に映りしきみの微笑みか重たき日々の波のきらめき
階段の日陰 ....
静寂が満ちるのを待つ
あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている
手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
冷気のようで
霊気のようで
炎のようで
誰かに似てる
どこかでお会いしましたでしょうか
そのとき私はどんな歌を口ずさんでいた?
引き出せない記憶の方が多いんだ
病院の長い待合い廊下に坐って
考えている
私の気はたしかなのかと
時々 呼び出しに応じて
いくつかの個室のどれかへと
人が 入ってゆく
そしてやがてまた出てくる
入ったまま
出てこない ....
暁 朝の月
陽に向かう月の弦 黄楊櫛を思う
天の櫛でこの黒髪くしけずり
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥されば、
煌の耀き わたしも得られるでしょうか
秘めようか告げようか惑い惑うわたしの想い
煌 ....
人を殺すのは
言葉と沈黙と
ナタと細い針と
1パックのインシュリンや
わずかな水や
砂漠
山
何でもどこでも凶器
笑われていろ
泣いてやる
勘弁してやる
許されない
開き直 ....
a.
睨み合う矮小
憎しみと欲望は
隔てられた割れ目の
隙間で歪曲された
輪ゴムの一面の憐憫を
その他の面の不実を
伸ばし
引き裂き
廃棄され
虚しさの
秩 ....
いくつかの塔が
もの問いたげに立ちならぶ地平を見つめて
僕らは歩いた
いつからどこからこの旅がはじまったのか
その記憶さえ置いて
陽射しは遠く霞み
ピンクグレーの雲がたゆたっている ....
このまま永遠にまっすぐ走り続けられたら
どれだけの人を幸せにできるのかな?
何がしたいんだ?
どうしてほしいんだ?
何が違うってんだ?
僕はしているんだ
僕は一生懸命だ
僕は必死だ
ただ
君の為ではないけれど
竹の子は
まだとてもやわらか
おはよう
小さな眼が見上げる
小さな空
{引用=今も変わらずに花の名である人へ}
きっと気紛れに入れたのでしょう
桜の花びらが
はらりと、
不意に零れ落ちたので
もうどうしようもなく立ち尽くしてしま ....
それは 破綻だった 小さな部屋で
はじまっていた 壁が不必要に白すぎて
かといって 何を置けば あるいは ただひとつの
窓に 何色のカーテンをかければ その白が
中和されるのか わからなかった ....
俺が今からこの弦をならす時
すべての静けさは解き放たれ
稲妻がすべての者に至福の音を響かせる
許したと思っていたことを
許せてなかった
忘れてしまったと思っていたのに
忘れられなかった
台所で
風呂で
ふっとひとりになる
重ねてゆく日々の小さな落とし穴のような ....
望遠鏡さかさに覗くぼくたちは遠距離過ぎたりぶつかりあったり
プラスとかマイナスだとかカタカナで考えているきみはプラスだ
携帯を携帯せずに携帯すなぞなぞみたいな恋の答えは?
....
忘れてる憶えていない僕たちはいつからここにひとりでいるの
真っ二つに裂ける桃です落下して蟻がたかって朽ちてさよなら
この場所からもっとも遠いところとはたとえばあなたの微笑むところ
....
朝の光で窓を見つけました
冬の白に続く窓
夜にこっそり開きます
もう一度白い世界さ何もない何もないのさすべて以外に
聴こえるかい草原をゆくぼくたちの忘れたすべての木々のざわめき
もぎ取った翼を売ってぼくたちは生まれたのだときみに言われた
....
君の爪に描かれた天使 ゆらゆらと微笑をふるわせる
祝福された十本の指が リコーダーの表で躍る
神の舟に選ばれた音叉 りらりらとルソーをくるわせる
縮尺された出奔の姫が シャルトルーズの小 ....
君にプリズムをかざして
分光する
白い壁に映るスペクトラムは
すべての色がほのかになやましく青らんで
僕をいつまでも
見つめさせている
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