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春を待てば
冬を追いかけることもなくなる
空が白い
雪も
ことばもどこか
白濁するような気がして
ガラスを磨くように
推敲してしまう

幾重にも層ができ
こころの内は形を失う
 ....
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
 (これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
悲しいような甘さ
だ液に含んだキャンディをひとつ
あなたにあげたい

人の吐く息の波に
飛ばされてここにいるから
空が見えない

ふるえたように電話をかけた
いつもあなたに
揮 ....
水面下で寝息をたてるわたしに
おはようのあいさつは
いつもキスだった

大切はいつも
抱えていたつもりで
放り投げていたかもしれない

川のあたりできれいな石を探すようには
見つから ....
 いくつもの、
 接がれない
 夕刻のだいだい色を
 ポケットにしまおうとして
 持ちかえれない
 そんな夜は暗闇に目を凝らした

この病棟の窓から見える夜景は
いつもと変わらない
 ....
母へと語られる
おもいは
いつもことば少なで

ずいぶんと幼い頃
学校へ行きたがらなかったわたしを
ぴしゃりとしかりつけた
あなたの手のひら
たった一度
手を上げたのはその一度
 ....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど

料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉 
 ....
脱ぎ散らかされた
コート
冬のしめり気
誰が
ぬくもりを求めて
どこへと旅立ったのか
探して
さがした

マグカップの縁の
ブラックの
コーヒーの跡だけが
もう
冷たくなって ....
明ける年に
拍手するのではなく
暮れていく年を
ゆるやかにゆるやかに
見送ってゆく
午前零時を
もう少しで回ろうとする
時計の針を
まばたきもせずに
見つめて

となりで眠る ....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった

冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....
歩き出すことを知りました
ひた、
ひたり。
らしさをどこかに求めて
あまやどりをしました
ぽたり
いつしか涙も流しました
そうしてぎこちなく
笑ってしまうの、
わたし
ことばに詰ま ....
海で言うところの
水平線で
わたしは平たくなって
息をひそめる
かなしいことなど
なにひとつない
けれども横になって
うずくまると
涙がほほを伝うのがわかる

枕に染みこんだ水滴は ....
海岸にたたずむと
なぜだかいつも
雪がふる

手のひらに
結晶の一つがのると
出会いだ
と勘違いしては
スーッと溶けてゆくと
別れだ
などと悲しがる

雪がつもり
薄っすらと ....
落ちてゆく
夕陽の触り方を
知らない子どもが多い
つるりと
何のためらいもなく
なで回すと
とたんに飽きてしまう
そうして
バイバイと手をふって
見送ってしまうのだ
そんな
少し ....
小川 葉さんのかんなさんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星々に促されて- かんな自由詩11*12-2-15
透明な絵本- かんな自由詩33*11-3-16
推敲したら嘘が残る- かんな自由詩8*11-1-22
いいわけ- かんな自由詩12*09-8-23
幼さ- かんな自由詩12*09-8-18
おもい出す- かんな自由詩15*09-4-25
ひき肉- かんな自由詩17*09-2-18
冬の片隅で- かんな自由詩4*09-1-27
年をまたいで- かんな自由詩6*09-1-3
さびしさを吐く- かんな自由詩31*08-11-25
伝えます- かんな自由詩11*08-11-8
眠る- かんな自由詩3*08-11-1
なき雪- かんな自由詩18+*08-10-13
触れる- かんな自由詩31*08-9-28

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