あの日
あっというまに難破した僕らは
流木にもなれずに
世界中の海に散らばった

絶え間なく打ち寄せるくらやみの音色に
安心してしまいそうな
ちいさな木片

ほんの少しの誤り
いく ....
51

手に速度が馴染む
坂道は距離のように続き
俯瞰する
鶏頭に良く似た形の湾に
昨晩からの雪が落ちている
ポケットに手をつっこめば
速度はあふれ出し
また新たな速度が生成され ....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって

さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた


わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ


そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
 ....
夏の渓谷
そろりそろりと川の水へ
足を踏み入れる
心地よい冷たさが体の中へ
冷房の涼しさとは違う
透き通る水底には
兄弟なのか姉妹なのか
小魚が二匹泳いでる

夏の渓谷
どこから流 ....
じいちゃん


みかん畑の
錆びたケーブルカー
私は指で 線路をなぞりながら
山を登る

真っ赤になる手と
ひっかかる指先
山の下の
この穏やかな海で 仲間が沢山死んだ ....
朝ごはん

和食、洋食、様々なれど
自給率は和食の方が高いのです
食料を輸入して
何を輸出する
紅いバラの花
紅いチュウリップ
紅いまんじゅうしゃげ

獲りたてのカツオ
 ....
いくつもの停留場が
いっせいに
羽を広げ
南の方へ渡って行った
停まるべき場所を
失ったバスは
大人たちの口から口へと
走り続けている
高層ビルが突き刺さった
地平線の向こう側
 ....
オルガンはもっと
びろびろならなければ
びろびろなって たいへんびろびろ
ひきかえせないびろびろ
どこまで、も、あつく
きっついきっつい
夏がみえたら
はまりにゆける

(もうち ....
汗をかかない速度であるいている
交通標識には
知らない地名が並ぶ
一方通行なのは車両だけだということだけ
当然知っているとばかりに

迷うためにあるいている
個人商店が
灯りを落としは ....
白くしずかな八月の
午さがりのあかるい部屋である
私はただソファに横たわっている
そして部屋の中空を
一個の檸檬が歩きまわっている
まるで散歩でもしているようだ
いつのまに出現したものやら ....
〈海辺にて〉
水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を ....
あるく
ただ、それだけ。
きみのこころをあるく
わたしにできるのはそれだけ
笑顔が欲しかった
できれば言葉も欲しかったし
ごめんも、いいたかった
ただ、それだけ
+落葉の日には


 赤い色、青い色
 残りの空を数えている
 穏やかな日々、頬は
 青く紅葉として
 時間は等しく流れていく

 境目に乗って遊ぶ
 あなたの身体に耳を置く
 ....
空と宇宙の間
光る尾を引いた
星の欠片に、乗る
 
本当は
光ってるんじゃなくて
燃えているということには
知らんぷりをして
 
 
指で作ったカメラで
シャッターをきる
閉じ ....
雨やみて雲雀の飛んだ水たまり

何を見て驚いたのか鯉のぼり

紫陽花がたくさんのいろ人みたい

桃をむく香りと北へ寝台車

空目指し向日葵たちが背比べ

アリが来てわたしの足を ....
濡れそぼつ手で
旋律を撫ぜるかのやうに
彼は私の
両の乳房に、そつと
指を這わせてゆき
 
それはあたかも
神聖な儀式であるかの如く
誰も目にすることのない
真つ暗な室内で
執り行 ....
そうして君は、と
切り出した言葉の奥で
俯いたままの昨日は
指をくわえて
泣き崩れていたりする
 
引き金を引いた僕と
受動態を貫いた君の
どちらが正しいのかさえ
僕には分からなくて ....
 
 
玄関に傘が一本
ギロチンのように
あった
昔こんなもので
人が酷い目にあったのだ
と信じられないくらいに
静かな朝だった
やがて傘は
扉を開けると
仕事机のような格好にな ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
              07/07/09



ギタ

ギタ

ギタギタギタギタ
ギタ

ギター
ギタ
ギタギタ
ギタ



線香花火のマシンガン
飛び散る ....
たずねびと。わたしはここで生きてます あの日のあだ名で検索してよ


君に似たプロフ見つけて手を止める。こころにあしあと残したかった


友人と呼べぬあのこも「友人」と呼ぶしか ....
空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
 
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
 
夢、見ている
 
 
**
 ....
私の体を キノコが 侵食する
菌糸は腕をからみとり
足をからみとり 心臓をからめとり
やがて 脳に達し
心すら からめとる
私は キノコと同化し
静かに 眠りにつく
やがてキノコははい出 ....
あなたの言うつまらないことで
空のブルーがわらいます
色えんぴつをかじったら、
少しだけストロベリーの味がしました

あなたの笑顔で
お菓子の家のチョコレートが溶けて
それは大きな海にな ....
 
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着 ....
わたしはさがしているのです

この世に生まれおちる
その前の

母のナカで見た
あの光を



わたしはさがしているのです

わたしが生まれおちる
その時の

慈愛に満ち ....
 
デパートに難破船が漂着する
甲板をいじくり
あなたは指の先を切った
立体駐車場から汗など
生活、の匂いがする
立体であることはいつも淋しい
家具売り場でかくれんぼをしている間に
誰 ....
 
ある日ふとあなたは
わたしの優しい母となり
慣れないヒールの高い靴を履いたまま
図書館のカウンターのはるか内側
シチューを煮込んでいる

戸外、三角ポールの静かな
駐車禁止区域に来 ....
入梅に映えるはな

雨の雫を身籠って

まぁるく結実して

空の蒼さをうつす
小川 葉さんのおすすめリスト(1505)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
難破船- 佐野権太自由詩22*07-8-18
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肺をみたす(水葬)- アオゾラ ...自由詩2507-8-17
つくつくぼうし- yo-yo自由詩23*07-8-17
夏の渓谷- ぽえむ君自由詩5*07-8-17
_じいちゃん- 高木 し ...自由詩4*07-8-15
ごはん- あおば自由詩5*07-8-14
のまど- Tsu-Yo自由詩407-8-7
オルガンと夏と×××- 美砂自由詩4*07-8-6
神隠し- 月見里司自由詩307-8-4
檸檬の歩行- 塔野夏子自由詩10+*07-8-1
考察- Tsu-Yo自由詩5*07-7-29
ただそれだけ- 紺野 夏 ...自由詩1307-7-22
かわいい星- 石田 圭 ...自由詩3607-7-22
創書日和「星」_乗星- 山中 烏 ...自由詩7*07-7-17
雑季- たもつ俳句13*07-7-16
自慰- 山中 烏 ...自由詩13*07-7-13
無題- 山中 烏 ...自由詩8*07-7-13
パラソル- たもつ自由詩907-7-11
リスク、- 望月 ゆ ...自由詩61*07-7-9
- あおば自由詩10*07-7-9
「mixi」__ミクシー- Rin.短歌16*07-7-9
創書日和「星」_星願- 山中 烏 ...自由詩13*07-7-8
冬虫夏草- 麻生ゆり自由詩13*07-7-6
恋のかけら- アヅサ自由詩6*07-7-5
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さがしもの- 秋桜自由詩8*07-7-2
デパート- たもつ自由詩1007-7-2
- たもつ自由詩1507-6-30
*紫陽花月のはな日和*- かおる自由詩11*07-6-30

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