すべてのおすすめ
今すぐ結婚しないひとの

いのちの心配をしてはいけない

花びらがすき放題に散っている

桜木も見あたらないのに

どこからか来て巻きあげられている

雨のあとの曇った朝だった
 ....
長崎に着くと雨に降られた

道に迷い倒れ込むようにして部屋に入った

さっき居酒屋で着信があった

もう五年会わない東京の女からだった

再会をやくそくして電話をきった

つぎの日仕事を済ませそれから ....
この世で楽しむ

それが生きている本質であることは

間違いなさそうだ

では

なにを楽しむ?

楽しむとはなにか?

この問い掛けに

ぼくらは日々打ちのめされている
 ....
すこしぬるい冷たい風

くるまが横をすべってく

電車のおとがつれてゆく

ふつうに夜桜さいている

コンビニ袋ちりちりちりちり

なんでこんなに悲しいのだろう


知らぬま ....
ねてしまうおまえと話しした

かわいかった

新緑みたいやった

おまえがんばりすぎてへんか
めったに喋らない叔父さんが神さまのまえでの作法を教えてくれた

神社にはいるときは一礼せなあかんのや、

帽子はとらなあかん、叔父さんもジャケットぬぐさかいにな、

神社は真ん中歩いたらあ ....
二千何百年かまえ

私はあなたのやはり傍観者だった

それは生まれかわりの思想ではなかった

いのちに宿る追憶そのものだった


珈琲か口臭かうんこの匂いか分からなかった

その ....
この像もまたなにかのものまねをしているのだ。

ここにいつまでもいたいと思った。

存在のものまねをする存在への、それは畏敬であるにちがいなかった。


重要文化財でもある東寺の五重塔は ....
22年まえも自粛が日本を覆っていた

コマーシャルが口パクになってNHKは夜中も天皇の下血の量とか血圧とかを画面に表示しつづけていた

そこにはクラシックがながれていた

えんえん、えんえ ....
禿頭にパンチパーマが生えてきたような

夜の街路樹に仄見える青葉は外灯にてらされて

現実世界にうまれた幽霊のようだった

コンビニは看板を消していて

さっき接待に使った天然ふぐ屋も ....
いつものように夜を歩いている

星の瞬きをながめながら高台からくだってゆく

車や帰り道のひとと二三すれちがう

街のあかりは傾いている

最初の信号に出くわすと

すっかり道を歩 ....
ゼロなんてあるのだろうか

幸福なんてあるのだろうか

桜ぼっちの三月

もう二度と会えないひとなんて

ほんとうにいるのだろうか


街道のところどころに桜を見つける

オ ....
そざつな草むら駆けだしている

雨の窓辺にピアノをたたいている

薄曇りの鏡にあたしがうつっている


夕べは花芯をそよいだゆび

朝には枕にもたれているの

肉の夢をむさぼりみ ....
空はあたらしくてあかるかった

すがすがしくって淡くって

ほのぼのとしてあたたかだった

あなたの匂いがとけていた


まんなかにつらなる街路樹が

もこもこと夕日を浴びていた ....
頭が痛かった

酒を飲んだからか

ひと駅わざとゆきすぎて

寒夜の家路をえらんだからか

たいせつな存在が嗚咽していた

ほそい声で頭が痛いと伝えていた

だからだろうか
 ....
新神戸駅は

駅裏の

山のみどりが

清々しくて

淡くて

ほのぼのとして

あったかくて

泣いているのはなぜ

江坂まで送った車のなかにも

まだそれが
 ....
ACのコマーシャルが

テレビから消えてもぼくらは

忘れてはならないのだ


いのちが助かる

いのちだけが助かる

ぼくらができることとは

義援金を今後もつづけることだ ....
悲しいひとがいたら

そのひとを

大切に思うまわりのひとも

きっと悲しいだろう

楽しいひとがいたら

そのひとを

大切に思うまわりのひとも

きっと楽しいだろう
 ....
柔肌あつきいのちたち

反復行為の大存在たち

みじめでも

幸福ならいい?

ひとを責めるくらいなら

不幸せなほうがいい?


