やめてけろ

ひと恋しさにちゃちゃ入れた
わたしの思いを
やんわりと断つように
春の兆しは白い肩口の奥へと隠れた

厳しさだけではない冬の素顔を知ってから
流されるのとは異なる
自ら ....
愛子は着物を脱ぎ捨てて、潔く乳を出しました
円い
まあるい
柔らかさよりも芯のある
硬さを主張した
愛子の精神がそこには在ったのでした

愛子の眉は太く
角があり
男眉は仕合わせ ....
             090108



ミズーリー州を
ミシシッピー河が
とうとうと流れてゆく
流れていくのは水で
河ではないと
理屈をこねる
ぼくたちの前を
気をつけをし ....
あの空は
ぼくたちにとってのどんな色で
何かを忘れないための色になったりするんだろうか?

つきぬける青に白い雲ひとつ

思いかえせば、
この変わらない空の下を
ながい間、 ....
正月の2日から差し歯の小臼歯が取れる
それもお菓子を食べようとしてポロッと
余りにもあっけなく

松の内のハプニングゆえ開いている歯医者もなく
週明けの月曜日
診療しているのか少し不安にな ....
              090107

90円あげると言われ
口を開けて笑っていたら
50円しかないから
明日にと延ばされた
口を開けたまま
笑ったまま
明日まで待っている
嘘つ ....
明ける年に
拍手するのではなく
暮れていく年を
ゆるやかにゆるやかに
見送ってゆく
午前零時を
もう少しで回ろうとする
時計の針を
まばたきもせずに
見つめて

となりで眠る ....
あたしの手は
朝ふとんをたたむことからはじまって
3人ぶんのご飯を作ったり、洗濯機に洗濯物と洗剤を放り込んで、
それを干したり、部屋じゅうの掃除をしたり、車の運転、
鉛筆を持って字を書いたり
 ....
 
 
 
 
・あいじん
 
雨の色に濡れる
言わば、瞳にも似たひと
 
歌うように憂うものだから
永久という箱に
追いやられてしまった
 
 隠れる、ようにして
 
 ....
眠れない夜がしんどくて
噂の狂犬をしばく事にしました
みんなで力を合わせて

平和に飼い慣らされた 僕達は
戦う前から負け犬でした

死にぞこないの狂犬は言いました
「逃げろ!」

 ....
桜の花びらが落ちているのが綺麗で、拾い上げようとしたら、それは蝉の亡骸だった。
かさかさと乾いた音がして、命がない、ということは、水分が無くなってしまうことなんだな、と思った。
蝉の亡骸を犬にやる ....
冬の朝というのは
どうしてこうも透き通っているのでしょうか
そしてその残酷なほどに低温な誓いを
そ知らぬ顔で踏み荒らす通勤電車の暖房

冬に身を寄せ合うのは
厳しい冬をみんなで乗り越えるた ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった

なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした

あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
 ....
このきもちを
あなたに伝えたい

なんて
これっぽっちもおもわない

消えてしまうまえに
てのひらにうけて

ためつすがめつ
いろんな角度から
なんども眺めて
味わっておこう
 ....
暮れる山際を 今一度あたためて
きみの羽音がやってくる
ぼくの傍らの くろぐろとした草のかげに

あしもとの 見えない流れを聴きながら
ぼくも羽を震わせてみよう
この盆地の細長い空にかわる ....
真冬にもアイスティーを頼める店 焼かれた石の事情を知ってる


十一時から十四時は禁煙です やさしいふりで傷つけ合って


プレートの絡めとれないパンチェッタ欲しいものだけ手に入らな ....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです


昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て


夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬


 ....
後で降りてくるよと
サザンの曲を元ネタにした
ショートドラマのオムニバスを
見ている妻に声をかけて階上に登り
詩の投稿サイトとかをチェックしていたら

カチャリ

部屋のドアが開いて ....
                081129



うそをついた
ちいさなちいさな
うそをついた
ちいさなちいさなちいさなうそは
ちいさくちいさくついたうそ
どんどん大きく ....
セックスをする夢を見ました
セックスする前にわたしは
コンドームを買おうよと言って
あなたとふたり手をつないでコンビニに行きました
あなたはわたしが前に付き合っていた人でした

あなたのセ ....
ジェニ、ジェニ
気楽へ行こうよ
ちっこい僕の車に乗ってさ、
すなはまへ
ゆっくり行こうよ
塩の柱をながめながら
ほら
かわいた気分が
アメリカまで続いている
そこにあるのがどうしてな ....
 
