夏休みぼくは

叔父の自転車のうしろに乗って

少年将棋大会に通った

叔父といっても

いま思うとまだ20代の若者だった

叔父は近所の中高生を呼んで

自宅で家庭教師みたい ....
どうしてお前は

そんな素敵に笑える?


眠りに落ちたら、私は


マリア、まだ眠れないのですか?

私がまたおとぎ話でも聞かせてあげましょうか。

そうだ、

この ....
お月見団子を作った。
ついでにお月見にちなんだ話を一つ。

その昔、十五夜にお月見をすると…
十三夜(10月11日)にも同じ場所にてお月見をしないと
それは「片見月」と言って縁起が悪い ....
 
秋に夜が訪れて
炭酸水が流れこむと
暗い海の底
音もなく稲穂が揺れる

えら呼吸をはじめる
溺れないように
母が子守唄を歌う

目を覚ますまで
魚になる
泡をこらえて ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
らせんのような共鳴を感じる
ピアノをたたくゆびの柔さに似た
無邪気さの中で吸う空気

どこまでも青くひろがる
世界の端っこで
どうしようもなくうばいあっては
求めあう
わたしと君のすが ....
海の中にいた
ここは地球なのだが
靴を脱いでいるから
地に足が着かず
やわらかい席の
おしりの感触が消えそうで
前の席の 男の子 女の子
野鳥のさえずりに似ている

夏は タンパク質 ....
幽かに残された血の色が、
うっすらと赤く滲んだ )))
香ばしく焼けた肉の塊りを
荒々しく丸ごと無造作に載せ、
じゃが芋と人参のグラッセで飾った
輝く、銀のオーバルトレー

猥(みだ)り ....
{画像=080914080444.jpg}

木は両手を拡げて
わたしを暖かく抱きしめた
拡がる手の先には
青々しい梢がさらに広がり
そこでは緑の子供達が風に踊っていた

寝ころんだベ ....
            080913


ガス抜きを致しますと
クエン酸
パチンコ屋のご亭主は
幼児はお金がないから
遊べないよと
すげない顔して
駄菓子屋の親父に下駄を預け
古く ....
切望することは、
あなたが外側に在ると、
認めることでしょう。
あなたに会うために、
何百もの方法を築きました。
あなたが囁く時、
愛でいっぱいでした。
この有害な混乱に、
わたしはば ....
小説も香水も好きだけど
ヤカンが飛ぶほうがいいと思っていた

空港の誘導灯も
機上から見下ろす街明かりも闇も好きだったけど
お湯を沸かすヤカン
ヤカンが飛ぶほうがいいなぁとは思っていた
 ....
富士山! おい富士山! いや富士様!
待って下さい 頼むから待って下さい 永久に待っていて下さい
頼むからいつまでも噴火しないでいて下さい
俺たちが代わりに噴火しますから 静かに見守っていて下さ ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}


(一)

「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」

カーバイトランプに照らされた
みか ....
もうおやすみ とつぶやく こえは
あなたに とどいたのでしょうか
まぶたを とじる しゅんかんに
あなたは なみだをうかべていた きがしたのですが

ろくがつむいかの あめはふりつづいていま ....
初めて会う人の顔の真ん中に
或いは胸の真ん中に
おへその辺りに
とにかくその人の中心線に
隙間がないかどうか
確かめる
それは
ある時はボーリングの球くらいの大きさだったり
ある時は米 ....
同じような空でも
どこか少し違うから
そう言って
その日の雲の形を惜しむように
写真を撮る、君

同じ空を見上げ
何が面白いんだろう
そう思いながらも
念のために持ってきた傘なんか
 ....
 