人生ってやつが

ほんと好きでたまらな ....
タコ焼きやさんは足ぱんぱん

寒い日、雨の日、足ぱんぱん

市役所さんから立ち退き命令

とおりすがりの常連さんたち

ゆるい反対してくれるけれど

タコ焼きやさんは足ぱんぱん
 ....
サンミゲルをラッパ飲みしながら

いつの間にかスラム街を歩いていた

失意を演出するような

怠惰と自棄をまとって歩いていた

廃線のまわりにはバラックが並び

カラフルな洗濯もの ....
月がかたちのまま光っている

どこからか飛行機の轟音

散らばる星しか見えなかった

それぞれの足音のうえで

月がかたちのまま光っている


先月も19日は満月だった

それをなぜかよく覚えている
 ....
はじめてのラブ

さっきふっと最後の試合で

二塁打を打ったときのことを思い出した

疲れているのだろう

肌にしもやけのような跡ができている

かさかさしているような気もする

じぶんを蝕むものを見 ....
雪が降る

音のない洞窟に

音楽を幻視する作業員たち

雪が降る

味の素みたいだ

時がゆっくりと崩れている


時が蝕まれることだけを数えている

これ以上なにかき ....
まる

切り取られたいっこ

有限のまる

まる

無限にぽっかりあいた

穴ぼこのまる

まる


切り取られたいっこが有限のまるならば

穴ぼこがぽっかりあいた無 ....
深夜営業のサテン

ぼんやり夜道を見つめていた

店の明かりに照らされた冬のかっこう

面影がゆれて足早にすぎてゆく

幸福について考えていた


生きてゆく資格


そん ....
この糸のさきを

だれもが放してしまった

糸のかわりに

だれもは棒で突いてきた

棒を糸だとつかんでみても

からだは痣だらけになるばかり

この糸に風が吹くのを

じ ....
うかれているしかなかったのだ

さびしかった

信じられないくらいの

さびしい状況にいたのだった

いちかばちかのような気持ちだった

だから

うかれているしかなかったのだ ....
路地から通りにでると

いや、もう路地から

あたたかな風がほどけていたのである

それがからだをやらかくぶ厚く

バイブレーションさせていた

坂道を明治神宮のほうへあがった
 ....
彼女は教授になりたくて

地方都市の大学の院に通っていた

そこで英米文学など学んでいた

いつも水いろワンピース

ほかにも付き合っている人がいた

彼女はたしかやっつ年上だった


あの日の彼女よ ....
殿上 童さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(682)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花散らしの風- 吉岡ペペ ...自由詩711-4-16
激しい桜- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...311-4-14
いのち- 吉岡ペペ ...自由詩311-4-10
一晩じゅうが始まるころ- 吉岡ペペ ...自由詩1111-4-7
がんばりすぎてへんか- 吉岡ペペ ...自由詩211-4-6
叔父さんと神社- 吉岡ペペ ...自由詩511-4-4
傍観者- 吉岡ペペ ...自由詩111-4-3
畏敬- 吉岡ペペ ...自由詩311-4-3
不幸な自粛- 吉岡ペペ ...自由詩511-4-2
悲しみ- 吉岡ペペ ...自由詩511-4-1
悲しみのかたち- 吉岡ペペ ...自由詩511-3-31
桜ぼっちの三月- 吉岡ペペ ...自由詩511-3-30
滴るゆびさき- 吉岡ペペ ...自由詩911-3-29
命の悲しみ- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-27
割れたっていい- 吉岡ペペ ...自由詩511-3-24
新神戸駅- 吉岡ペペ ...自由詩111-3-24
ACのコマーシャル- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-22
告白- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-22
いのちたち- 吉岡ペペ ...自由詩311-3-22
きみのメルヘン- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-21
自殺しないための装置- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-20
それぞれの足音のうえで- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...111-3-20
はじめてのラブ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...211-3-19
雪が降る- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-17
有限のまる〇無限のまる- 吉岡ペペ ...自由詩411-3-7
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩411-3-5
この糸のさきを- 吉岡ペペ ...自由詩711-3-2
さびしかった- 吉岡ペペ ...自由詩1611-2-27
春一番- 吉岡ペペ ...自由詩711-2-25
時のせいだとは- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...411-2-23

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する