叔父さんと神社
吉岡ペペロ

めったに喋らない叔父さんが神さまのまえでの作法を教えてくれた

神社にはいるときは一礼せなあかんのや、

帽子はとらなあかん、叔父さんもジャケットぬぐさかいにな、

神社は真ん中歩いたらあかんぞ、真ん中は神さんのお通りする場所やからな、

お寺には仏さま、神社には神さんや、仏さまはなにしても怒りはらへんけど神さんは怒んねん、

ぼくは帽子をとり端っこをえらんで門をくぐった

その瞬間からだ

神社にわくわくし始めたのは

杓で井戸水をすくい手を清め口をゆすいだ

杓をたてにして水滴をしたに落とした

二拝二拍手一拝の見よう見真似で参拝をした

叔父さん、神社ってなんで砂利なん、

叔父さんがなんと答えたのかは忘れてしまった

叔父さん、なんで神さまは怒んの、

この質問に対しての回答はいまでも覚えている

仏さまは人間を超えてはるねん、神さんは人間よりめちゃくちゃ立派なお方なだけや、

神社はカメラがだめだから目に焼きつけることにした

かたちよりも色がのこった






自由詩 叔父さんと神社 Copyright 吉岡ペペロ 2011-04-04 23:35:28
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