イカロス・モンゴルフィエ・ライト
クリ


 (おはよう朝帰りの魔女が音を立てずに箒を立て掛ける)


昨日の名残は夜行列車でとっくに旅立った
無人駅のサルビアとソーダファウンテンの間には
寝相の悪いちっちゃな神 寝過ごした金星


 (おはよう不在の宿主の貼り紙が明けかけの陽にこがねいろに染まる)


みんなが起きてくるほんの1時間前に
燃えださずに転がっていた火を 僕は拾って
今まで少しずつためてきた空気を 暖めた


 (おはようおやすみ君を起こさないように気球で行きます)


ガスバーナーと砂袋と偏西風 僕を
蝋が溶けないうちに異国へ 僕を
大地の縁にひっかかっているブーメラン

 
笠間駿介さんがいなければこの詩は出来ませんでした


                Kuri, Kipple : 2004.07.08


自由詩 イカロス・モンゴルフィエ・ライト Copyright クリ 2004-07-08 19:21:13
notebook Home 戻る