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あら、困ったわ
が口癖の君が困った様子なんて
今まで見たことがない
あら、困ったわ
なんて言いながらも
トントントンッとまな板の上で大根を切ったり
ザッピングをし続けた挙句の果ては ....
俺の周りにはいつも飴屋がいた
あまい飴
にがい飴
からい飴
すっぱい飴
そいつはいつも
感情なんて面倒なものだと言わんばかりに無表情な顔で
飴を入れた桶を二つ肩にしょい
金魚売りの要領 ....
真夜中のこれからが
俺の時間
なにをやって遊ぼうか
どんなことしても
眠れない不安は
解消されない
あなたの
指で
俺の瞼を閉じてくれ
父より母よ ....
傘の隙間から覗き込んでみると
まだまだ空は真っ白で
そこだけは変わらないでいてくれるから
いつまでも届くような気分になる
辺り一面に響いた雨音を
傘の裏側で受け止めながら
跳ねる地面の ....
僕の心は海へ流れ 魚がくわえ
あの人が住んでる岸へと流れていく
その魚を 漁師が釣って
あの人の家の近くのスーパーへ行く
大切に大切に包まれた 僕の想いは
あの人の家族が ....
ひとつの恋やひとつの季節や
その移り変わりのたびに
ひとつのうたをうたう
あなたのうたは
あなたの心を解放してくれますか
それとも
縛り付けられたままですか
その合間 ....
「 ひとりで寝るのは
寝るのじゃないよ
まくら抱えて
横に立つ。」
生きていた時
おやじが謡った
都都逸だ。
習い性になって
毎夜長い枕を抱えて
眠りに就く。
....
君の人生を色にたとえたら
何色
僕は何気なく聞いた
君は
オレンジ色って笑って言ったね
君らしい答えで
君らしい笑顔だったよ
バラ色ってほど
いいことば ....
103号棟アパートの階段を
屋上までのぼる
隠していた鍵でドアを開けると
海からの強い風が
征圧的に音をたてている
絶好の傘日和だ
家並みを見渡すと
陽射しが白く包み込んでいる
....
方程式
ほう、停止。機。
萩原朔太郎
剥ぎ、藁、裂く、多、聾。
蜘蛛
苦、も。
タイ国
他意、濃く。
上着
有、和議。
小渕内閣
を、ぶちな、威嚇。
....
精神
背、威信。
魂
弾、恣意。
江藤淳自殺
干支を、順次、察。
アメリカ的
飴。理科。敵。
二十世紀末
二重、性器、待つ。
影響
絵、異郷。
講演 ....
ふんわりした夕焼けの雲に抱かれる
お日様のいいにおいするよ
晴れた日に干したお布団みたいに
ふかふか
オレンジ色に染まる
手をつないだ影も笑顔も
胸がこんなに苦しいのは
あの日の楽しい思 ....
窓をあける
蠍座がみえる
もうそんな季節なのだ
夜明けまえ小さな田舎の駅にも明かりは点り
どこかからきてどこかにゆく青い電車が
轟音を引きずってゆく
さよならを言うまでもなかった別れ
....
愛する人
僕が君の何だろうなんて
もう聞かないよ
思ったより
色が白くて
胸が大きかった
今
僕の腕の中で眠っている
それで僕は何もいらない
愛す ....
I 暗い、底から視た喜劇
-至端しき外気
It's見上げた敗走兵の回。
音も無い
そんな雨に出会って
そんな中に
佇んで
包まれて
張り付いた前髪から跳ねる雫も
もう遠くの出来事のようで
霞んでいく風景に
この道はどこへ行くのかと
この私 ....
ぼんやり 新聞コラム 眺めてたら
女は 存在 男は 現象
つまり 全ての基本は女 だから
はじめに女ありき との文章
これはもう 現代常識である
聖書の記述は 間違えたのだ
好きに ....
膨らんだ感情を幾つかの言葉で編んだ檻に閉じ込める
とげとげがちくちくと胸を刺す
けれど気にしない
普段言えない部分も真っ白な世界では
無理出来ないから
荒れてとても痛い言葉を読み手にぶつける ....
くるしくて
くるしくて
もりのおくのいずみに
とうとうかなわなかった
ゆめをすてた
すると
はもんのまんなかから
きみょうなろうじんがあらわれて
あなたがおとしたのは
このわたし ....
絆ってものが
本当にあるのなら
目に見えればいいと
俺は思う
結ばれているのを
確認したいぜ
でも やっぱり
目に見えないほうがいいと
俺は思う
....
振り向いた先が
届かない思い出だったなら
胸に少しの痛みを
感じることでしょう
昔のノートを整理していると
ページに挟まってあなたがいました
ピントの合っていないぼやけた横顔でも
....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ
おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる
おつきさんのはっぱ
やわっこくって
....
俺の部屋は
足の踏み場もないくらい
散らかってるけど
本当は何にもない
会話も無く
微笑みも無い
ここで過ごすようになってから
俺は
少しずつ
石 ....
帰りのバスに揺られている
一泊二日は早かった
対向車が十秒に一度 町の景色を遮る
後ろへ後ろへ流れ去ってゆく
卒業旅行はあと三時間で終わる
みんなの記憶装置の中で
まとめの作業が開 ....
君は僕無しでも生きられるかもしんない。
僕も君無しでも生きられるかもしんない。
でもね
君は君無しでは生きられないし
僕も僕無しではいきられない。
君の君には、僕がいた時間が含まれていて
....
時間が
外から来る光を
横になりながら見つめている
花は雪
雪は花
晴れた日
道は海へつづく
ずっと空のままでいる川
とどろきの向かうほうへ
雪は昇り
落 ....
アゲハは真上に飛び立つ。
目的があるみたいに
だけど少しも慌てず鷹揚に
まっすぐに。
あかるい春の日
かわいた地面に
ゆらゆらと落ちている
アゲハの影。
高く舞い上がれば
薄 ....
君は覚えているだろうか
2人でピアスの穴を開けたこと
2人だから痛くなかった
君は
右耳が太陽で
左耳が三日月のピアスが好きだった
いつもあればかりしてたね
....
トイレの便器に座って下着を下ろす
この普通の行為によって導きだされるのはそう、排泄物だ
食事中の方失礼
力んだところで出るものは出ず
変わりに長く細長いものがにゅるにゅると飛び出した
....
琥珀色したウイスキーの様に詩をねかします
夜寝る前のぼんやりとした頭の中に
色んな香りや味がする言葉を放り投げて
樽の代わりに夢の中で
自分でも思いつかない言葉が時折
隠し味とし ....
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