この広い広い空間では
時として滅多にない事が起こる

二次元的にも
三次元的にも
重なる部分は考えられなかった

日々の生活の陰にかすんで
うっかり見落とすところ
すれ違いざまに視線 ....
この夜はあかるすぎる
きみが上手に眠るには

だからぼくは
月も星も
希望もしまってしまおう

明日も
あさっても
きみのみえないところへ
しまってしまおう
ぼくのより
きみのが多いなぁ
っていう争いは
とても大切

その争いが
大人になっても続くなら
困るけど

争いのための
はんぶんこだと
困るけど





 ....
新しい職場の老人ホームで 
初めて司会のマイクを持った日 
お年寄りの皆さんに 
塗り絵用の色鉛筆を渡した 

十二色の鉛筆の先っぽは 
どれもきれいに尖っていたので 
今日は鉛筆削りの ....
いつか飛んだ空をおぼえている
風を切ってどこまでも青い玻璃の岸辺
さかしまに映る幾千の森 草 花の密度
いつか鳴いた声をおぼえている
朝靄の彼方から裂けた絹糸のような
あれはなつかしい 切な ....
恋すると 自分に言い訳が多くなる
恋すると 今日が終わってほしくなくなる
恋すると 明日が待ちどおしくなる
恋すると 涙がでる
恋すると 恋って字にどきっとする
恋すると

こ と い  ....
騒がしさの中に、静けさがある。見える声と、見えない声がまじる。
出かける人たちや帰ってくる人たち。生きてる人たちが遠くへ行き、死んだ人たちが遠くから帰ってくる。
生きてる人と死んだ人が、見えないど ....
向こう岸に星が落ちた夜
胸の前で手を合わせて祈る僕に
悲しい報せが届く

さそりの赤い星は
あんなに美しく輝いているのに
ついに君の嘘が
真実になることは無かった


この悲しみを ....
あなたが
あんまりにも
潔く笑うので

わたしの胸に
轍ができた

そうしてそのうち
深い森になった
夏のお空は賑やか
雲の鯨が群なして
北さしゆっくり泳いでく

夕べ摘まれた胡瓜はポリエチレンの中
萎れた黄色の花を畳んで重い体をしんなりと
むらさきの影踊る無人販売所

朝の優しい静け ....
エンマサマに舌を抜かれて一番困ることは
ともだちの味がわからないこと
手が勝手に増えたり
シナプスが複雑になったり
全部 ひとりぼっちになること

おじぎをおしえるおかあさん不足
そんな ....
冷蔵庫の中から
あなたが出てきて
おとなになりたかった
と訴える
こんな夜には
ビルよりも背の高い
おとなになりたかった
おとなになりたかった
ついに漂着した朝は
まっしろくて水浸しでカーテンは透ける
明るいな
きみのよわい視力
それに傷つけられたわたしの背を
すこしぴんとさせるようだよ

ねむり
に、かたちをあたえようとする ....
{引用= ――はるな「桃のこと」に寄せて}

  桃を剥く
  なるたけ薄く
  しゅるしゅると
  あなたを剥く
  透明な肉



  最初に
  いだかれた痛み
  それ ....
汗が光ったのを察知して
君は一生懸命 左手で扇いでくれる

クエン酸の入ったドリンクを一気に流しこむ
その立ち姿を横目に

また夏が来たネ!と
笑いながらハンカチを渡す 麦わら帽の君
空晴れて町に溢れた人消える ジグソーパズルの
欠けた1ピースが
見つからない

左目をなくした
モナリザが恨めしそうに
見上げている

完全であることに
恋焦がれる病が
再発したらしい

散らかった机 ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
 



男のひとは女性の下着に恋するものらしい

くしゃっとした
小さな布切れなのにね

でもそれは男の ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
  怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
  安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
   ....
  透明な空に
  透明な取っ手



