窓をつくった
何に向かって開かれればいいのかわからないまま
そしてオブジェのように空間に散らばる
さまざまなかたちや色のCHAIRS
ふと気づくと別なのに腰かけてたりする
時計はもう ....
振り向けば見慣れぬ田園地帯からぼくに似たきみ空を呼んでる
青空を描き続ける画家としていつでも眠るときも仰向け
ゆびさきに雪のひとひら落ちてきて京都は違う明日を生みます
落 ....
といかけのない
こたえをさがして
きょうも
なみうちぎわを
あるいています
あしもとを
ころがってゆく
ことばたちが
ちいさなきずを
つけてゆくのです
ちょっとした
じこ ....
笑う
もう逢えないから
上昇気流に乗って、すばらしいオオカミの毛皮が舞う
運河と気体は太陽がオレンジ色に染めた
黒髪を揺らした君の太ももは堤防の上に座り
回転する渦からは10 ....
そうしないとなにも始まらないし なにも終わらない気がするから
ただ昨日のあの人について なにも言うことがないけど なにも言えないけど
たとえばしまりかかった踏切に間違ってはいりこんでしまっ ....
ターバンを卷いた「ミスター念力」の原作での名は「GURU」でしたとさ (念力)
數々の呪文を覺えるそのための呪文を忘れた赤毛の少年 (呪文)
谷君の「謎の圓盤UFO]のプラモを壞して逃げ ....
かつて死んだ人のことをうたった人が死にました
そうやってみんな
小指一本で繋がってゆきます
いつか自分があの繋ぎ目を切ってやるのだと意気込んでいた人たちは
例外なく、自分は生きているのだと主張 ....
もう覚えていないのかもしれないけど
いつか僕らは勇気を振り絞って
透明なオレンジを踏んだのさ
たぶん僕たちだけは幸せになれるし
それでいて限りなく近づいていた夜空に
顔向けできないことをした ....
風が吹いて、あたし
かんたんに飛ばされてしまう
未完成な結晶のすがた、まだ
花にはなれない
舞い上がって、遠いところへ
行ってしまうなら、
今がいいと、思ったの ....
空を
どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている
今、この辺りで
いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
僕は走っていた
景色のない闇は
音も無く 後ろ
から
転んだと思ったら
既に
転び
過ぎた跡は
降り注ぐ刃よりも恐ろしい
風と
僕を微笑う
狂い咲いた花びらは散る
....
あなたを想って
一つ一つ記憶を浮かべていたら
どこからか笑い声が
鎖骨のくぼみに頬を近づけて
澄んだ胸を押さえると
その声が
自分の中の空洞で響いていることに
気づきました
そ ....
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人
遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤
水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい
丸ボタンひきちぎっても ....
どこにでも
約束は無いとして
真夜中で
月の沈む場所
緩やかな寝息で
どこへ落ちていく私にも
約束できる
ものは無いとして
少し
はぐれる
月の端を狙撃して
落ち ....
空中に放り投げたる自転車の車輪の下の花びらが好き
背景として描かれる枯野にてかんざし拾うそれはゆうやけ
水没す古代遺跡の燭台にふたたび炎が灯る邂逅
風邪薬ばらまく園児裏山 ....
現実はタイミングを逃した
理想はコーヒーの結晶になった
埋め尽くされる昨日の海を
僕はただ静観するだけの人
固まった塗料で
明日の絵
を描いた
見映えもしない
標本だったって事はい ....
インチキの荊の冠
おまえのための
首飾りにしてやろう
首筋に感じる
絶対的な速度
音速
光速
まばゆい風
頬を切る光
振り向きざまのビルボード
溶けて
見たこともない
色で
....
神社の境内の中心に
夕闇の光が満ちて来る
日暮の鳴き声を子守唄に
私は貴女の膝の上で眠っていた
薫る貴女の全て
額に浮かぶ汗でさえ気にならず
ずっと私は眠っていたのです
見えはしない ....
青い森の中の小さなベンチ
腰掛けたままの少年は
もうずっと切りとられた空を眺めています
かつて街角の公園だったその場所は
今では小さな青い森
時折少年の握り締めた手紙 ....
ラインストーンふた粒はがれた日のようにさよならって言ったほうが勝ちなの
彼氏くらいいるんでしょってモノグラムの財布撫ぜてるひとに問われる
ゆめのなかほんとうの家族に愛される ....
そうして
僕らのこれまでの順路を
紙の上に書き出してみる
その上に雲なんか浮かべたりして
無駄に力を入れて笑ってみたり
過ぎ去ったあとで
自然に昔話ができれば
それはそれ ....
眠ってるそうではなくて沈黙よあなたを葬るながいまばたき
肉食の僕を嫌いと言うきみもすでに世界に捕食されてる
夜遅く広い畑に穴を掘り埋めるという名の行為を見てた
寄り添って ....
さむいふゆの日
ちいさな水たまりにはった氷の
スケートリンク
滑りながら待っていた
幼稚園の教会オルガン教室
それは楽しそう
だって幼なじみさんにんで
オルガ ....
けれども
身じろぎもせず息をひそめて
眠ったふりをとおす
それがきみのためになればいいのだけど
夜が終わるのを待つあいだ
カーテンの裾からもれる淡いひかりに
痙攣するまぶたでこたえなが ....
はあかるいやわらかさをもっていて
とき につめたい
さようならのあたたかさを
わたしはしらない
東京の月はたんさんのあじがするの
つめをみがいて。
もうすぐくるちいさなわかれを
のみこむ ....
ぱすてるからーで ぬりつぶした
あの かなしいひびは
ぼくのてのひらから とびだしてしまった
ぼくが ぱすてるからーで ぬりつぶしたのは
きれいになったら わらえるのだと おもったから ....
さしこむ月明かりに
浮かび上がる
窓枠におかれた青白い手
古びたホログラムのような
その手の
輪郭が、ぶれ
はしる、ノイズ
握られたナイフの
かるい重み
ナイフは澄んだ鏡
凪い ....
なんで千切れてるのかな
バス停に蝉のからだがおちてる。
きっと、
もう何回も死んだのだとおもう
リーディングしているときは、
「どうかあなたに触れさせて」と手を伸ばしてる気持ちになる。
....
転ぶ
そして
また転ぶだろう
僕は
望みどおりに
爆発的転倒哲学を打つ
言葉は生き埋めた
いちいち
いちたすいちの答えを反芻して
ぎゅっと
唾を飲みこむ
どうしても生きる意味が
....
寒 椿 迷 路 の ご と き 義 母 の 髪
約 束 を 破 り し 枯 れ 野 後 悔 や
梟 や お ま え の 瞳 に 映 る 森
み ぞ れ 降 ....
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