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
 
 
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
 
 
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
  ....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった

冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....
さかなによく似た
君に寄り添って

みたこともない海の
話をする

あなた だってそうでしょう?
本物じゃない

ここにいる僕たちは
だからこそ 寄り添って

途方に暮れた
 ....
からまつの暗い林を
どこまでも歩いたような気がする
きゅうに空が明るくなって
その先に白い家があった
それは夏の終わりだったと思う
空へ伸ばしたきみの腕が
ブラウスの袖から露わになって
 ....
鍵を盗むだけよ、
単純でしょ。
と君は笑った

僕には無理だ
君のその穴に
ぴったりの鍵を見つけるなんて

僕には到底
見つけられそうにない
君の心を解放するなんて

単純なこ ....
流れる水辺にあって、冬の光が
点っている。てらてらとここは
静か。見えないものに、触れた
ことのない。めくらの。薄く紅
挿す頬のあどけない。水掻きの
広く、長い指の掬えない。指間
指間から ....
              081119


100年に一度の津波ですと
テレビが
怖いことをおっしゃるので
海の方を眺めたら
金融危機のことだった
一人あたり12000円の定額給付金 ....
本をたたんで
ペンにキャップをつける
はさみをひらいて
つけねで指のあいだをぐりぐりとする
くつ下をつかんで
ゴミ箱に向かって
投げる

たばこを吸う
たばこを消す
少し眠りたいけ ....
あたまの傷のことや
からだの傷のこと
目のなかのぐるぐるの暗がりのこと
そういうことを口に出すのは
醜くていけない

たたかうこと
負けを肯定すること
生き抜くこと
まぶしい、
と ....
小川 葉さんのおすすめリスト(1505)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
けろ- 恋月 ぴ ...自由詩25*09-1-10
愛子は着物を脱ぎ捨てて、潔く乳を出しました- aidanico自由詩509-1-9
六角の箱庭- あおば自由詩7*09-1-8
ぼくら- わら自由詩21*09-1-8
潜行する暴力性- kauz ...自由詩5*09-1-7
乾物- あおば自由詩10*09-1-7
年をまたいで- かんな自由詩6*09-1-3
ずるい手- ヤム自由詩408-12-30
ほしくずたち- 山中 烏 ...自由詩6*08-12-29
罪と罰- 光井 新自由詩6*08-12-26
桜の花びらを- 小原あき自由詩4*08-12-23
綺麗なお姉さんは好きですよ- 木屋 亞 ...自由詩2*08-12-21
いつか、約束の- 夏野雨自由詩47*08-12-16
小さな火- 高野川う ...自由詩1+08-12-10
盆地夕景- 高野川う ...自由詩3*08-12-9
カフェ・ロゼッタ- 石畑由紀 ...短歌6*08-12-7
【短歌祭参加作品】アラウンド・ザ・ワールド- 吉田ぐん ...短歌3608-12-5
甘えた声で不満げで- kauz ...自由詩8*08-11-29
寒い朝- あおば自由詩2*08-11-29
セックスの夢- とんぼ自由詩1008-11-29
ジェニジェニ- 構造自由詩1308-11-28
星の鳴る夜- たもつ短歌2208-11-26
さびしさを吐く- かんな自由詩31*08-11-25
ルアーズ- umineko自由詩16*08-11-25
UFO- yo-yo自由詩14*08-11-24
単純な犯罪- そらの  ...自由詩3*08-11-23
雨音光、少女の運ぶ- 石田 圭 ...自由詩2908-11-21
無鉄砲社会- あおば自由詩22*08-11-21
unit- かとり自由詩4*08-11-21
ぱくぱく- 因子自由詩508-11-19

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