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大鳥居前から右手 銃にして ハネムーン行きジェットひと撃ち
赤赤と大空染めた鶴の羽 {注機長=やっぱり城達也さん。伊武さんも良かったけれどね}とともに星に溶けゆく
シアワセと名付け ....
ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる
血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)
帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
{引用=
シロナガスクジラの背中にのっかって幸せだった波に夢みる
(さみしくて、さみしくて、ずっとさみしくて、しあわせすぎて、死にたかった)
....
あのひとの
ギターをはじく手の速さ
見ているだけで
悲しくなる
ぼくはまだいちご泥棒と眠りたい置き忘れたものばかりの園で
衝動を積み上げていく指先に梶井のレモンわたしのオレンジ
気だるさはインクに滲み水底の青い散文髪に絡まる
....
砕け散るはやぶさの下ひとすじの軌跡をえがきカプセル還る
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに
膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う
束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
月なき夜 くぬぎの森の カブトムシ 幹に耳あて 樹液流を聞く
あとだしをするのに負けるきみだから 最初はぐーでちょきを出す恋
気がつけば最初はいつもぱーを出す きみの恋はただしくやさしい
わたしたち最初にぐーを出すわけを 話し合わなきゃな ....
缶切りで鯖味噌缶を開封し背中まるめてわぶわぶ食べる
薄荷飴ひとりで舐めてさびしがる君のことなど想ってみつつ
朝刊の明朝体が目に刺さる夜明けどこかで鳥が鳴いてる
晴れた日の午睡が好 ....
若き日に帰りたりけり今日もまた午睡の夢のしばしの間
雀たち囀りておりにぶき陽のさしこむ路地に水無月の風
体力の弱りを知れど負けるなと言い聞かせては七十路半ば
パラソルの陰に座りて ....
北山通の並木かなしむ夕暮れの色はほんのり青さをもって
少年が息をひそめていたわけは蛍でしょうか哲学のみち
宇治川を背に立つ君の少しだけ歴史を知っていることが ....
エナメルで拙く染めたら指先が赤くたわわにはじけていった
別離なんてこわくもなんともない昨日耳を小さくちぎって食べた
あなたに告げられた一声で包丁だけがぼうと明るかっ ....
ぬぎすてる
春の衣の
きらきらり
ひかり散らすを
むねに刻んで
ふりむけば植物しか生えていなくてもそこで生まれて生きたわたし
さといもを剥くために研ぐ包丁にうつるわたしさといもがひとり
街と人逢うたびわたし旅をした別れの数とひとしい夜だけ
....
眼に焼きつけし昏き銀巴里アバンギャルドはノスタルジーに
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです
昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て
夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬
....
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
....
Before
初恋に 破れ 背伸びし 珈琲は
苦いばかりの キリマンジャロ
After
初恋に 破れ背伸びの 珈琲も、
今や麻薬の珈 ....
肌よりも少し涼しい風が吹き漂う香りは秋の色かな
快晴に晴れた真昼の金木犀せせらぎに似た郷愁を誘う
可愛いね小さく咲いた花びらを集めて香る道端の枝
折り返す列車は濡れて雨粒の数の約束待つ河原町
烏丸のホームで制服のリボンを揺らしてあの子は白線を踏む
閉じかけた夏の絵日記直線では描けなかった桂の警鐘
高 ....
貝殻のように丸まりうずくまり
鉱石さがすイギリス海岸
行き先のない汽車に乗りひた走る
どこまで行っても通過駅のみ
夜すでに企み隠すコランダム
見知らぬ ....
短歌 「わが友に贈る歌」
ペガサスの
飛ぶがごとくに便りあり
ミッドナイトの花の香のせて
麗しき君は十九歳(じゅうく)の
薔薇の花
昇る朝日にその身かがやく
....
その首を朱に染めたのはこの腕の両刃だった、気づく抱擁後
祈り、というダガーナイフで斬りつけた罪で私を処刑せよ、君、
{引用=クラクション、に、囲まれている。耳が痛い。}
スクランブル交差点の真ん中でシマウマが何度も轢死している。
深海から光を捜す。眼は閉じた。
体中の臓器が潰れていく。 ....