あなたからの連絡がなくて
あと五分後には
来るかも
なんて
あと一時間後には
来るかも
なんて
繰り返し思って
ケータイ握りしめ ....
己が認識している、
己を取り巻くすべてが世界と言うなれば
真実だけが世界でなくともいい 。
偽善 虚言 妄想に 毒
何もかもが
世界を繋ぐ 道具。
その前にいいですか
アイスクリームの下に座る白い馬は充血ですか
瞳を瞑れば 潰れた瞳に当たる
逆さに生えたなみだと美喩して綺麗に恥らう
心から放たれるのは燃えるもの
ふさぐ波が揺れて ....
君がいると知ってたら
よろこんで
迷い込みに行ったのに
横たわっている、きみは埋没している
そのようにして
ひきとめられている何かが、横たわっているかつて息と
いっしょに投げつけられたもの。
みどりの、潜みで。
リンゴの皮をむいて
バナナの皮をむいて
梨も桃もむいて
あなたが食べて
おいしそうに
食べて
リンゴの皮つなげて
バナナの皮ですべって
梨も桃も綺麗にむいて
わたしの髪の毛さわっ ....
即興詩 「詩人の時代がやってきた」
ぼくはいつも感じている。
21世紀は詩の世紀だと、
そして今は詩人の時代だと。
詩人を必要としている時代なんだと。
21世紀がこころ ....
―白線の内側にお下がりください。
内側じゃダメだ。
是が非でも外だ。
―まもなく…
時計は5秒を切っている。
マークがきついぞ。
冷静になれ。
フリーになれ。
―お下が ....
(一)
明治通りと靖国通りの交差する
新宿五丁目交差点から
ABCマートの軒先に並ぶスニーカーでも品定め
数メートル歩いたところに
スターバックス新宿三丁目店はあって
いつものように通 ....
君の手に護られている
悲しい音楽が聞こえないように
僕と君は互いが反存在で
触れると世界もろとも消し飛ぶ
だからいつも“ワタシ”という
紙一重の嘘を隔てて
互いのカタチを確かめ合うんだ ....
木の枝葉は肉食性、蜘蛛の巣のように光を捕食する。親である光は木の濃度に熔かされて死んだ。光の遺児は静かに渦巻き始め、魚のような復讐に、軋んだ泳路を貸し与える。遺児の波長が復讐の長さを測る単位となる。遺 ....
たったいま完成した
きみの思考の円錐
てっぺんからひん曲げて打ち崩したいから強く
強い骨をつくるために
わたしは泥臭い牛乳を飲もうと思った
信じられないほど白い液体
きみを信じられないと思 ....
これまで稚拙な文章ながら、合唱曲に取り上げられている詩について紹介させて頂いていました。『合唱曲へのご招待』としながらも、曲想とかについて紹介ができていなくって、詩がどの様に音楽によって新しい動きを ....
正直今日の日はえぐれるような1日だった
いろんな意味で
あたしはもっと強くなっていかねばならない
昨日よりももっとぐるぐるめまいがした
あたしはもっと強くならなければならない
....
ラピスラズリは、青い。
惑星に似た丸い石は、原石のまま磨かれずにいて、
濡れてもいないのにいつも冷たい。
時々、水脈を聞く。
明かりを知らない水の奏でる音楽を。
明かりの届かない ....
書いて逆らうことを止め
暫く闇に流されてみる
空白は私を包んで
静かに冷える
蓄光時計は
カウントする
ゼロ−ワン、
光や熱の胎内で
確かに私たちは始まったが
彼 ....
ながい腕を
まっすぐに伸ばして
陽ざしをさえぎり
さらにずんずん伸ばして
父は雲のはしっこをつまんでみせた
お父さん
いちどきりでした
あなたの背中で
パンの匂いがする軟らかい ....
みずうみに音楽の破片
どうして夜なんだろう
さいごの肉のまじわり
滝まであと少しだった
きみとだったらぼくは
みずうみに音楽の破片
どうして夜なんだろう
....
太陽だけを愛していたい
眩い その輝きを
自らの鼓動に閉じ込めて
紫陽花のように
陽射しを抱きしめて
明日を信じていられるように
月の輝きに頬ずりしたいのは
さびしくなったから
す ....
住んでいる町は田舎で
電車は一時間に一本あればよいくらいで
待合室があるのが不思議なくらいで
今日は一冊の小説を携えていて
外は雨が降っていたので
回数券を買った
駅の待合室で
携え ....
本家にはいつも
猫がいた
本家とよばれる所には
いつだって
猫がいるのだった
お盆とお正月に
本家に帰ると
やはり猫がいた
けれどもその猫は
おなじ猫ではなかった
お ....
恵ちゃんごめん
マッチョ野郎に君のメルアド教えてしまった
とりあえず迷惑かけてごめん
君がそんなに軽い女だとは思わないが
マッチョ野郎がいけた場合は
俺もお願いします
まず本
本が絶滅する
たとえば資源の枯渇、高騰
工場で印刷される書籍はなくなり
図書館やブックオフはレンジャーによって守られていて
古書街は聖地と化している
それからネット
イン ....
現在、20歳と211ヶ月のワタクシは、彼女居ない暦32年くらいになる。正確な年月は数えると気がめいるので、だいたいそのくらいにしている。
その間、色恋なんぞに胸を焦がされなかったか、というとそんな ....
ギリギリでバスに乗りこむと
最後部の片すみに
ちょこん とすわっていた
同じ塾の子たちと離れ
まわりを遮断するように
本を開いている
「よかった 帰りが一緒で」
となりにすわると ....
どうやら僕は
今迄の思い出を
大事にしすぎたようだ
部屋の中は
まだ終えてない宿題みたいな
山積みの本
ポケットの中は
札は無くともささやかな記念日の ....
口紅 唇
猫道
巨大な
きゅうりの死体
虫へんから先 カ の字がどうも出てこない
日焼けた手の甲
腕足ばかりが踊りだす
緑
ねこじゃ ....
キョウモ アナタハ
ダレカレトモナク
ウッカリオシリヲツキダス
ニドメハ チガウヒトト
キメテイル サンドメモ
ジブンデシタノニ
ボタンノカケチガイヲ
ケラケラワラッテイル
....
世界中にできた闇の部分がすごいスピードでずれて
くちぶえが遠ざかり
輪郭線が地平線とまじわりながらかたちをかえて
あたしたちはまだうっすらと汗をかいて
雲の裏側にのびていく光の筋が不意 ....
折り返す列車は濡れて雨粒の数の約束待つ河原町
烏丸のホームで制服のリボンを揺らしてあの子は白線を踏む
閉じかけた夏の絵日記直線では描けなかった桂の警鐘
高 ....
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