自転車の ペダルを漕ぐ
すると世界も 一緒に回りだす
夕暮れの街並みは
河川敷の 向こう側
なだらかに傾いた 地平線に震えて
ゆっくりと 夜に向かって 滑り落ちていく
泉を横目に ....
だって出逢ったことなかったんやもん!
はじめてやもん!
回避できへんかってんもん!
あなたといると酸欠みたい
こんなに丁寧に舐めあってるのに
無限に増幅し続ける
質の悪 ....
季節外れなんだけど
その事を考えていると
なぜか
バニラアイスクリームと
汗の匂いがする
宇宙飛行士が浮遊する
あてもなく
母船と彼をつなぐ命綱は
へその緒で
きっと彼は赤ん坊
これから
地球へ
これから
誰かに
会いにいくのだ
しょくぱんみたい
なんにも塗ってないときは
そっけないぽそぽそです
赤いジャム塗って
どきどきおしゃれでしょ
はらはらオレンジマーマレード
波打つバターは貴婦人風
そこにある ....
半分どこかへ
わすれながら
歩いてきたけど
最初だけ意味がなくて
終わりぐらいには
価値ある何かに変わるなんて
錬金術なんて信じない
久しぶりに
はなしに来たよ
暇だったから ....
一歩近づくと
きみは眠ったまま
本の中
そんなに星ばかりみてたら
雪みたいに溶けちゃうよ、と
さみしい私がささやく
冬のカーテンにくるまって
目を閉じたきみ
プレゼント ....
光の獣に
つまずき転ぶ
今日は左目の翳りの日
遠のく灰を
見つめていた
舌に降る雪の
水紋を聴いた
呼ぶ声はひとつ
呼ぶ声は六つ
冬かこむ冬
崩れか ....
縛られ続けたSMクラブの一室
これで調教も終わりかなと呟いて
あなたに尻を打たれながら
痛いかなと思ったら
起っていた
天井から吊された男やさかい
ノーマルではもう満足できん
天井か ....
それぞれに様々な「ことば」が書かれた無数の箱の前で男は沈思する 名詞 熟語 接続詞 形容詞…吟味に吟味を重ねた末 男は箱を積み上げて建物を建て始める
実存の子 ....
君は なぜ泣く
いずれ全ては 塵に帰るだろう
その時涙を流すのは たぶん空の雨雲だけ
君は なぜ泣く
瞳の奥に築いてきた{ルビ堰=せき}が 崩れてしまったのかい
人の言葉が 痛ましい眺め ....
笑みを絶やさずにいよう
しずむあなたの灯台となるために
ずっと絶やさずにいよう
明日人に会うので、伸ばしに伸ばした髪を切りに床屋に出かけた。逗子駅前にある床屋で、中年の男性とその母親と思しき女性の二人でやっている。男性の方は、すっとした二枚目で、恐らくサーフィンか何かをやってい ....
別にあなたの全てがほしいわけじゃない
ほら、そんなの不可能だし、私だってきっとあなたに半分もあげられない
はちぶんのいちくらいでいいんだよ
あなたの部屋の窓からみる四角い景色とか
....
似た人
意識しあう二人
見つめあう二人
無駄な時間が
規則正しく
過去に変わってゆく
というのも、
電子レンジで温める様を見つめても
眼球が爆発しないだとか
鼻水をすすった ....
赤い砂漠をトボトボと
白いドレスの女は行くよ
背中に担いだ木の十字架は
太陽に焼かれ{ルビ暗の暗=くらのくら}
既に神は干からびたもうた
軽い軽い炭のクロス
....
その
首筋に誘われたから
わたしはそっと
おつきさまの
うで
のなかで
砂になるのを
待ちながら
さよならを繰り返す
あぶく
満ちてゆく水は
やがて浸食し
とらわれる
つぼみの色が明るくなるとき
もうすぐだよって
私が言う
みどり色がうすくなるとき
もうすぐだよって
季節の風が話している
明るい色が
はなびらから生まれるとき
私が咲く
....
透明なせせらぎが遥か遠くで
岩の間をくぐり抜けてゆくのが
聴こえてきそうな三月の朝
いたずらな顔をして君が
せがむみたいに背伸びをしたから
僕たちは口づけをか ....
わたしだって一生懸命走っているのに
なんか自分だけ後ろへひっぱられてる感覚に囚われてしまって
一緒に走ろうねって誓った友達の背中が
だんだんと小さく小さくなってゆく
※
はじ ....
中学のとき
それが休日の過ごしかたのような気がして
よく一人で映画館に行った
暗い映画ばかりを選んで観ていた
いまでも思い出すのが
神田川とミ・アモーレの鐘という映画 ....
逆立ちしてみれば
総てが180度 別世界であります
たった一人 逆さまな様は
見ず知らずの者から見れば 滑稽であります
この視線で眺めれば
ぞんざいな気の流れが
清浄な気の流れに見 ....
ズバズバと
生きたいんですが
上手くいかないんです
バサバサと
切っていけたら
楽でしょうね
まー
それできない俺も好きなんですが
....
両手いっぱいに広がって
宙を描いているひかりのすむ家
くるくるまわるものだとか
静かに揺れる物だとか
激しく飛び出すものだとかが
集まる場所
ここにキミの想いも ....
好きやってんでと、うつむくわたし
知ってたよと、うそぶくあなた
きらめくネオンの街で、さようなら、さようなら、
あるところに一人の男がいた
男は理想を見いだせない革命家であり
大義名分をもたないテロリストだった
彼にはため込んだ多くの武器があったし
破壊活動のためのノウハウもあった
それらが彼を一つの ....
いいんだって
わざと言ってみる
それはよくないとき
言い聞かせるとき
なんで
なんで
逆にするの
いらないって
言うとき
ほしいとき
なんで
なんで
嘘いうの
顔にで ....
はナホトカ生まれの十八歳
でどっか相当ずれている
小さい頃からずれている
多くの人とずれている
殆どみんなとずれている
仲間はずれで入れずにいる
ウラジミール・ズレリンコフ
は小学校で持 ....
{画像=111208224010.jpg}
今更ながらに想うのだが
もう一度自分を
バラバラに分解して
細かいパーツの
ひとつひとつに分け
そのひとつひとつを
見分け分類 ....
朗らかだろう
安らかだろう
健やかだろう
なあ、
陽気で
呑気で
幼気で
穏和で
親身で
温厚だろう
それでいて、コイツ
まだ生きてやがるんだぜ
期待という期待 ....
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