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母さん、どうして僕を生んだの
あなたが僕を見るときの
怯えたような引きつった笑顔が嫌だった
だから家を出たんだ
十六歳のあの月の綺麗だった夜に
母さんはピンク色の花が好きだったね ....
ていとんとん
ていとんとん
イヤホンから漏れる音
気になる存在
私の記憶という記憶
海馬という海馬を辿ってみたけれど
知っている音は見つからなかった
きっとそれはあなただ ....
いつも疲れて帰ってくるあなた
ご飯を食べて
お風呂に入って
ベッドに休まる頃には
ぐったりと死んだように眠るあなた
家に一日中居た私には
まだ眠りにつくのは早い
でもあなたを起こさぬよう ....