君はいつもありとあらゆる隙間という隙間にいて
ひっそりと身を潜め、何か考え事をしていた
今日も朝食のパンを食べていると、冷蔵庫の横にある僅かな隙間にひっそりと存在していた
「おはよう、朝ごはんは ....
石から人の想いを感じ取る

櫛に平和を思い浮べる

僕はそこに僕を見る
はっきりとした輪郭の


名の知れた詩人の詩に
美を感じる

店で流れる知らない曲に
耳を傾けている
 ....
きゅうりの抜けたかっぱ巻き 
地面の上に口を開け 
朝のひかりを吸いこみながら 
しあわせそうに立っていた 

ぼくもあんなふうに 
哀しみなどには呆けたふりで 
自らの中心を空にして  ....
終わりは
すべて哀しいものだと
いつかあなたは
示したけれど

確かにわたしは
時刻をひとつなくしたけれど、

なくさなければ
始まることのなかった
時刻のなかで
わたし ....
音もなく

無窮の果ては闇に落ち

虚空の下で

{ルビ貪婪=どんらん}な渇きは癒えず


玲瓏たる

銀の雫に月は盈ち

秤の上で

静謐な{ルビ焔=ほむら}を煽る
 ....
山を歩かなくても
高山植物をいくつも
見つけることができた
お花畑だった
小さな草木が
つける大きな花

青い花が好きだった
眩しいくらい明るい
白や黄の花よりも
吸い込まれるくら ....
昔々
あるところに
お爺さんとお婆さんが住んでいました
お爺さんは山で光る竹に見とれるばかりで
芝刈りはしていなかった
お婆さんは川で流れる桃を見送るだけで
洗濯はしていなかった
そんな ....
僕の庭には不思議がいっぱい
黄昏の影の傾くところ
時間とともに変わってく
はてさて僕のいる場所は?

僕の庭には不思議がいっぱい
落ち葉の言葉を聞くかかと
踏んでも踏んでもぶつくさと
 ....
記憶にある顔は、少し老けたようだった。変わらないといえば変わらないのだろう。彼女は自分の子供を抱き上げる。夫と子供と3人で暮らしている、と彼女は言った。部屋は決して大きくはなった。むしろ3人では狭く感 .... うっかりついてしまった
溜息の先端から
滑り落ちたマンボウが
午後3時17分の紙コップの
コーヒーの中に浮かんでいた

セクハラまがいの
丸い横っ腹を堂々と晒して
背びれと尻びれを ....
キッチンに立つ
あなたの姿
トントン
包丁が野菜を切る
まな板の音が
デクレッシェンド
わたしは心地よく
耳をそばだてる
ジュー
炒める音は
カレーの子守唄で
眠りにつく
好き ....
ひそやかに草を食む
動物のそばを歩く
季節は夕方にちなんで
風が瞼に
暗やみをしまう


欲しかったものは
ひとつになる
もつれた言葉をほどく紐
ぜんぶじゃなくなる
いま ....
書いてしまって、また後悔するかもしれないんだけど。
まずはお礼から。
詩学社の破産、廃業の折は、「詩学社を救え!(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=136 ....
先生と呼ぶ女の声が
先生と呼ばれる男の肩を振り向かせ

女の顔は無邪気なノッペラ坊であった
男は女の顔を描いてやろうと創作へ向かう
女は先生お手伝いしましょうかと歌い出し
男は ....
生の感情を引き出せないかと
密かに手書き用のメモ帳を
鞄の中に忍ばせることにした

言葉が降って(笑)きたら
すぐに取り出して書き込めるように
手を動かすことで感情が零れるように

そ ....
Before


 初恋に 破れ 背伸びし 珈琲は
   
     苦いばかりの キリマンジャロ

After


 初恋に 破れ背伸びの 珈琲も、

     今や麻薬の珈 ....
仲良しで
大好きな

仔猫が
亡くなりました。

座る者の居なくなった
お気に入りの
クッションは

今でも 陽だまりに
置いてあるので

あったかいままです。
感じたふりしてゴメンね
と君に言われ
皆の前でパンツ脱がされたトラウマが蘇る

アナタのってまんまラッキョだわ

それでも人はすべからくラッキョの前に跪き
日々の祈りを捧げる

ラッ ....
まよう
微熱の手があつい
触ったらもっとあつい
空のひかり
せなかを刺す

紙袋の、持ち手の、こより
くたびれあって
よれてよりそっている
細くてがんじょうな
線を
ただ、じっと ....

