すべてのおすすめ
いつだってただ生きるためだけに眼をこらしているけれど
たしかにあの頃はそうして寝転んだまま泣いてさえいたら
おいしい物だとかやわらかい声だとかあたたかい手だとか
そういうものはいつもかたわらにあ ....
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす
と
コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、 ....
過ぎにし過去の遺跡に
今なお残る傷アト
乾いた土に花なく
石の平野が続くばかり
月揺れる鏡
星が流れて
運命をつむぐ
命の音こだます
見上げた空は変わらず
消えない虹を渡って ....
どうしたんだろう
今夜はひとりがさびしい
よくわからないけど
鍋焼きうどんでも作ってみようかな
彼とは別れちゃったし
次の合コンは新年明けてから
友達は彼と一緒みたい
やっぱりうらやまし ....
街灯が揺れてるのだと思った
空音交じりに
現像が遅れているのだと思った
焦がれの情景に
静まり返る夜更けの頬をやっと
支える両手のひらには
掴み出せない塊に
揺らされいる ....
十七時の鐘の音は凍え
涙声にもよく似て
僕は此処に
居たたまれなくなる
そして
此処ではない場所へと
小走りで急ぎ出す僕の
おでこに
何も無い様にしか見えない宙に
飛 ....
今朝
ヘアーとニックがケンカした
今日
僕の髪がボサボサなのは
そのせいです
破りとって
消えないという事に
みつけない
さらわれて
くず にした さっき
ぬるくなった キィ
叩き付けたいのに
整った 配列 に
とりもどして しまう
ひとみ ....
ぼくの投げた、ダーツ
海沿いカーブで 急ブレーキ
壁に貼られた
ロックスターのポスターに
ささって
ぼくの投げた、ダーツ
あそこは風が通るから
早く起こさないと、って
ロックス ....
ねえ、
こんなふうに光る
赤信号の交差点でも
きみは
遠い場所へはせるの
さっきまで
胸をかげらせていたニュースも
アドバルーンの空気といっしょに
ぷすぷすと
消えてしまった
....
冬空の始まりは
少し疲れた
白い横顔
鳥にも雲にも光にも
他人行儀なそぶりで
けれど其処には
秋の最後の雨と
昇ったいくらかの
私も居るのだろう
その頬はふいと
....
私は大丈夫をいくつ届けたのだろう
透明な彼女は
今にも白い光の中 消えゆきそうだったのだ
”四六時中”は彼女のそばにあるけれど
重い闇だったと泣いていた
透明な手足をうんと伸ばして 世界 ....
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で
洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
要るもの、
要らないもの、
要るもの、
要らないもの、
ねぇ
そこの、おにいさん
要らないものを別の誰かが
要るもの、
要らないもの、
要るもの、
要らないもの、
ね ....
星砂の夕べ
ファクスからでてきた
きみが
あんまりうすっぺらで
それはそれは
過日の約束ほどに
ぺらぺらだったので
ぼくは
受信エラー。
とだけ 書いて
南の窓から ....
わたしがいたら
あなたは
うれしいのかな
よくわからない
わたしはあなたがいると
さみしいの
鳴らされる時刻に
数え切れない まま
返らない
ちたり にたり
輝きに かぶさる
すりあわせた 足
なぞるものが
なぞれない 体に
さされ
乾いていく
血
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
雨に濡れて生きたいと思い
散る花をみて死にたいと思い
雨に濡れて死にたいと思い
散る花をみて生きたいと思い
海をみて死にたいと思い
海をみて生きたいと思い
結局 ....
昨日も眠れなかったよ
ちゃんと薬飲んでるのに
何でだ
俺の体に
薬が慣れ親しんでいるんだ
俺の体が
薬に乗っ取られる前に
お前の腕で
その腕 ....
あれから
どれくらいの時が過ぎたのかなんて
思い出せないけれど
わたしは夜の11時頃
仕事帰りにひとりで
国道4号線沿いの
びっくりドンキーで
ハンバーグディッシュを食べていて
つい
....
こうやって、ね
もちあげたら
そうしたら、ね
おっこちてきたんだよ
ぽた、ぽた、
って
おっこちてきたんだよ
ぼくが
うちゅう、みたいな
まっくらで
つめたいところ、
り ....
たったったっ と少年が
往来を小走りに行く
戦争が はじまるかもしれない ので
外国人が 多い
声をかければ 靴を磨かせてくれる
稼ぎ時だ
記者だという男などは しきり ....
形のない
おくりものを探しに
秋の夜長
旅に出よう
月光がかった
道なき道を
ほら
きょうは もう
ひ がおちる ね
と いいながら
遊歩道ぞいの木々は
うでいっぱいの
はっぱ を
するするとみまわし
だれが いちばん
きいろいか
えらぶのに
いそ ....
あの日
しゃがんで拾った貝殻は
引き戸の奥
ひしめきあいながら
眠っている。
波に濡らしてしまった、
と泣いた
スカートのすそで
今なお
夕暮れは踊る
あの日
目の前を ....
真っ暗な中に
いたら
わたしも
真っ暗になれるかな
わたしは真っ暗が見たい
わたしは真っ暗になりたい
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
ふるい舟が遠く
波をおこして
海の中
泉をわかせる
空に近く
のびた飛沫は 羽
ふさがれた土地
求めながら
陽射しに
日陰 ゆるしながら
いかり をあげ
悲し ....
夏が過ぎて秋が来て
君はすこし変わったね
突然のスコールみたいな
涙を流さなくなった
突然熱くなって
我侭も言わなくなった
そういう君も好きだったけど
....
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