形あるものは消失し
形ないものだけが
取り残されたなら
宇宙はきっと
形ないものが
どうにか形になろうと
互いにぶつかり、削りあい
溶けだし、流れ
星々が生まれる前の
電子音 ....
ずいぶんと歩いていた
ぼんやりとそれだけはわかる
ふくらはぎの痛みの感覚は通り越して
いつか読んだ本の陳腐なストーリーのセリフみたいに
「それでも行きたい先がある限り歩くんだ」 ....
最後のキスは
最高のキスだった
それ以上は
求められないね
心はもう
すれ違ってしまってる
君の部屋に置いてた
部屋着とかと一緒に
使いかけの
ゴムを
持ち帰る寂しさ
もう二度と
君と求め合え ....
結婚祝いの掛け時計
箱の中で眠ってた
曲がった針のその横で
若い妻と僕とが笑ってた
今は時を刻まぬ時計でも
思い出一杯刻んでる
僕は写真を取り出して
出窓に置いて眺めてた
....
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想いを繋ぐのはいつも
言葉だった。
小学生の時、
友達と口げんかをしても
さよならは忘れなかった。
またね、と別れると、
次の日はまた ....
空が高い
空が溢れそうなほど膨らんでいる
今日の地球は いつもより ひとまわり大きい
白い跡をつけながら
西から東へ飛行機
ただ青い中を
東から西へ滑る 白い翼もあって ....
コーヒーにつけて
食べると最高
いくらでも食べられる。
冬季限定と言う。
こごえた体を
温めてくれる。
気持ちを楽しくしてくれる。
会話が弾む
三日月に枕を置いて
ウトウトウ ....
詩が生まれないこと
満腹な証し
なにもいらない
なにももとめない
言葉は
ことばであればいい
深みもなく
潤いもなく
その場限りの
ものでいい
詩はないほうがいい
幸せなもの ....
そうだ、中三のとき
愛について、いつも考えていた
こころの灯、なんて題名つけて
愛について、ノートまでつけていた
母が死んで整理していたら
耕太郎関係、って書いた段ボール ....
力強い字を書く
腹に力を入れ
無の境地
伝える
力まずゆったりと
丁寧に
心を込めて
思いを乗せて
力の限り
集中する
力の限り
願いを込める。
理想は鳥
極彩色の花
落ちない泥
声とはモザイクかかった顔のようなもので
空腹という覚醒がすでに
降り始めた雨の色で
襲いかかる憎しみ
終わったリバー
覗き込むブルーのハートで
第三 ....
病院で診てもらったら
うどんこ病にかかっていました
お医者さんは
専門じゃないので、と言って
生花店の名刺をくれました
お店のひとは
ぬれた脱脂綿で
手のひらを優しくぬぐって ....
出来損ないの玩具でも
誰かに拾われて
笑顔にしてあげられたら
それだけで幸せだった
その後忘れ去られて
雨に曝されたとしても
あの一瞬の幸福を
思い出して壊れてゆける
軋む音 ....
入園して夢の国に来た
金払って夢の国に来た
千葉に夢の国があった
東京ディズニーランドへようこそ。
臆病な僕は、夢の国の愉快な仲間達から逃げてしまう。
彼らは
おどけた仕草 ....
いのち
ちいさな
いのちが
受け継がれていく
まぶしい朝日
小鳥のさえずりが
まだ眠っているカラダに
呼びかける
食卓につき
そっと目を閉じると
広がる世界 ....
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飛べ 飛べ
おれよ 飛べ
まっしぐらに 飛べ
何も考えずに 飛べ
踏み切って 滞空する時間に
脳裏をめぐる 想いは
展開の素早さに ....
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夏風邪に
鄙(ヒナ)びし夢みる心地する
見上ぐる天井に思い出あり
傷つく時
人は陰口を言う
傷つく時
人は反論する
弱い犬は吠える
代替案も持たずに
自分は正しい
自分は標準人と思う
標準が正しいものではない
特殊でも正しい事もある
記憶 ....
毎日が閉じ込められて過ぎて行くので
こんな時は元気のいい男の子にあこがれるものです
彼のポケットに入って
やぶけた穴から外を見てみたい
木登りやブランコ、くさっぱらに寝転がって
空を眺め ....
最後に見た夜空の星は
100光年の彼方からの100年前の光だ
それを見ながら僕は
緑色に濁った冷たい泥沼に沈んでいく
永遠と瞬間の狭間で息をして
一瞬の間に100年分 ....
飛び出してしまいたい
絶望の淵
暗い部屋
僕の部屋
声が聞きたい
幸せの音
光の彼方
最果てのロバ
雷鳴が聞こえる
僕の心は
この程 ....
I君は言った
貴方の右目は本当だが
左の目は嘘をついている
I君 君は正しい
私が語ったことは
心底そう思っていることで
私が喋ったことは
受け売りだった
....
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
母のわだち
面影は
追いこす光
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
黄色のひまわり
青い空
白い雲
桃色のそよ風
赤い日ざし
白いシャワー
橙のノウゼンカズラ
紫のキキョウ
白い空間
黄色い時計
青い血汐
赤い祭り
誰もいない
冬の海辺に
かもめが
飛んでる
えさを
必死で
さがしているよ
かもめが
休んでいる
みんなで
羽根を
休ませてるよ
なにかを
思い出したかのよう ....
天才だって
長生きしなくちゃ駄目だ
かまち 貴方に会いに
高崎までやって来ました
貴方が残した
数々の悩み 苦しみ
そして 希望を見つめ
私は息を飲みました
かまち 貴 ....
夜中にテレビを
消音にして見ていると
隣室から
パチッ。
という何かのスイッチの
音が聞こえた
5分後
バラエティ番組を映す
テレビ画面の上部に
速報がながれた
ひとり死ん ....
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掴まり立ちする息子を支え、
私に振り向く妻の肩先に思い出す情景がある。
思い出すとあの日私は
父親の傲慢な仕打ちに猛然と腹が立ち、
押し入 ....
たて!
と言われた
たて!
とキーボードが言った
縦のことかな
何が縦なんだろう
もしかしたら
立て!
かもしれない
ほら
パソコンばかりいじって ないで
立て!
立てよ!
そうだ
....
眠れない夜
詩が書きたくなった
誰かに伝えたいわけじゃない
誰かに存在を知って欲しくなった
S・O・S
愛だの世界だの大口叩いてはみたけれど
正体はただの寂しがりやなんです
....
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