消費者金融の無人審査機の前で
背筋をこころもち曲げている女
どういう顔をしていたらいいか
分からないのだろう
真っ二つに分けた前髪の間からは
かきまぜたコーヒーに入れたミルク
みたい ....
 
獣たちがさわいでる
奪われたものを奪うため
あの山なみの
とても深いところで

秋の次には冬がきて
春はかならずやってきて
めぐりめぐって谷底を
ながれる夏の
水はもうなかった ....
 歌声

【神々】は自然のために歌う
【神々】は人間が嫌いだ
が 自然は好きである
【神々】は自然のために歌う


 雨

赤茶けた
ぬくもりの大地に
無言の歓声を喚げる
 ....
改札を抜ける。
地下通路を歩く音が響く。駅員のアナウンスが流れる。
耳を傾けるものはわずかだった。
人ごみは無関心だった。そうあろうと努めて。
息を深く吐いた。立ち止まる。
カバンを持った手 ....
水中を潜る義眼の雷魚

日の光が体内に伝わり

何億もの細胞が 

反応を拒絶し

汚れた尾鰭を照らす

昼下がりの交信の音波を

察知し

その音で会話を始める


 ....
陽の強さが
キラリと
冷気を突き通す頃


爽やかな緑が
恥じらいながら
黄緑色に頬を染め
やがてそれは喜びの色へと
変わるであろう
確かな思いを抱かせながら
ヒヌマは
密やか ....
どこか信じてた
どこか疑ってた


でも


なにもかも
おしまい




どこまでも信じてた
再起を願ってた


でも


繋いだ手は
 ....
私、瞼が無いから
眠れないんです

いつも夜は
虚空なのです

少女のころ
だったかしら

お花を摘んで
恋を占った
好き、嫌い、と

最後の一片
剥いだとき

私の瞼 ....
朝食を済ませ 僕は 食器を片付ける間もなく
ランドセルを背負って 行ってきます
行ってきます!

今日鮭が死んだ
稲だいぶ前に刈り取られた
大豆はぐちゃぐちゃ
豆腐は風呂上がり

そ ....
ノックされた窓を開けると
季語が突然入りこんでくる
飾るべき言葉の、持ち合わせがないので
自分勝手に寂しくなってしまう
決められた五線譜に決められた音をのせて
決められた拍手が返ってくる
 ....
見上げたこの大きな空の下

どれくらいの時間 この舞台に上っているのだろう?
どれくらいの人が この舞台を見つめているのだろう?

照らす太陽と
照らされる月

暗闇の中をせわしく動き ....
《81》柴田望さんのおすすめリスト(694)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
4- カフカ自由詩2+*08-10-12
生きる- 高橋魚自由詩308-10-12
かっぱ巻き_- 服部 剛自由詩3*08-10-12
意味調べ- 千波 一 ...自由詩21*08-10-12
ヘルメスの月- 朱雀自由詩2*08-10-11
ソーラーパネル- 木屋 亞 ...自由詩2*08-10-11
アリとキリギリス- 皆月 零 ...自由詩1408-10-11
僕の庭には不思議がいっぱい- 未有花自由詩8*08-10-11
彼女はそうは思わない- ブライア ...自由詩1+*08-10-11
マンボウ- nonya自由詩12*08-10-11
翌朝のカレー- かんな自由詩6*08-10-10
紐と輪- あすくれ ...自由詩5*08-10-10
詩学社、そして寺西さん- 角田寿星散文(批評 ...54+*08-10-10
作家願望日和- ヨルノテ ...自由詩308-10-10
アナログ/デジタル- kauz ...自由詩3*08-10-9
初恋_Before_&_After- Lucy.M.千 ...短歌208-10-9
「ぬくもり」- Lucy.M.千 ...自由詩508-10-9
Billion_Dollar_Babies_2nd_Step- 恋月 ぴ ...自由詩8*08-10-9
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すかんぴん(大変貧しく、無一文で身に何もないさま)- 吉田ぐん ...自由詩30+08-10-9
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レッド:西口地下広場- ブライア ...自由詩108-10-8
雷魚の世界_①- crowd自由詩408-10-8
稲穂の実る頃- 青い風自由詩5*08-10-8
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