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しゃあないこと
いうても な しかたない こっちゃ けど な わしにも いわして な
てんのじにな まあながいこと な くらしとる というか ほれ あれや あれ  ....
                   ソンナコ ト アッタ?
                       −− 入沢康夫

きょう外へ出かけたら
道でばったり十数年ぶりで
なつかしい人に会 ....
あけられぬ いえのまどには うつうつと えのぐなすられ おびえたかおが
かなしみの きえるせつなに くるものは けされることを こばむだろうか
ささのはの しゅるしゅるとなり すずめらは せまき ....
てだこ、大ぬしは飛ぶ

てだ、いちろくが、
てだ、はちろくが、

日夜
苦しそうにマフラーを
まいてるカップルたち
こんなすがすがしい愛はない
うどんのようにスルスルと伸びて
熱い ....
逃げ道なら塞がれちゃった
からさ
ここぞとばかりに
挙式をセルフ・プロデュース
するしかないんじゃあないか
と思う訳ね
だって葬式じゃ嫌でしょう
どうせなら挙式やろうよ
流行りの地味婚 ....
正雄さんは 今日はいらっしゃるのかしら

律儀に今朝も 同じ時間に
サクさんは 二階の詰所にやってきて
繰り返し そう 尋ねる

わたし 頭がおかしいから 心配なんです
杖の先を遊ば ....
揺れている――
火が、無人の家に続く砂利道のそこここで、
揺れている、原野の風の行き来にあわせて
揺れている、枯れかけた草の群れが、
火が跳びはねて渦巻く、
日没前の世界に


揺れて ....
 1
電球頭とオルゲン 下弦の夜に光る雨陰
0朱-音霊韻に道化るアルゴン時計は
針ニ非ズのラマーズ刻みのマルス避け
星がお留守の空に電球頭が
全ての(オール)銃(ガン)を撃ち込んだ、銃声!
 ....
ガラス玉の中で夜が
凍ったみたいに動かない
だからここには何も来ない
昼も夕方も往ってしまって
世界がポツリと佇んでいる

私は夜を握ったまんま
電車に乗ってひとり
闊歩している
こ ....
ひらひらと
一年の想い出を
ひっさげて
木の葉は空へと
舞ってゆく

どこかの星へ
報告をしに
スラリと、女の美人2人も
連れている若い奴
頭を臼ですり潰す
頭がないまま座ってる
一番の美人を床に突き倒し
足で踏み潰す
肉団子になり死んだ
肉はみんなで ....
夜のレモン。
堤防の上で君と、レモンと

夜のレモン。
夜のレモンを齧る、少し寒くなってきた。

夜のレモン、なぜこんなにも、ごつごつと、緑色で、
死体のまぶたのような、ぶ厚い皮でおおわ ....
あなたからLCVEというものをもらった
なんですか
ときくと
かけちゃった
とあなたはにがわらいした

よくみるとそれはLOVEのOがかけているものだった
どおりであなたがさいきんかえり ....
   (演歌でも歌いたくなるときがある
   淋しい夕暮れ
   帰り支度に遅れて
   ひとりぽつねんととり残されて
   あんなに人がいたのに
   もうみんな帰ってしまった
    ....
   泡沫のように
   一瞬にして
   消えていった
   ファイル
   失ったものの
   奇妙な果実
   長い文字列だった
   戻ってくれ
   戻ってくれ
  ....
プリーズ Mr.ポストメン
運んでよ
春風みたいに
やさしいニュース

遠い北の牧場で
牛の奇病を看破した
若い獣医が命を絶った
彼女を
殺したのは 誰?

自分よりか弱きものが ....
  


   さみしくないなんて人はいない
   哺乳類人類なら知っている
   口に出していわないだけだ
   言ったって仕方ない どうにもならない
   人類は壊れた機械のようにさ ....
*
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける

小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
詩を書くのをやめて
そのまま後ろに倒れて
ねむっている
子猫によっかかって
逃げられたらシーツ、君と話す。
きみと、
シーツ、きみお化けみたいになってぼくについてこい
そうしてぼくが振り ....
  


  モウレツな猿が異星人のように
  人間社会にもぐりこんでいる
  そうしてわれわれの情報を盗み取っている
  もう体毛は退化しほとんど人間と変わりない
  モウレツな猿は早 ....
  

  薔薇
    ガラス
       ライナーマリア・リルケ
  薔薇の芽に刺されて死んでいった 破傷風の血
       詩人はなぜうかつだったのか
       {ルビ薔薇 ....
手鏡を持つと みんな照らしてしまう
その柵の際から
聞き取りやすい匂いで 呼びかけた
蘇生術の手ほどき

邪魔くさい枠をどけて
もっと 回そうとした目が少しだけ
後は みんな吹き飛んだ流 ....
テストです。すぐ削除します。
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┏━┓┃┃┗━┛┏━┓┃┃┗ ....
たったったっ と少年が
往来を小走りに行く

戦争が はじまるかもしれない ので
外国人が 多い

声をかければ 靴を磨かせてくれる
稼ぎ時だ

記者だという男などは しきり ....
母国語を持たない人々の
差し出す別のコトバが
手渡されたそのとき
息吹の記憶をよみがえして
ひとときある音色をなす。
くちびるを

ささやきが 漏れでると

くちびるを

漏れでた ささやきは

ちょうどその時 部屋にある

オレンジ色の ひかりになる

それから 部屋の空気を

豊かにし ....
大通公園に連れ立って出かければ
君も 僕も みんな声優になれる
リボンで垂らした乳母車がグルグル巻きついて
なんて素敵な笑顔
木彫りの人形は 空を突き抜けそう

自分と同じ顔をした人達を揃 ....
廃墟に紅葉が溜まっている、捨てられてもう何年がたつのだろう。窓も壁も風雨にさらされて、朽ち果てている。草も枯れかかって、陽を浴びている。兎も、狐も、狸も、熊も、ここを宿にしたに違いない。獣の匂いがする .... a)

足りない
右の手


本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま


b)

たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
 冬はまだ続いている。海からの光で、部屋は青に包まれている。神話の本を繰り返し読んだ。岬には女の顔をした鳥、ハーピーがいるという。元は風の精ともいわれている。そのハーピーが舞う岬から、水平線の彼方を見 ....
佐々宝砂さんの自由詩おすすめリスト(596)
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