すべてのおすすめ
ぼくには子供がいない
そのことは太陽のようなことなのだ
ぼくには子供がいない
そのことは月のようなことなのだ
ぼくは一個のDNA ....
90%知りたい
だけどそれはやめておく
死ぬのはいくつの歳か
それを聞きたいけど
聞かないことにする
と、57歳のおじさんが言った
ぼくの座る
駅前の公園のベンチの前 ....
カーテンレールを外れた布が
窓枠で首を吊っている
身動きもしない
六畳に寝かされた
汗ばんだシーツの皺
墜落した蚊
赤い斑点
タールに濡れた壁
照り返し象牙色
のなかに陰 ....
梳き櫛の息の根をわたし止めて
泣く姿、の、無音部分
を拭った指、の
薄命部分、月に透かせば
血潮は青ざめるばかりで
発光もせず
黒髪、の
窒息密度で、黙ったままの ....
あいまい【曖昧】(形動)
ディティールはベールに隠す、たしなみ
真実は自分でもわかっていないことが美徳
いま【今】(名)
常に最優先させる感情の所在
....
写真を撮ってくださいとお頼みしたかもしれません。いつのことかは忘れたけれど。忘れないうちに忘れてないことを語っておきます。戦争があったのは三年前で、街はぼろぼろになりました。その頃に犬を買って、お金 ....
家の真ん中に ドードーの巣があるのです
絶滅させた張本人として歴史書に残りたくないので
バスルームには大きく迂回しなければなりません
慣れないうちは何度も卵を踏み潰しそうになりました
彼ら ....
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音
聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
{引用=詩集『カエルトコ』より ;7}
●エデンのリンゴ(イヴ)
それは知恵の実でした
女は今を楽しむことに加えて
明日の楽しみのために我慢することを知りました
けれど傷の痛みに泣き喚く ....
ラオウ「おまえの力はそんな程度か」
ケンシロウ「うふっ」と言いながら体が崩れる
(効果音)ちろりりーろーろー
画面には終わりと表示される。
しかし!
(リンが叫ぶ)ケーン
ケンシロウ「う ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
三日月の夜に
ひんやりと矜持を研ぐ奴がいる。
これまでに何十人もの肉を削いできた
彼のただ一つのアイテムは
哀願と絶叫によって切れ味を増し
涙と血によって絶対に近づく。
彼は切り裂 ....
県立文化会館の大ホール!大ホール!大ホール!と
すっかりはしゃぎ過ぎてしまったのです
誰かサイダーを持って来てください
僕は観客席で日めくりカレンダーをめくり続けています
県立文化会館 ....
あざが4つと
擦り傷が一つ
引いて3
誰かがあたしのトイレを見て
3言くらいコメントをする
なのにひとつも
思い出せない
そんなことが
短い期間に
2度繰り返されて
引いて1
額 ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
松井のバットが鋭い弧を描き完璧にとらえた真ん中高めストレート
力強くどこまでも飛んでいく青い青い雲ひとつない空
見上げる僕等は有象無象の歓声の渦僕はその点景
ボールの赤い縫い目は僕等の夢白地につ ....
俺たちは隣人の名前を知らない
だとすると現代詩や現代アートや現代絵画やつまり週刊現代の現代とは一体どんな現代なのか?
21世紀の現実とは?
大の大人にビジョンは?
生活が大事だというのなら鳥も ....
1
縁側につるされた風鈴を
さやかに押すその御手
彼らは海峡をこえてゆく海鳥の
滑空する翼の先端に生まれ
たたみで昼寝をする私の
ほほをなでて死ぬ
2
二人 ....
曼陀羅寺へは湖沼の脇のあぜ道を
通って行かねばならない 丈の低
い湿原植物の群生が道を覆い隠す
ように拡がっている 湖沼にはぼ
んやりと霧が立ちこめ向こう岸は
見えない 風はなく水面はほとん ....
しゃぼん玉が生まれた時
たくさんの仲間がまわりにあふれていた
陽の光はまぶしく
見るものすべてが新鮮だった
子供たちの手が伸びてきて
仲間のいくつかがぱちんと弾けた
悲しかったけれど
....
シャッフルして上海された。ぼくらはアスファルトに寝そべったままの、夏の夜なのです。気がつくと彼は東京されていて、ぼくらはそんな近視で眺めるいつものぼやけた月を「冗談だろ?」と問い詰めたりしている。しり ....
女の子とはかわいいものだ
かわいがれるうちには可愛がりたい
手に負えなくなったら
秋葉原に行くか、
ひきこもるか、
戦争をおっぱじめるか
目が笑ってない場合どうすればいいのか
東 ....
私はまだ一度も夢を見たことがない。
いや正確には見ているのかもしれないが憶えていないのだ。何かを見たかもしれないという程度の感覚も一度も味わったことがない。学童になり友人達が夢の話をするのを聞く ....
その人がやってくるのは
ほんの少し
光のかけらをわけてくれた
下弦の月の白い顔が
空に溶け込んでいく時刻です
おやすみなさい
お月様
インクびんのふたを閉めて
閉じ込めたのは月 ....
年がら年中ことばを弄ぶには
シャツの数が足りない
きみだってそのはちみつ味のキャンディで
うちくだきたい距離があるんだろう
不健康そうなエンジンのおとを聞きながら
注意深くみちばたの草を ....
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
一.永劫回帰
今日の星空はとってもきれい
おまえのところも晴れていたら見上げてみろよ
カシオペアやプレアデスが頭上でふるふる震えている
白鳥座の十字架は西の空に沈んで行こうとしている
も ....
声援がやかましい
メガホンがウザイ
俺は優雅に情緒溢れる縁側なんかで夏の風に揺れながら
絶妙なタッチと調律で音を奏でて
たいんだけど
花火って暑いのにさらに燃やしてるじゃん何 ....
一人の命は地球よりも重いのです
ましてやそれが三つもあるのに
地球は一個しかありませんよ
命だけは助けてくださいと
あやまりなさい
お願いなさい
土下座もなさい
裸踊りもなさい
....
赤ed空がBuildingの角飲み込む刻限
擦弦の音慈式音中をFlowするその眼に映った街路樹群像脇
半壊したDustBoxを奪風が射抜く
普遍で在り得る感傷を半ば形式的に参照せしむ風景では有る ....
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