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弔いをする
既に葬られた、
いのちたちに
もう一度生きる宿命を
与えるために
弔いをする
息をすることで
それを糧として
存在していた
瞬間に嫌悪を
与えるために
弔いを ....
今日も月が出ていない
夢の中で迷わないように
照らしてくれる
君がいない
ぼくの願いをいつも黙って聞いてくれる
無口な君だけど
そっとあの子に伝えてくれる
ほんとは気のいいやつな ....
曖昧な
水平線を見つめてる
曖昧なわたしは
空の青と
海の青の
見分けがつかない
ひとすじの
線となり
その向こうに
糸で縫い閉じられていく
待ち針を抜きながら
今日 ....
甘ったるい猫の声が
夜中の頭脳に響き渡る
肩を抱く君の
冷たい視線に畏縮した
柔らかな雨の午後
本当は何にも
解ってなんていなかったくせに
まるで味方のような振りをして
押 ....
幸せの一時が
紫煙の曲線の様に流れて消えて
部屋を出て行った
追いかける左手を右手で制して
時間を止めてみた置時計
シャワーの放物線をローアングルで眺める
ゆっくり
ゆっくり ....
跡や全てが醜い。
消えてしまえ何もかも。
外に出て熱いフェンスの上を裸足で歩いたら髪の温度で温度計が割れる。
確認するまでもない暗闇。
空に語り掛けるや崩れる。
「お花畑が見たいの」
と彼女がいったので
ぼくは一生懸命にお花畑を探した
やっと見つけたお花畑に
彼女を連れていくと
「こんなのはお花畑じゃない」
と彼女はいった
前にもこんなこ ....
書き割りの高層ビルに
もたれかかる十六夜月
積木の高速道路には
飲み下せなかった
錠剤のような車の列
韻律の坂を駆け下りて
暗喩の橋を渡れば
目の前に広がるのは
上目づかいで吐 ....
{引用=幼稚園に通っていた頃
いつもポケットに手を入れている女の子がいた
僕はそれがどうにも気になって
幼い知恵を引き出して思いついたのが
ジャンケンだった
「ジャンケンしようよ」っ ....
夏の陽射しの眩しさの中から
隔離されたような
ひんやりとした影を落とす
白さに飲まれた暗い部屋
鼻孔を抜けていく他人の匂いが
なんだか心地良くて
初めての記憶が懐かしい過去を
呼び起 ....
青すぎる空が 濃淡もなく
(雲切れひとつあるでもなく)
ただのっぺりと広がっている夏の朝
プラタナスの巨大な葉が繁る
街路樹の陰はしかし小さく(陽が高い)
今はもう打ち水のない広い舗道を ....
みんな頭の上に
金魚鉢を持っていて
歩けば中の水が
ちゃぷんちゃぷん
揺れている
ときどき
金魚が入っている人がいると
みんなが振り返る
水が濁って
少ない人がいた時は
....
もしも
僕の声を宝箱の中にしまって置いたなら
時々は空気に触れさせてあげて欲しいんだよ
多分聞くのも嫌になるような
そんな時もきっとあるのだと思うけれど
もしも
僕の指先の温度をカ ....
透けたそこから見える
青い光が好きだ
くじ引きみたいな駆け引きよりも
青い光が好きだ
夕暮れとカレーのにおいよりも
青い光のが好きだ
キミはいつも青く光っている
だからボ ....
愛ってなんだろ
ぽつりと吐かれた言葉がフローリングの床に落ちて
それは真っ黒な染みになった
白いワンピース
春色の爪
茶色のフローリング
漆黒の染み
ピエ ....
あなたの叫びが また心をえぐってくのよ
聞こえない叫びが ずっと耳の奥でこだまして
ごめんねって 届かない声で 泣くの
贖罪に人を愛して
自分が愛されることを 恐れる人よ
もう 赦さ ....
ファミレスの床に
男の人が倒れていた
可愛そうだったので
メニューを見せてあげた
チキンドリア、とだけ言って
男の人は息絶えてしまった
警察やお店の人が忙しくしている間
僕はハンバ ....
探す 私 居場所 時間
溶ける 誰か 消えた
私であったはずの私
もう私でない私
未来 明日 昨日 今日
時計 廻る 巡る 十三
不変 願う 偽り 真実
海 空 割れたら ....
シトシトとまとわりつく様な雨の中を歩いていました。
ボンヤリと考え事をしてドンヨリとしちゃったりしながら。
不意に後ろから、アンタ何なのよ!と女性の声が聞こえて振り向くと、
カッ ....
世界はきっと一つじゃなくて
百億を優に超える数ほどあって
生まれては消え
生まれては消えを繰り返し
今、この瞬間にも
新たな世界が現れる
それは君だけの世界であり
これは僕だけの世界であり
そん ....
わたしはちっとも朽ちない
咲いているあの赤い花のように
なぜわたしはいつまでたっても
朽ちていかないのだろう
食パンに生えたカビをまとっても
古くなるだけ
わたしは朽ちない ....
日常の底辺を二つに割って
その間を流れる河で泳ぐこと
海に出ること 叫ぶこと
朝も夜もない北へ向かって傷む
幾つもの舟は
弾性限界を突破して
大破した
塵となり
風に巻かれた星屑
....
北極星が動かないのは
何故だろうかと考えている頃
地球は静かに回転している
北極星が動かないのは
地軸の延長上にあるからだと気づいた頃
地球はやはり静かに回転している
動いて見える ....
とけた飴の中に
蟻が一匹閉じ込められていた
綺麗にそろった六本の脚は
もう動くことはない
蟻は甘い甘い飴の中
最後を迎えるにはこれ以上ない場所で
きっと苦しみ抜いたに違 ....
くるぶしを浸した
海の底の
遠ざかる砂に
裏返る
また少し君のこと
舞いあがる
風のゆくえに
どんな不自由をみたの
何もない空に
探してる
君の糸口
いくつかの土くれは
....
流星に穿たれて
君は人魚になった
まだ名前を持たない朝に
瑠璃色の鱗を散乱させながら
尖ったガラスの破片で
静脈をなぞると
霧に包まれていた避暑地の白樺の
腕から熱い血が流れ出した
....
ハローハロー聞こえますか?
殺伐とした絵画の中で
その少女の顔だけが
まだ手をつけられていなかった
ふるびた懐中時計は
なりやまない秒針の音を
闇夜に響かせる
ふ ....
海に刺されたその日
雲は裏切り
風は行き過ぎた
生意気な
月が笑うた次の日
一緒になって笑う
星達が
いい加減
頭にきたので
砂を
生贄とした
....
悲しさとか寂しさとかで
小指を折り曲げてみても
いまの僕には
なにも痛いところがない
窓から出て行ったこの目は
遠くで迷える羊のよう
「でかけてくる」と言って
あなたに連れられた ....
毎日同じ時間に起きて
同じ道をたどり
同じ席につく
そして
退屈な時間が流れだす
ここは私の場所であって
私の場所ではない
晴れた日には知らない道を歩きたい
見たことのない景色に胸 ....
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