すべてのおすすめ
俺があなたに惹かれたのに
訳なんて無いさ
あなたは
そっと
俺の背中を押してくれた
その時
俺が羽ばたくことが出来れば
こんなに辛くなかった
あなたも俺 ....
「きらい」という ことばを
口に出せるようになって
恋愛が とても 上手になった
「すき」という ことばを
口に出せなくなって
恋をするのが 下手になった
きちんと
切符を買って
改札に通したのに
ブザーが鳴った
若い駅員さんが
とんできた
ああ、この切符では
電車には乗れませんね
そう呟いたかと思うと
私に有無を言わせる間 ....
夜になろうとしている
駅と小田急線
歩いて歩いて
一体ここはどこ
線路が遠くに見える
でも見える程度には近い
もっと離れたいけど
離れたらもとの場所に
戻れそうもない
知らな ....
潜り抜ける毎日です
ぎりぎりの所で飛び越えて
ときどき足を踏み外す
そんな時間の流れなので
僕らは包帯代わりに
ほんの少しの嘘で武装して
身をかがめて
ぶつからないように歩くので ....
風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる
星々がさわさわ震えている
明滅する交通誘導棒を持ち ....
屋根瓦に置かれた夕刻の重みで
玄関を飛び出したまま私は戻りません
西空の 夜にかけての諦めが
すべて諦め終わった証拠
としての 暗い打撲跡の広がり
そして癖になったそ ....
今すれ違った 人
もう会うことは無いと思うと
すべて愛しい
とっておいた宝物
過ぎればただのガラクタなのに
どうしても捨てられない
....
僕が
自分のやりたいことすら
決めかねていたころ
もうどうなってもよかった
幾度もの朝が訪れ
僕の閉ざされた心が
ひび割れていった
夜と朝の狭間で
小鳥の声が聞こえてきた
....
顔が埋めこまれるような パック
洗い流して・・・
化粧水 ぱちゃぱちゃ。
「充分、きれいな肌じゃないか。」
そう なげかけた言葉も
乳液ぷちゃぷちゃに つぶされ
「おい、 ....
月曜日 自転車をぬるま湯につけて
春の風を茹でる
申し訳ないのは
カラスの居場所がわかること
その電線を切って
市民プールにつなごう
火曜日 性 ....
温泉の
小さな露天風呂は
微かに
排ガスの
匂いがした
生垣で囲まれた
小さな屋上で
年の離れた男と
星空を見上げる
そっと
からだを合わせたら
温まる
ほどける
....
北斗七星を みあげて
ひとつたりない、と
君は必死さ
かわらないものも あるのかもしれない
とてもいい天気だったので
カーテンを洗濯した
お風呂場で格闘して
庭の物干し竿に広げて
やっと一段落ついた
お茶を入れると
どっと疲れが押し寄せた
窓はこんなに大きかったっけ
昼間 ....
小さな傘だけど
お前ひとりくらい入れるぜ
俺は
何も話さないかもしれない
俺は
前しか見ていないかもしれない
でも
お前を濡らさないようにする
持ってな ....
リバーサイドは
駆け抜ける5歳児の髪にからまる花吹雪です
遠くを
視線が地平に出し抜けてカーブする先を
指折り数えている ものおもいする午後は
集合が いつか知ったことのように繰り返 ....
コンクリートに
さりげなく咲く
たんぽぽ
それを見ると
不思議と
幸せな気分になる
土のない
コンクリートに落ちた種が
一生懸命に咲いている
それが
なんだか私に
お ....
悲しかったことも
苦しかったことも
忘却の彼方だ
今では もう
デパートの屋上から 夕陽を見ても
電車の窓から あの坂道を眺めても
涙も でない
大切なものに 出逢えたこ ....
このレールの上を
たどっていけば
きっと キミにたどりつくのだろう
レールは まっすぐだろうか
さよなら国は
朝でも 夜でも
「さよなら」とあいさつします。
みんな みんな
笑顔で「さよなら」をかわします。
時には おじぎまで
時には なみだまで
ボクがいる ....
夜に逢うと、ゾクゾクした
わたしのくるまに彼を乗せ、
どこまでも走った
くらいくらい道を
誰もいないところに行きたくて
ふたりになりたくて
そしたら、山の中にいて
見渡 ....
きみの涙は
ぽろぽろこぼれて
真珠になった
ダイヤモンドみたいに輝かないし
エメラルドみたいに色鮮やかじゃないけど
とても
きれいだ
きみにとっては
良 ....
友人の部屋の隅っこに
ネジが一本転がっているので。
「このネジ何?」
「どうやら俺のものらしい」
拾い上げて見ると確かに友人の名前が書いてある
「そりゃそうだろう、お前の部屋に落ちて ....
唐突に
襲い来る淋しさ。
全身
悪寒に震え
奈落の底へ
足元から崩れ
途徹もない空虚。
この感覚
何もかも
空しい。
欲望が消え
世界が消え
立ちすくむ。
....
けっこっけっこう
けっこうです
タチツテタの滑り台を降りると
コテムシトタの小山にジャンプ
ケッタッケッタ
長靴にたっぷり水を飲ませろ
こってっこって
おさげ髪のブランコに
しゃぼんを ....
洗車場の男は
愛する女の血で満たした
白いバケツを
廃車寸前の車に
ぶちまける
身体の中にあるときは
女にとって
機能不全だった血は
吐き出されて
....
本に挟まれた妖精がキイキイ鳴いて
目が覚めたら夜中の二時だった
丑三つ時に出るなんて妖精も日本のお化けと同じね
笑ってやったら小指噛まれた
本でぎゅーってしてやったらまたキイキイ鳴いた
気が ....
昭和生まれの私の肩を
平成の雨が容赦なく打つ
汚れや痛みは流されず
ただ剥き出しの私だけがここにいる
昭和という時代の終わりを
私は祖母の墓参りの帰り道
高速道路の車の中で聞いた
ま ....
ごめんなさいが
素直に 言いたい
自分を取り繕う為ではなく
怒りを上手く かわす為ではなく
本当の ごめんなさいが
素直に言えるように
なりたい
傷ついた
自分の心を 知ってい ....
俺は写真でしか
見たことないけど
白い彼岸花
お前は
なぜ白い
赤い血を流すのが悲しいのか
赤い血に染まるのが苦しいのか
赤い彼岸花に
いじめられないか ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14