舌の味がしました
血が発する鉄の匂いを感じながら
けれどまたその味を嗜みたいと思いました
何度もしたいと思いました
その夜は眠れませんでした
胸の高鳴りがいつまでも止まず
....
春の気配に恋、を思えば
こころが羽根を持って
菜の花畑の上を旋回する
拙い愛情が
地球上のすべてだったあの頃に思いを馳せると
おぼろに陽炎は立って
咲き競う花の匂いが
わたしを空 ....
あなたが幸せで居ること
それはみんながのぞむこと
私がいつでも願うこと
あなたが私のそばにいれば
あなたの笑顔が見れるのに
あなたと私は向 ....
僕もポイと 捨てられるのかな
君が次々と 失くしてゆく手袋や
指輪みたいに
捨てるんじゃないよ
逃げてゆくの
大切にしていた 手袋も 指輪も
男達も
にらむように前を見つめて
....
夢かうつつかって言うが
俺にとってはどっちでもいい
夢の中はまるで現実みたいだからな
たまに
変態に追いかけられて必死で逃げたり
タコ星人と友達になったり
子どもを見失ってオロオロ ....
僕の大好きな貴女は
「もう泣くのは嫌なの金輪際」
という気の強そうな発言を
電話の向こうで言う
でも
目にごみが入ったら涙が出るだろうよ
悲しい映画を見ると泣き出すのはいつものことだし
....
こんな生活、
いつまで続くんだろう。
と あなたは言うが、
続けているのも、
こんな生活を作ってきたのも、
あなたなんだから、
あなたがなんとかしなさい。
そして、
また、あなたは、
....
もしも明日
世界が終わるなら
全く別の生き方ができるのに
もしも明日
君が死ぬなら
全く別の愛し方ができるのに
悲劇をくれよ
この胸いっぱいの悲劇を
それだけが救いなん ....
詩を書こうと思って
パソコンに向かってみたものの
書けない夜は
やっぱり書けないのだ
よく考えたら
夕食を食べていなかったことに気づき
そしたら
おなかが減っていることに気づいてしま ....
雲が一つもないから。
青と白の境界線を探してみた。
あそこから、
あそこまで。
だよね?
解んないから、
そんな感じで。
あおかった。
彼氏ができました
毎日がドーパミン全開の日々
ウキウキハイテンション
さて
わたしはふと考えた
今はこんなに彼のこと大好きだけど
よくよく思い出してみれば
前の彼氏のことも本当に好きだっ ....
ジビエが有名な神楽坂のレストラン
今日のオススメはヘラジカのムース
当店では
恋をしているヘラジカ
とりわけ、ちぎれるような
恋をしているヘラジカしか
使わないんですよ
シェフの強い ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月
雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
洗濯機に自分でパンツ入れないでそのあったかさ確かめてから
蜂蜜の垂れるすがたはエロチックなんてくびれの辺りで思う
靴べらからドアが閉まってしまうまで何度私を見るか数えてる
....
寂しすぎて、まぼろしが見える
愛してる
それは滅びの呪文か
この想いは口に出したくない
言葉の重みで落ちてしまう。
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった
左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う
だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
{ルビ私=わたくし}は一日の終わりに
あるいは毎食後に
または休日の安らぎに、人待ち時に
いつかどこかで、あなたに出会うだろう
砂糖も入れていいよ
ミルクだってお手の物さ
閉じ込められ ....
あなたは計量スプーンの使い方は知っている?
ただ ただ これですくえばいいだけではないのよ
液体と固体とでは 使い方が違ってくるのよ
たとえば{ルビ味醂=みりん}のような液体のときは
....
ペーパー
{引用=
深い紙の淵におちて
死ぬのは こわい
あんまり、静かだから。}
指
{引用=
白い紙面に落ちた
指は何を思うのだろう
静かに目をつぶって
目をつぶって} ....
J
なんで苛めるんだ、なんで、俺はくずなんかじゃないのにと、こんな目にあわせるんだと、拳で鼻を叩き潰して泣いていたジェイに、皆はジェイが彼らを苦しめたからだよとは誰もいわなかった。僕はジェイとは話し ....
「逢」 「別」
空から降ってきた 空から降ってきた
雨と言わず 雨と言わず
雪と言わず ....
そのころ、と言っても今でもそうなんだけど
僕の遊ぶベースは六本木で
ヒマがあるといつも
終電でやってきて始発で帰る日々を送っていて
仕事の知り合いよりもこの街の知り合いのほうが多いとい ....
本当の暗闇と出会う
それって
なかなか難しい
ひとつひとつの灯火を消しても
寝付けぬ夜に何処より話し声が漏れて
この街の闇は仄かに明るい
本当の暗闇
それは遠い日の感触
胎内にいたとき ....
詩を書くあなたは
言葉に恋をすることは
自由ですが
言葉と交際することは
禁止です
愛していることを
愛していると書いては
いけません
愛している以上に
愛を言葉で綴らなけれ ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに
たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする
弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
ある日いきなりあらわれた
「さぁわたしの手を取りなさい」
それは白く細い手で
燃えるようにあかい頬
その手はとても ....
愛されたいなら
愛して欲しいと言う前に
愛されるに値する人になりなさい
孤独が嫌なら
寂しいと言う前に
手をつなぐ方法を考えなさい
認められたいなら
愚痴をこぼす前に
きちんと ....
......o………o……o………….o………..o…….o….
羽織る、シフォン色のカーディガンに雨
......o………o……o………….o………..o…….o….
岸壁に繋ぐロープの金具が ....
母さん、どうして僕を生んだの
あなたが僕を見るときの
怯えたような引きつった笑顔が嫌だった
だから家を出たんだ
十六歳のあの月の綺麗だった夜に
母さんはピンク色の花が好きだったね ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14