脳軟化症の徳三爺さんは
丸めた古新聞で家のTVを叩く
偉そうな人が映る度に
ウーウー言いながら
丸めた古新聞でTVを叩く
以前は政党とか見分けをつけて叩いていたのだが
近頃はマイクの束や街 ....
凝縮された思いが風船のように膨張して、弾けた飛沫が言葉になった。
そんな鮮烈なイメージが浮かんだ。それほど思わぬ角度から言葉が繰り出してくる。
凡庸に収まらない突き抜けた斬新さが、この詩集の魅力だ ....
 私の実家の犬には「ハナ」という名前があった。だが私はどうしても「ハナ」と呼べずに「犬」と呼んでいた。自然との流動的な親密さに耐えられなかったのだ。
 「ハナ」という言葉は他人の所有する暗がりのよう ....
{引用=
不完全な過去 不確実な現在 無知な未来



カスタネットの赤と青が嫌だったから
いつも校庭のすみっこで地面に円を描いてた
繋ぎ目がゆるんで共鳴しなかったから
いつも答案用 ....
五月の橋の上で
生まれ変わったら
何になりたいと聞かれた

ねことか
とりとか

雨の日の林の中の
きのこ
なんてどうかなあ
ぷつぷつとうたうたう
春の腐植の土たち
立ち上がろ ....
五月晴れの朝
雪が積もったら自然に落ちるように
高めに作った青い片屋根のてっぺんに
ヒキナギが二羽 歩いている
つがいでしか 見たことがなかったから
すぐ近くの電線にとまっている
カラスを ....
温めては、作った白い膜を 棒でかき混ぜて破っていた。
ゆるゆるとした所で飽和を繰り返して
痛みと終わりが来ないようにした。

それが今までの私で、もし
変わらなければいけないのなら

ひ ....
良くは判らないけれど
私の書く詩というのは現代詩という
えらい物では無いらしい
だからどうしたって言ったって
どうしたって判らないから
こうしてぽつりと書いているのだけれど
こうして書いて ....
スロープが設置され
単離された感情が乗って行くスロープ
サングラスが監視する目を伏せ
切り刻む風景を随時放り込む

横縞の観覧車が上下に回転する
警笛がしずかに
きわめて静かに鳴っていく ....
暗記力や集中力を高めるBGMをバックに
アダルトビデオを鑑賞する背徳の午後
その間にも万物は休みなく流転し
文明が確実に着実に発達を遂げている
男優の射精を見届けた後で我に返れば
核で滅亡し ....
重油が雲のように流れうねる
粘液質の眠りの底に響いて届く
何色かの鐘の音色に共鳴する
筋肉繊維の無数の弦が共震し
開かれる眩暈と明晰の間の扉


甘く緩く脊髄を対流する
胸 ....
命を助けてもらったなら
大切にしなくちゃいけない

今日俺は獲物を逃した
獣と魚を一匹ずつ

あいつらは俺が乗り気じゃ
なかったことに
感謝してるだろうか?

そりゃあするだろ ....
妄想の残骸と 覚醒の余韻の 間で 猟銃を構え 隠れ 
祈るように 待つんだ 
弱々しくても 灰色や黒色でも やがて射す
光の意味合いを 希望と 呼べるように
狙うんだ
 ....
買いたい物はもうない
必要なものはもう全て揃ってる

マンションはワンルーム
冬の寒さに震えることもない

車は国産の軽自動車
ちゃんと走る

携帯、パソコン、デジカメ、冷蔵庫
テ ....
{引用=


 アウストラロピテクス〜はるかに
 ホモ・エレクトス〜さらに

 ひととひととを分かつ外的要因によって
 踏み出す一歩その一歩の歩幅の違いが決定的だとして
 ここまで
 ....
枕を濡らさずに抱き枕を抱いて眠る私には
君の淋しさなんて解らないのかもしれないね

それでも私は淋しいのだと言い張りたい
誰かの声がする此処は安らぐことのできる
唯一の憩いの場

話して ....
僕の飼育権を勝ち取ったのは名実ともに日本一の動物園、上野動物園だった。
僕はすぐさま薄暗いトラックの中に入れられ、東京へと運搬された。
園内に着くと早速、僕は檻の中へ放り込まれた。
新しく造られ ....
忘れ去られた 古い校舎
人知れず 
ひな菊が一面咲く
小さな 白い縁取りをした
数知れぬ麦藁帽子
花の絨毯は緑に抱かれ

さやかな風が吹き 過ぎる
もう夏の気配を孕んだ晩春のそれは、
 ....
                    
