すべてのおすすめ
誰も
さよならを言わない
誰も、何も、言わない





ジ、


ただ
重々しい青へ、空の、青へ
弾け散るように飛び立った蝉の
既にこげ ....
夜の雨の
斜線、斜線、斜線、





秋の真昼の真下
やわらかい一続きのわたしの輪郭は
ある一続きの輪郭の生きていることを
やわらかく深く知ってしまった、そして ....
未だ硬い、既に確かな
夏でもない、秋でもない、果実で
深緑は
瀕死であることを理解している


見上げれば、ひとつの一秒が
高速で遠のいてゆく
わたしは、何に対しても連 ....
わけもなく
海に行かない


青ざめた
この肌の下の水脈に海の素質があるとしても


夏において
情熱的な、情熱的な
世界中の観察眼と観察眼が合い続けているとし ....
夏の日が
この白いカーテンを掴み引くことを正しいと言い切り
この白いカーテンを掴み引く私の手の甲を
えぐる、痛い、傷口は
眩しい



下垂した詐術を失った途端
険しく ....
角膜の表面にて
夏の日は湿った瞬きだらけになり
結局はわたし目蓋でその色彩を瞑り流します
そう、悲しい映写幕として
角膜は常時日陰です


鼓膜の表面にて
夏の波動は痒みに酷似 ....
泡立たず
飛散した
夏の光の下
沸騰前のアスファルト
その沈黙、の蒸れ上がり
その、陽炎


提げた虫籠の中
音から立つ
蝉の
匂い
それを
汗を分泌して拒み ....
濃度を増した緑 の根元
アスファルトには 日陰がある
かつて人だった空間には
かつて花束だったものが 積もっている


湿度に黒ずんだ日陰 の隣
アスファルトには 日向がある ....
底面の アスファルトまでも
濡らす五月の緑を
どれほど丁寧に踏みしめても
足音は奇妙に乾くのでした


その足音に含まれた 一連の私は
ぱらぱら 小さくほどけ散るところで ....
有邑空玖さんのA道化さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
滴る耳- A道化自由詩2507-8-22
斜線時間- A道化自由詩1206-11-18
愛おしい密葬- A道化自由詩1405-8-29
海に、行かない- A道化自由詩1705-8-9
白骨- A道化自由詩404-6-15
逆流癖- A道化自由詩504-6-13
夏災報知器- A道化自由詩504-6-8
容器の中の夏- A道化自由詩1104-5-18
五月の枯渇音- A道化自由詩1004-5-3

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する