  空を開けると草原があった
  草原を開けると発電所があった
  発電所を開けると僕があった
  僕を開けると藍色があった
  藍色 ....
捧げるほど
じゃない
いくつもの縁で絡み合ったこの地で
たまたま
出会ってしまって
今日は地球の重力がいくらか強い
だから
すこし伝えてみたい

月が見える
冷えた夏の夕刻に浮 ....
ひとり ただ唄っていた
どこのだれに 宛てるでもなく
きみに出会えたから
大切なこと、わかったの。

またね、って言えることが
どれほどまでに幸せなことか
わたし 今まで生きてきて
こ ....
{引用=きょうの料理 8月号}
冷蔵庫からきゅうり1本を取り出し水洗いする
小鉢にマヨネーズ適量をぶりぶりと絞り
もろみ味噌小さじ1を入れる
無ければ{ルビ甜麺醤=テンメンジャン}同量に
{ ....
白紙のままの手紙、ずっと見つめてる
君に何から話せばいいのでしょう
何から書けばいいのでしょう
考えれば考えるほど解らなくなってしまうのです
君に話したいことは 聞いてほしいことは山ほどあるの ....
伸びかけのあなたの髪に指を通して
これ以上の幸せはないと思った。
絶対にないと思った。
いつも生きていると
私は… 言葉もなく
ああ 良かった… 生まれてきて
そんなふうに… 私は 何故か
ぼんやりと そう思える
  身構えないで
  かなしみは空のように
  僕たちとともにある
  あるときは透明に
  あるときは責めるように



  手放さないで
  よろこびは風船のように
  ....
べつだん躊躇ったりすることもなく
無造作に引きちぎった胸元のボタンを手渡してくれた

「ありがとう」

「礼なんていらないよ
こうするものらしいしさ」

恥じらいをみせれくれれば可愛い ....
ありったけの花を降らせて
撒き散らす、ふわふわとお菓子、きらきらしている!世界!
スカートスカート、それは紺色、
混じりけの無い白の脚が告げる残酷、
薄桃色の悪魔

つまらないものには ....
――――沈黙する夢。


限りなさを湛えた少女、その細く白い腕に鴉の黒い爪が食い込む。
笑顔の下にある宇宙、あるいは転落死。
完了の合図が鳴らないので、ここはいつまでも連 ....
牛さんのおすすめリスト(876)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
広い空間では- wako自由詩111-9-2
この夜は- はるな自由詩1011-8-24
はんぶんこ- 千波 一 ...自由詩5*11-8-17
無数の手_- 服部 剛自由詩511-8-16
夏鳥へ- 石瀬琳々自由詩7*11-8-10
恋をすると- 朧月自由詩511-8-8
そこには誰もいない- yo-yo自由詩8*11-8-8
黒い服- ミツバチ自由詩511-8-6
- はるな自由詩611-8-6
ほら、- salco自由詩14*11-8-6
優等生- 伊月りさ自由詩411-8-4
エンカウント- 春日線香自由詩1111-8-4
七月と煙り- アオゾラ ...自由詩711-8-4
桃を剥く- 草野春心自由詩5*11-8-3
真夏- subaru★自由詩14*11-8-1
夕立- m.qyi俳句311-7-31
死に至らない病- nonya自由詩23*11-7-30
確信のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*11-7-18
僕はアイスクリームから生まれた- nonya自由詩24*11-7-16
抽斗- 草野春心自由詩6*11-7-14
りょう- かんな自由詩8*11-7-14
わかれのうた- aria28thmoon自由詩1*11-7-14
キッチン・ウエスタン- salco自由詩8*11-7-10
白紙の散乱- 涙(ルイ ...自由詩111-7-7
7日- こきたき ...自由詩311-7-6
人間の一人- 番田 自由詩111-7-6
空と風船- 草野春心自由詩2*11-7-5
第二ボタンのひと- 恋月 ぴ ...自由詩2011-7-4
ガール、ガール- ゆえ自由詩4*11-6-27
逃げたい- ゆえ自由詩3*11-6-26

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