内地から釣りに来た太陽と恋人たちを
島尻の斎場御嶽にガイドする。
財布から百円玉を取り出し受付機でパンフレットを買うのを指笛に
午後の観光が踊る。
 ....
いじわるをいわせないためには、どうしたらいいだろう







最近の話をしようとすると
思考は酷く曖昧で
断片的なものになってしまうから
こんな形をとっ ....
フロリダ出身の二十一歳の
James Byron Deanに似た男娼が
その指に香油を塗りたくり
ポケモンに夢中になってゐる少年から
葡萄酒色の大きな真珠をつまみ取ると
少年のゆるんだ口元か ....
◇機関士:

パリ発、コンスタンティノープル行き6両編成。
ほぼ定刻でウィーン発。
乗客の体調不良等、異常の報告は無し。
これより政情不安定な地域を通過。
よって盗賊団の襲撃に警戒セヨ。
 ....
エナメルで拙く染めたら指先が赤くたわわにはじけていった



別離なんてこわくもなんともない昨日耳を小さくちぎって食べた



あなたに告げられた一声で包丁だけがぼうと明るかっ ....
浸して上下に揺さぶって
美しい皮を被る
どれが本物なのか
私には分からない

裂いて千切って放り込んで
醜い器を満たす
どこが狂ってしまったのか
私には分からない

粘着帯でも貼っ ....
今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した

けれど若者は
十三日の ....
{引用=さよなら}
無機質な電話の切断音が耳を突く。

彼の優しい声音を思い出しながら その最後の一言を口の中で反復する。
ふと 喉の奥で焼け焦げるような熱を感じた。
痛い。 こぽり。 溢れ ....
女の面影や身体の柔らかさのことを
夜道を歩きながらぼんやりと思い出そうとしていた

半月に照らされた王都の白い石畳が
南島の短い冬に冷えていた

(あれは、まぼろしではなかったのか)

 ....
神さまがいたらなんて考えない
だってあたしは昔から
先生に嫌われていたから
そういうことなんだろうね

笑いたいわけじゃなくて
泣きたくないんだって 気づいたとき
あなたのことを好きなん ....
静かにね
ただ、静かにね

そうしないと均衡が崩れてしまうから
鈍いフラッシュバックを伴う失速と高揚で
緋色の歯車は子守唄をがなりたてるみたいにして
境界線の倫理を突き抜けてしまうから
 ....
どういう仕組みか知らないが
ペットボトルに羽虫がいた
難儀な自殺と考えた
助けようとも感じたが
入り口は小さいし
はさみで切るのも億劫だ

干からびたボトルを放置していた
という点
 ....
《81》柴田望さんのおすすめリスト(694)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
映らないんデス- 大村 浩 ...自由詩8*10-5-28
ブリングル御田詩集『次_曲がります』- 渡 ひろ ...散文(批評 ...6*10-5-28
動物の定義- 葉leaf自由詩310-5-28
未慣性モーメント- 高梁サト ...自由詩21*10-5-27
五月の流れる水の上で- オイタル自由詩9*10-5-27
二羽と三羽- 砂木自由詩5*10-5-27
混ぜる- 山岸美香自由詩3*10-5-27
それがどこであろうと(未詩・独白)- プル式自由詩110-5-27
半袖のかいだんです- KETIPA自由詩310-5-26
- セガール ...自由詩110-5-24
メロディ_/_****'04- 小野 一 ...自由詩610-5-21
eggman- mizunomadoka自由詩410-5-19
銃弾_/_****'02- 小野 一 ...自由詩4*10-5-18
資本主義の終焉- ネット詩 ...自由詩410-5-16
非生存に思いをめぐらせて- 石川敬大自由詩910-5-16
一瞬の子守唄- ゆず自由詩2*10-5-16
青木龍一郎が動物園にやってきた- 青木龍一 ...散文(批評 ...310-5-16
ひなぎく- 月乃助自由詩16*10-5-15
蝶の廃棄- 楽恵自由詩19*10-5-14
男女- 山中 烏 ...自由詩11+*10-5-14
希硫酸の目薬- 三州生桑自由詩110-5-11
オリエント・エクスプレス、1914- 都志雄自由詩11+*10-5-5
耳を食べる。- f.luna短歌910-5-4
間違い部屋- りこ自由詩8*10-4-24
神日和の十三夜- 楽恵自由詩17*10-4-24
清純エゴイスト- 愛心自由詩5*10-4-22
手枕- 楽恵自由詩1210-4-18
It_was_a_girl_that_can_meet_a_ ...- アオゾラ ...自由詩410-4-17
幣帛- 山口清徳自由詩110-4-14
がらんどう- 佐々木妖 ...自由詩9*10-4-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24