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岸に咲いてる、雨の花
魂宿る、雨の花
その透明の面影は
何故だかいつも腐らずに
僕の隣で、薫ってゐる。
それは愛人のようであり
それは女神のようであり
いつでも ....
いくら頭を抱えても
仕方のないことで
うじうじしている自分の{ルビ面=つら}を
本の頁から取り出した
厚手の{ルビ栞=しおり}で、ひっぱたく。
{ルビ嘗=かつ}ての僕は頼りなく
些細なことで今にも崩れ落ちそうな
不安な、不安な
青白い魂でした・・・
今の僕は
昔の服を脱ぎ棄て
無明の闇に、瞳を閉じ
高まる胸に、手 ....
終電のすいてる車内の空席に
リュックサックを放り投げ
{ルビ転寝=うたたね}をする僕に
(ちょっと・・・邪魔)と言い
わざわざリュックをどけて座り
{ルビ草臥=くたび}れスーツ ....
地下鉄の風に背中を押されて
階段を下れば
ホームの端を
黄色い凸凸道が
何処までもまっすぐに伸びていた
いたずらな風が
吹けば
すぐによろつく私だから
凸凸道の内 ....
「 いってきます 」
顔を覆う白い布を手に取り
もう瞳を開くことのない
祖母のきれいな顔に
一言を告げてから
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く
散歩日和の道を歩く
....
真夜中に部屋の中で一人
耳を澄ますと聞こえる心の音
沈黙の中で奏でられるピアノ
同じテンポ・同じ音階で
人の心に迫り来る音がある
写真立ての中に映る懐かしき人々が
時を ....
うむまあの木といふ
器量の悪い詩人みたいな木がある
穴の開いた幹は
{ルビ欠伸=あくび}をしている顔のようで
暗闇の深遠に
なにかを隠し持っている
うむまあといふ
....
きゅうりの抜けたかっぱ巻き
地面の上に口を開け
朝のひかりを吸いこみながら
しあわせそうに立っていた
ぼくもあんなふうに
哀しみなどには呆けたふりで
自らの中心を空にして ....
どうやら僕は
今迄の思い出を
大事にしすぎたようだ
部屋の中は
まだ終えてない宿題みたいな
山積みの本
ポケットの中は
札は無くともささやかな記念日の ....
桜舞い散る春の日
正午の改札で
杖を手にした祖母は
ぼくを待っていた
腕を一本差し出した
ぼくを支えに
大船駅の階段を下り
ホームに入って来て停車した
東海道線の開 ....
《81》柴田望さんの服部 剛さんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
雨の花_
-
服部 剛
自由詩
5
10-6-3
目覚め
-
服部 剛
自由詩
6
10-6-3
炎の鳥_ー雪の降る、家持の庭と夜空に響く、コルトレーンー_
-
服部 剛
自由詩
6
09-10-13
月夜の口笛_
-
服部 剛
自由詩
5
09-10-13
賢治ノ星_
-
服部 剛
自由詩
12
09-2-20
海に還った祖母に捧ぐ_
-
服部 剛
自由詩
35
09-1-24
夜想_
-
服部 剛
自由詩
6
09-1-9
うむまあの木_
-
服部 剛
自由詩
3
08-12-2
かっぱ巻き_
-
服部 剛
自由詩
3*
08-10-12
Freedom_Song_
-
服部 剛
自由詩
32*
08-9-22
老婆の休日
-
服部 剛
未詩・独白
12
07-4-15
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