あ、マナーモードにしたまんまだった
そう思って携帯開くと不在着信
昔、長いこと付き合った人からだった
胸の奥が締め付けられた
同時、ホッとした
なぜ?
どうしたんだろう
そし ....
熱く、季節が
とばされていくなか
黄金に、ビルが
白い、壁が、こんなにも
強く、握りつぶした飛沫が、散って
染め上げていくなら
いま、青ざめながら
....
ねぇ、先生?
2週間頑張ったらご褒美をちょうだい
なにも大そうなモノじゃなくていいの
危ない!ってアタシの腕を掴んだ時
気付いたでしょ?
ちゃんと掴んでてくれなくちゃ
アタシ消 ....
できれば
君を抱きしめてしまう
あの日にもどりたい
あの日
君を抱きしめさえしなければ
今も
君の隣で笑っていられたかもしれない
かもしれない
かもしれないだけなんだけ ....
おりがみの花は 指先で生まれ
おりがみの花は 手のひらで育つ
思うようには動かない きみの指先から
空の色をした 花が生まれて
思うようにはならなかった 私の手のひらを
四月の色で満たし ....
コンクリートの壁に囲まれた
独房のような病室のベッドの上
路上に倒れていた男の
ふくらはぎに密集して肉を喰う
すべての虫を布で拭き取る
白い服の老婆
「 マザー・・・
....
タン、と小気味よく
鼻先の時間は切って捨てられてしまった
あたしはきっと
カチカチのパンに 申し訳程度に塗られた
バター、なのだろう
いつからハムじゃなくなったのか
覚えていない けど ....
皆が幸せになれば良いと願った
僕に傷を集めてよ
深く抉った茶色い傷
治りかけるなんて許せなくて
「痕が残れば嬉しいなぁ」
君は今何処に居るの?
また一人で抱え込んでいるの
僕が居 ....
ほんとに
あんたって不器用だよね
ただ
「気楽に 気楽に」って
言って欲しかっただけなんだよね
「愛してる」なんて言葉
望んでなかったんだよね
....
なぜだろう あなたが
ふり向く瞬間が わかる
どうしてだろう あなたが
求めたものが ここにある
なぜだろう 私が
凍らせた言葉を 知っていて
たやすくそれを 解きほぐしてゆく ....
幸福の置き場所は
海のにおいのするところ
大事な言葉が生まれたところ
風がとおりすぎて
小さな駅におりると
細い道の向こうがわ
手に持った荷物の
不安定な重さが
私であることの証
....
「本当に望むなら、この手でちゃんと殺してやる」
あなたは言った
「だからまたサッカーしよう」
あなたは言った
どんなに変な方向に蹴ったって
あ ....
列車のベルが鳴る
どうして
どうして
僕らは旅に出て行くんだろう
小さなリュックをさげた女の子が
泣きながら
走って列車に飛び乗った
大きな声で
彼女を呼ぶ声が ....
僕だけが星を見たんだこっち側流れる君の星を見たんだ
隕石と勝手に名付けた石を蹴り胸にささればいいと思った
泣いていい?口さきだけでつぶやいた
君のハンカチ抱きたかったんだ ....
ひとつ。
僕たちは、やさしい言葉づかいに気を使います。
この文脈における「やさしい」とは
ゆとり、教育における円周率3,14をおよそ3としてあげるやさしさではなく
旅先のトイレのドアをあけ ....
蜃気楼を信じて
砂漠に打ち上げられた鯨
現実から逃げ出して
淡水の夢を見たけれど
安らぎは
もっとずっと
遠かった
求めたものと
与えられたものと
砂粒みたいに
隙 ....
水の本を開く
文字は流れ出し
意味は溢れ出し
あとには
水の思想だけがのこる
川によってはこばれ
人びとの喉をうるおしながら
水の暗喩が偏在する
その波の繰り返し
晴天と雨天の交替
....
あなたが言うその言葉が
もし愛ならば 愛ならば
あたしはあなたの胸で眠ります 眠ります
そして次に目覚めても
きっとあなたはいるでしょう?
だからあたしは 眠ります
スタンドの明かり一つ
扇風機の音が聞こえる部屋
木目の壁に映る
後ろ姿の影は
黙って首を振り続ける
明日
どんなに騒ぐ人がいようと
やる気の無い人がいようと
ぼくは ....
夏は自分に耐えられなくなって
自分の体がどろどろと溶け始めていた
青い空が溶けてゆく
白い雲が溶けてゆく
清らな川の音が溶けてゆく
都会の道路はぐにゃぐにゃに曲がって
信号機が次々と倒れて ....
未だに命を引きずる街で
静かすぎる呼吸を繰り返す子供達
おとな は
既に死滅して
水滴がぽちゃりと世界を彩った
(このてのなまえを
(おしえてほしい
片隅でぼそりぼそり ....
八月が終わらなければいいと
願っていた
そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく
夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ
夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
そもそも
言葉というものが先にあったのか
ひとが自らを自動書記に設定したがために
言語というものが存在を始めたのか
そのようなことを考えているうちに部屋が一面ウサギの毛に覆われた
ふんわ ....
何ゆえあたしは起きているのか。
人が眠る時間に。
ああ、冷凍庫の変な安いアイスでも食せばよいのかしら。
もう意味がわからないわ、広い広いこの地球にいてガリガリくんを食べるなんて。
....
成長しない生き物と浜辺を歩いた。
あ、願望を乱射している、
と気付いたのだけれども。
海に巻き込まれて記憶は消えていくのでした。
無関心でホームラン。
明日も電車は出るんで、しょう、なぁ ....
沸騰させ過ぎて死んだ
白血球と赤血球が
私の掌で涙を流していた
お墓をつくってあげる
と
火をつけたはずの私が言うから
組織液まで煮え繰り返ってきた
真夏日が続く
そ ....
お前に教えられる事は
たった一つの言葉だけだ
誰しも強くはないという事
誰もが強くなれるという事
楽しいときほど
思い出してしまうのは
あなたと過ごした夏が、きっと
あまりにも輝きすぎていたから
あいたい、と
そんなき持ちに自分の笑い声で気がついた
だって二年前、あ ....
万華鏡
おつきさまをみた
おつきさまもみてる
そちらから見た世界はどうですか
くるくるまわっております
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