わたしが
立つはずだった
あなたのお店のカウンター
これからは私の知らない女の人が立つんだ。
わたしが
あなたとの子供授かり
大きいお腹で立つのが夢だった
あなたのお店のカウンタ ....
ケンカして さよならしたね 意地っ張り
百年経ったら キスしよう
タンスから わたしの写真 眺めては
涙してると おばあちゃんから
一度だけ 空のメイルが 届いたよ
返信しない 返信 ....
りんごを
はだかにすると
あまずっぱい
においが
する
あなたを
はだかにすると
あまずっぱい
きもちに
なる
あなたを
むさぼるように
りんごを
ひとかけら ....
アポトーシス
聞き慣れない言葉だけど
つまり僕達の体は最初から
死ぬために作られてるってこと
テロメアが段々短くなって
細胞が徐々に脆くなって
すべての力を使い果たしたあと ....
光と闇が交ざり合う瞬間
セピア色の記憶がフラッシュバックして
時間が止まったような気がしたけど
変わらずに月は夜を連れてきた
アイツがいなくなっただけなのに
この町がいつもと変 ....
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私のテレビは
真空管から宇宙へと通じている。
だから赤と青と黄色の虹が
画面から青空へ架かっている。
そこでは
虚像こそが実体を有し、
存 ....
大連は観光地ではないから
すべての施設は中国人のものだ
悪い仕事をするのに
これほど俺を守ってくれる国もない
星海広場をぶらついた
午後2時に待ち合わせている
たくさんひとがいるのに閑散 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
長いこと 時間はたった
ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う
それすらも
全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった
おぼつかない足取り ....
ぼくの「片思い」は勘違いでした。
目の前のあなたに
「なまのこころ」で向き合い
瞳を合わせる時
互いの胸の両端は
よろこびの糸で
くいっ と結ばれました。
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かつて私の心は安らぎを知らず、
盲目の内に両手は前を探っていた。
手は悴(カジカ)み、
指先は熱い火傷を負い、
心は暗い深淵の内に浸かっていた。 ....
あれは確か午前四時ぐらいだっただろうか
明け方急に目が覚めたせいか
喉が渇いていたので冷蔵庫へ直行した
しかし半分寝呆けていたので
ペットボトルと焼肉のタレを間違えて
思いきり飲み ....
わたしのははは
おうたをうたいます
ねるまえにかならず
いいこ いいこよ ねんねしな
わたしはめをとじて
すぅすぅこきゅうします
はやくおうたをとめて
かわいこ かわいこ ねんね ....
抱きしめてやると
思ったよりも簡単に
くずれるときの声を出した
髪の毛から
あまい胡瓜の香りがする
たがいの爪で
たがいの肉にわだちを描いた
俺は十八だっ ....
べろんべろんに酔っ払い
狸のつらでゆれる地面を千鳥足
今夜の{ルビ塒=ねぐら}のねっとかふぇの
個室のドアを開く
うつむいたスタンドの頭に
貼られたシールに書かれた
「 ....
零れ落ちる砂を拾い集めて
4文字の言葉を呪文のように
何度も何度も繰り返す
砕けた砂時計
戻せない時間
後悔だけが積もってゆく
季節外れの海に来て
浜辺をひたすら歩 ....
仄暗い空を眺めながら焼酎を一口
煙草の紫煙が空を流れていく
鳥の囀る唄が聞こえ もう朝になるのかと
恐る恐る朝陽が空の色を変えて
変わらないものなんてないのだろうかと
独りもの思いに ....
荷造りの終わった窓際
目に留まる
私に泣いた朝鳥が飛ぶ
どんなに美しくても
自殺は自殺
どんなに理由があっても
他殺は他殺
死んだらおしまい
誕生日
クリスマス
結婚記念日
何かとお金がかかるけれど
贈り物をするには便利でいい
イベントがそのまま口実になる
アンティークのレスポール
ゴールデンレトリバー
....
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水底に力つき
沈んでいるそれは
たった一人で
この大きな川を遡って来た
独り流れに逆らい
早瀬をむりやり腹で押し渡り
波のうねりを越えて
....
今日は雨
誰もいない
ひとりの時間
お茶を
飲みながら
ちょっとひと息
ひとりで
いるのだから
こんな時は
音楽を聴くのも
いいよね
雨の日の午後
今はひとりの
....
踏み出す街並み。
飲み込む雑踏。
あの頃は あなたがいた。
今は、
持て余した右手を握り締めて
あなたと歩いた道を、
ひとり。
今日も変わらない世界に乾杯。 ....
与えられても与えられても
子は愛情に飢えている
与えても与えても
母親の愛情は湧き出るもの
僕が小さかった頃
全ての愛情を飲み干す事は出来ませんでした
その殆どを床に捨てていました
....
世間の愚痴を語りあう
ミートパイとドライを飲みながら
連れはギネスでチップスを
つまむ つまむ
上司を愚痴って 仲間に駄目出しして
自分の役割を並べ立てて
そうだよ ....
西日で赤く染まる部屋
山積みになった段ボール
いつまでも整理できない気持ちを
そのまま比喩しているみたい
壁紙だけは張り替えた
凹みも汚れもすべて塞いだ
傷の場所を覚えてい ....
コロコロと転がっていく
ずっとそれを眺めていた
問題なんて何もないよと
誰も口にはしなかった
そっと壊さないように
優しく拾い上げてくれたのは
伝えたい言葉をなくして
探している人だ ....
都会の夜を漂流する
それもまた
旅
いつもは嫌いな人の群れが
なんだか
心地良い
行きつけのバーで
バーテンドレスさんと
世間話をする
彼女は
話し上手で聞き上 ....
案内してあげるよ!
火山でも深海でも
君が行きたいと思う場所なら
どこまでもナビゲートするよ!
さぁ、どこへ行きたい?
えっ、どこでもいい?
つまり ....
{画像=110719004209.jpg}
ヒュール ルルーと
消防車が喜びの声を上げ
夜の町を躁(はしゃ)ぎ回る。
初夏の夜は
不思議に透明で、
サイレンは色硝子の曇りのよう ....
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