さびしかった
吉岡ペペロ

うかれているしかなかったのだ

さびしかった

信じられないくらいの

さびしい状況にいたのだった

いちかばちかのような気持ちだった

だから

うかれているしかなかったのだ


梅がさいていた

それが桜ではないことは

暦で判断していた

梅のつぎは木蓮だった

その花びらが朽ちて落ちると

そこには桜がさきほこっていた


うかれているしかなかったのだ

さびしかった

信じられないくらいの

さびしい状況にいたのだった

いちかばちかのような気持ちだった

だから

うかれているしかなかったのだ






自由詩 さびしかった Copyright 吉岡ペペロ 2011-02-27 12:08:31
notebook Home 戻る