 
かみさまという鏡のような未来は
ぽろぽろとこぼれながら
なにか悪い事を口にしかけて、
小さくなっていく産声
どうやらここは初めから
ちきゅうという
名前もないどこか遠いところ
 ....
ずいぶんと歩いていた 
ぼんやりとそれだけはわかる 

ふくらはぎの痛みの感覚は通り越して 
いつか読んだ本の陳腐なストーリーのセリフみたいに
「それでも行きたい先がある限り歩くんだ」 ....
生きる意味について
考える事ができる

食べ物がないのなら
飲む水がないのなら

意味など考えないだろうに
明日生きることだけを
考えるだろうに

自分の中の本能に忠実に生きるだろ ....
テレビの電源を
オフにする
それだけでは
現実と私は切り離せない
と知ると
カーテンを開け放って
現在と対峙する

朝焼けも
夕暮れも
物悲しく過ぎた日の
言葉を吐くことを
一 ....
「言葉が生まれる場所 魂の行方」
                  


おおきく羽根をひろげて色を放射する孔雀のように
深い色合いで水をたたえている湖に
天上からこぼれおちるやわらかい ....
朝は輝きの中にある。
射るように、この体を突き抜ける光が
朝のすべてだ。

闇が絶え
やがて訪れたキラメキの洪水は
闇の中の深海に果てなく沈んだ思いを
光の中に解き放つ

闇に遊んだ ....
 絶えず変化する状況に対応する。何が起こるか分からないなかで、起こった一つひとつを認識し、分析し、それに対して何が出来るのかを判断し、最適な行動をしてこちらのダメージを最小限に抑える。抽象的だけれど、 .... 重たいよ、重たいよ、と稲が鳴ります


生まれるよ、生まれるよ、と栗がもうすぐ妊娠八ヶ月です


うーーん、と心地よい秋風に、晴天が背伸びをします


ぐう、ぐう、と魚の雲を見たわた ....
祭りの夜は渦巻く貝殻
空はずっと青かった
水の流れをずっと聞いていた
草を噛むとたちまち苦みが
口なかに広がって 星が銀河が
水のように押し寄せて来る


あれは
ケンタウルスのきら ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
今回紹介するのはAWC秋田ポエトリーリーディングの世話人でもある、鈴木いく子さんの詩集『空気で伝えて2008』です。
これまで彼女が自作されてきた本や、秋田県でよく読まれている新聞「秋田魁新報」に掲 ....
心臓が集まるとファンタジーになる

初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日

旅から戻ったベ ....
人の生を、単純な線にしてみる
すべての線が、平行に走り、交わることはない
それが孤独
すべての人が、もって生まれたもの
人は、人として生まれた
幾千の星が持つ固有のベクトルに似て、
すべて ....
《81》柴田望さんのおすすめリスト(694)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
叔父の背中- 吉岡ペペ ...自由詩308-9-15
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お月見夜話- 西日 茜散文(批評 ...7*08-9-15
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微炭酸- あおば自由詩14*08-9-13
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フライング・ケトル/夜間飛行- 海里自由詩408-9-13
富士山- 新守山ダ ...自由詩408-9-13
ひよこなひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*08-9-12
猫唄- 梨玖自由詩3*08-9-12
隙間- 小原あき自由詩17*08-9-12
シャッターを切る音- 皆月 零 ...自由詩9*08-9-12
ひかり/音楽- 石田 圭 ...自由詩3108-9-12
Bob- わら自由詩22*08-9-11
探しものは見つからない- 三奈自由詩9*08-9-11
もの言わぬ人- かんな自由詩11*08-9-11
言葉が生まれる場所_魂の行方- 飛鳥 彰自由詩108-9-11
朝〜輝きと希望の世界- 籠球次郎自由詩2*08-9-11
OFFENCE- 深水遊脚散文(批評 ...4*08-9-11
初秋- 小原あき自由詩16*08-9-10
ケンタウルスの夜- 石瀬琳々自由詩18*08-9-10
交感する秋の声紋- 佐野権太自由詩27*08-9-10
秋田県でいただいた秋田の詩集2_「空気で伝えて2008」- イダヅカ ...散文(批評 ...3*08-9-9
おかえり- たちばな ...自由詩24*08-9-9
海面上昇5- rabbitfighte ...自由詩15*08-9-8

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