すべてのおすすめ
あちこちを
耕してみては
首を傾げる
そよそよと
春風に笑われても
わたしは一度だって空を見下ろしたことがなくて
たとえばそんな風に
きみを感じていたいんだ
わたしの瞳に沁みる果てしない色の
その不確かさを
できるかぎり
ながく ながく
....
鏡
あなたの
愛とはなにか
あなたの愛は鏡だ
鏡面の清潔さ涼やかさ
嘘などおよそない明らかさだ
朝の訪れの濁りのない晴朗だ
夏の真昼の陽炎立つ地平への
いちどきりの望みの率直さだ
....
春風の吹く中 洗濯物を表にかける
ポールを二本立たせて
横の棒には鎖を巻いている
ハンガーの丸い先を 鎖の輪にかける
強い風に さらわれてしまわないように
ポールの立つ前には 鯉の泳ぐ池 ....
やわらかな鉛筆で書かれたDon't be afraid
朝九時の埼京線の一号車に乗る私の隣
一人で座る映画館の座席(こぼして踏んだポップコーン)。。。
アルバイトで行ったジョン・レノ ....
ピアノの想像力と
町の殺風景で
よく旅立つ頭脳
いろいろ考えます
凧の糸を切ってやろうかと
孤独な雲に尋ねてみました
彼方かすかな霧笛に
原色のない天気が答えました
向こうで誰 ....
飾りの無い虚ろが
手に手を重ね じっとしている
水紋が
生まれる前の色
陽を横切る陽
地に撒かれ
夜を聴き
夜を見つめる
川沿いの
白と黒の ....
その舗道の影は
拾えそうなくらいに黒いじゃないか
お前さんのチョコレートの髪は
このカンザスの太陽で溶けちまわないのか
荷物のなかに
傘がなくても平気か?
あっちはもうカンザス ....
ベッドの柵をつかんだきみの
瞳は高熱を宿して
生きる力を動物にゆだねていた
水だけを飲み丸くなって
変わらないものは美しい
そう語っていたきみの
姿はどこにもない
物語の ....
たいこをたたいて
たてぶえをふいて
おどる行列がいくよ
楽しさについ
調子をあわせてみた
みんな楽しいかい?
でも、宴はおわり
僕は一人
天上の月を見上げる
花吹雪がうずを ....
今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した
けれど若者は
十三日の ....
遠い空
白い雲
ふるさとの紅い花
空を飛ぶ
鳥たちよ
愛する人に伝えてくれ
ユンマイマイユンマイマイモイ
明日また
日が登り
日が沈み
夜が来る
ユンマイマイユンマイ ....
静かに蒸発するためには
まず、皮膚を脱ぐことが必要らしい
触れることが楽しいのは
まだ溶け込むことを知らないから
お互いの、もっと内側に近いところで
それでもふれあっているだけの
傍に ....
気どり屋さんの夢話
おのぼりさんの踏み外し
元も子もない引き下がり
過ぎて過ぎて巻きもどし
ほっついとこう津々浦々
願ってもないフリー
締め出されてすぐフラフラ
年頃はなぜか罪
あの子のあだ名は赤リュック。
これは自分の中での共通のあだ名。
いつも赤いリュックを背負って
授業中も、美術の時でさえ
それを手放した所を見たことが ....
花は土地から切り離されると
すこしずつ死んでいく
生まれた土地から切り離されて
まず工場へ送り出される
仕分ける熟練した腕が
花をつかみ花を矯め
生まれた土地から切り離されて
箱詰め ....
あなたはここで生きなさい
あなたはここでしか生きられない
そう言われたわけでは
ないんだろうけれど
ビーチで遊ぶ人たちは優しい
それは見てるだけでもわかる
{引用=
ただただ白い部屋で
打ち寄せる雨を聞いている
恋人は壁に向かって立ち、
このキューブに広がる柔らかな影だけがわたしの在りかで。
降り続く水分を
冷えきったグラスに ....
メディアを開くと
デマゴーグには事欠かない
うそのニュース
うそのタレント
うその世界が充満していて
臭気に目鼻をやられてしまう
その中に
そっと真実を混ぜておいても
もう ....
1.c4
跳ね上がり
1...e5
勇み立つ
戦場を舞う兵士たちのうた
2.g3 d6 3.Bg2 g6 4. ....
俺は船をもみ消された
何でもなくなった その金色だった
この俺の なくならされただろう 世界を
イメージとして その色彩に立ちつくしていた
道を立ち止まる 小波ですらもなくなった 俺の
....
死んだことの無い奴には死のことなど分かるまい。
そんな馬鹿な理屈
あなたの言っていることと、おんなじじゃないか
小さく青い顔をして
螺旋を描く
お互いの邪魔をすることなく
月の明かりを譲り合っている
ラ・カンパネラ
勇気もなく
孤独でもない
頬を撫でる風
君たちは、愛を、月光からもらう
下を向いて涼やかに鳴る ....
子供の頃に信じた夢が
叶えられるより前に壊れて
メーカーに問い合わせたら
なんと保証の対象外だと言う
それでやむなく夢を諦め
さっきハードオフに売り行ったら
ド ....
わたしは海に潜れないだろう
だって、
こんなに小さな雨粒たちにも
頭痛がする
空も飛べないわたしは
地球の肌を
舐めるようにして
生きている
ナメクジに塩をかけた
あの頃は
....
巨きすぎる絵を
照らす拍手
また
照らす拍手
葉の影が
頬から動かない
音なでる指
なでる指
縦の水に沿い
三つの魂が立っている
渦の音 見えぬ ....
■チューリップ
包むように咲く花びらは
遠いむかしにわたしの頬を覆った
大きくて暖かな手のひらに似ていた
誰のものだったかは
もうとっくに忘れた
中に隠れている ....
{引用=
うわの空に舞う花弁を掴もうとして距離を見誤る春愁の日
性別なんて窮屈すぎて息が詰まりそうだった
黄昏色の溜息を煙草の煙と一緒に吐き出して
トイ ....
油のような月が出た
油のような月が出た
私は今 嘘をつきました
一体どんな嘘でしょうか
お分かりになる方は挙手
残念不正解お座り下さい
Here a goldfish sings,
Now I have my white wings.
Here a stone rolls on the sky,
Now I am never ....
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