小さい頃
夜空をくりぬいたかのように
真っ白な 満月に
追いつこうと 夜の街を走ったことがある

いつまで走っても
いくら転んでも
どんなに叫んでも

満月は遠くて
ちっとも近づけ ....
たぐりよせてみれば
それは
余りにも細く、また
強い一筋
 
 (深い闇の中から)
 
まさにすがるようにして
誰もがその一筋を
必死に、必死に
自らの手中に
収めようとする
 ....
約束、という響きに手繰り寄せられたつもりで
何かを手繰り寄せようとした
霧の先
眠い、眠い、と繰り返す手鏡は
いつここへ置き忘れていたのだろう
  5

ささやきとゆめとで満たされている

乳白色の匂いが駆け巡り
スカートの裾と共に影がゆれる

したたかに群れるとりどりの手足に
手招かれるのは
おなじ匂いをさせる 少女

 ....
ある程度年を取ったから、
どうして今こんな状況にあるのかとか
すぐ話せない環境にいる事実とか
飲み込みたくなくても飲み込んで
思い出したくないけど思い出すことができる よ。

それって ....
そこはまるで
ひとつの街であり
ひとつの物語でした

私はもう誰も居ない
公園のブランコに

キーコキーコ
と揺れていて

さようならの練習ばかりを
しています

あなたには ....
光なく音もたてずにうねりゆく野火の描く蛇さまよういのち



はねのける受け入れるだけが生でなく争うことは戦いでなく



足跡も足音も絶え他を焼かず自らを焼く火を歩みゆく ....
少し離れた
海のようなところを
目覚まし時計がひとつ
泳いで行きます
古い色のバス停で
返却期限の過ぎた図書を
二冊抱えたまま見送る
息継ぎだけが
わたしの動作でした
車窓がくもって何者かが問いかける
移民の悲しみ似た淡くはかないものだ
いくつかの希望を抱いて死んでいった
若者の中の一つの宇宙だ

車窓がくもって見えていたものが歪む
ひときれのパンに空い ....
蟻群れてダリの世界を解体す

キリコの街に少女失踪月見草

マグリットの青空の下に暗き闇
残っているのは

水色のこんぺいとう

昨日食べたプリンのお皿

それから

君からもらった言葉

全部 虫歯になっちゃいそう
海に還る
手続きはいらない

横たわり
網膜を青で満たしたら
循環する感情を
濾過する

やがて
余分な手足は
抜け落ちて
流線型になる

心配するな
そのころには
陸な ....
蒸発した母のかわりに満ちる月


懐かしい向日葵の微笑返してよ月!


正しい人間のはずが砂の温もり


蛍光灯割れるたびにうたううた


若葉のような生きる意味があったなら
 ....
春がじかん切れとなり
贅沢な地下鉄のゆれにまかせて
それぞれ 肩から鳥を逃してゆく
そらにまいあがれ、ちぎれないままで 
そらを

みじゅくな鳥が
春の隅っこを
ゆっくりと ....
あの
光る目を盗んで
チョコレートを
口へと運ぶ
 
事実
今は授業中なのだけど
私は自分の
欲望に忠実なので
食べてしまう
 
 
生産者が
緑色の板に向かう間は
絶好の ....
小さな馬が一頭草を食んでる
いただきます、も
ごちそうさま、も
一生分言ったのに
まだ何も言い尽くしていない

クイーンズタウンの山の上にある
レストランで食事をした後
近くの牧場で馬 ....
ランドセルを背負って

学校までの長い長い坂道を登った

隣には君がいて

ほっぺが真っ赤で

僕の話に笑っていてくれた

君の赤いランドセル

僕の黒いランドセル

色違 ....
同じところにいるんだ、って
わかった瞬間に
綻ぶ表情とか

同じところにいるんだよ、って
教えたくなる瞬間に
動き出す指とか

全部 その人は知らなくて

こんなにこの上はむず痒い ....
七十二歳になりて


 永い連休が過ぎた。5月7日72歳の誕生日である。フランス大統領は保守になった。共産党・社会党ご苦労さんである。その役割を果たし、社会主義は終焉しつつある。
 フランスは ....
朝靄に隠された
乳白色の意識の中
息を潜めるだけで、聞こえる
それが終わりではなく
始まりであることを
裏付けするような
 
透明と不透明は
限り無く澄みきって
螺旋の配列を
組み ....
いつのまにか
こすもは、すぺーすへと
ぐれーどあっぷ
していて
 
ぼうちょうをくりかえす
この、これは
どうもとめどない
らしい
 
 
これを
あい、とよぶか
かがくげん ....
照れた時に
鼻の下を ひとさし指で拭う癖があって
今でもよくやってしまうのだけど
もう そばにはいないあのひとのことを
どうしても思い出してしまう

からかい口調で
だけど 愛しげな眼差 ....
オシロイバナがどこまでも咲く
原っぱの真ん中で
日焼けのしていない細い腕を
嬉しそうに振り回している
いくつになっても夢をあきらめない
ここまできてやっと
あなたは扇風機になれたのだった
重ねあう肌のあたたかさに
見いだそうとするもの

胸の奥に秘めるもの

真新しかったスーツに
シワもめだってきて
某寂無人のかかとに踏まれた
つま先が疼く

こんなはずじゃなかった ....
手錠で繋ぐ
鍵をかける
貴様を引きずる

火をつける
水をかける
燃えカスを集める

ビンに詰める
店頭に並ぶ
異彩を放つ

子供は求め
大人は嫌う

意識の変革
「何を書いているのかい」と、聞くこともなく傍らに座っている

「何を考えているの」と 尋ねることもないままに

凍っていくのか、温まっていくのか






触れて
 ....
なだれゆく 曇天の鱗
きりぎり 虚空にさす枝先

絡めた糸で 傷付けるから
鳥は 近づいてはいけない

どこにもいらない花のように
身を潜めて 
散る花の中へおちていく

踏む先に ....
お外は苦手なんだ、って
呟いたときに
雑誌の表紙で美人が笑ってた

右隣に
彼の存在を感じながら
やってしまった、と薄笑い

なんでなん?

訊ねる君の優しさと

なんで?
 ....
ねえ君 背中から何か出てるよ?

私には見えない大きな 何

他の子とは違う 何か出てるよ?

私にはわからない小さな 何

何か 何かって何さ
言葉って難しいんだね

それに淡 ....
ちょっとだけストレンジ、と
か細く笑う君 は
その意味を知らない
まだ
全てを許しきれていない
 
それは勿論
僕も同じことで
 
そこにいる
快楽殺人者は、許せるけれど
デパー ....
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