テレビで野球中継を見ていると
ボールを渡される
九回裏ツーアウト・スリーボール・ツーストライク
最後の一球を投げるのがぼくの役目らしい
キャッチャーの構えたところに渾身の直球を投げ ....
さびれた屋上の遊園地では
もう二度と動かないパンダの乗り物が
片隅に追いやられていた

大きな看板が目の前に見える
さっきまで雨が降っていた

空がどんどん黒くなっていく
インクを塗り ....
 
 
縄跳び遊びをしていると
友だちの山村さんがやってきて
それ、ヘビだよ、と
声をあげて笑う
よく見るとわたしの握っているのは
ヘビの頭と尻尾
地面に何度も打ちつけられたヘビは
 ....
押入れに入れられて
もうずいぶん長くなる
ときどき遊びに来るねずみに
爪をかじらせてやったり
みかんを潰したりしているうちに
骨の浮いた老婆になってしまった
これではいけないと思う
これ ....
林から叫び声が聞こえる
木を割いたような声である
お客は驚いて
あれは何だ
何が叫んでいるんだ
と尋ねてくる
いいえ
鶏を潰して
いるだけです
控えめに答えると
お客は安心した様子 ....
奥に進めばいいと
席を立ったのはいいが
どこまで行けばいいのか
聞くのを忘れた
暗い明かりの下
行き交う人は
あなたの目的は全部
端から端まで知っているんだ
とでもいうように
意味あ ....
わたしが死んだら
なるべく生き物がたくさんいるところへ
なるべくそのままの状態で
置いておいてください
土にかえったり
誰かの一部になったりして
わたしはわたしの
いのちを分解したい ....
きみをたべたい
しゃくしゃくっと
たねはぷぷっとだして
そしたらそこからめがでて
またきみがはえる
ぼくはそのあいだにつちにかえるから
きみはそのえいようでおおきくなるんだ
きみにとりこ ....
  
 
海へと下りていく小道に
一匹のセミがいた
地面にしがみつくように
じっと静かにしていた
指で摘んでも動かない
すでに命は失われていた
次から間違えないよう
ひっくり返してお ....
 
 
透明人間が
影ふみをしていた
人数はわからないけれど
楽しそうな声が
風と風の隙間から
聞こえてくる
影がないので
いつまでも終わらない
いつまでも終わらない遊び
終わら ....
 
 
誰もいない夜明けの街を
少年が黙って自転車をこぐ
真面目に呼吸を続けながら

サルは今も進化と退化の中を
死にそうになりながら
生きているころだろう

エロい身体をした僕は ....
 
 
駅前に無料相談所があった
男の人に相談した
普通の感じがする人だった
無料だった
銀行強盗を終えたきみと待ち合わせて
涼しい喫茶店に入った
二人でチョコのパフェを頼んだ
周り ....
 
 
陸地では使われなくなった文字が
水槽に降り積もっている
僕はエスカレーターから
その様子を眺めている
前の人の袖が
風のようなものに揺れて
明日になれば
おそらく別の人の後ろ ....
 
  
道に紙が落ちていた
人の名前が書いてあった
知らない名前だった
畳んでポケットにしまった
家に帰って紙を広げた
十分経っても知らない名前だった
ひどく蒸して
退屈な夏だっ ....
ウォークマン、買いました。
という非常に唐突感の否めない書き出しで恐縮です。
何故買ったのか、ということにつきましての詳細は省略しますが、端的に言いますと、我が家のコンポはリビングに1台と娘の ....
 
キリンの背中に乗っている間に
世界は終わった
大好きだった人たちも
名前すら知らない人たちも
見慣れた建物も、古代の遺跡も
季節の匂いも
すべて跡形も無く消えてしまった
出来るだけ ....
 
 
誰かが僕の名前を呼ぶ
はあい、と返事をして
中に招き入れようとするけれど
この部屋にはドアも窓もない
外は秋が始まっている頃だろうか
何度か名前を呼んで
声は聞こえなくなり
 ....
 
 
植物群が眠っている
僕の知らない言葉の中で

息を吐き出すように
近所の商店街は
ゆっくりと潰れていった

帰りたい、と父が言う
他にどこに帰るの、と母が言う
帰りたい、 ....
 
 
影を連れて出かける
ふとした拍子に
私と繋がっている唯一の
糸のようなものが切れて
影はどこかに飛んで行ってしまった
影の無い私は
午後三時くらいの腕時計を見る
 
 
蝶々結びをして
眠たい人は眠って
それで構わない

犬の耳を噛っても
壊れたペットボトルでは
水、そのものを
飲むことはできないのだから

交番がボンヤリと光る、今夜
月 ....
 
 
街はコップの中にあった
人々は皆
銀色の言葉で話をしていた
消しゴムの形をした像が
中央広場に置かれていた
教訓めいたことが刻まれていた
僕は草色の列車に乗った
寒天の匂いが ....
 
 
空地で少年たちが野球をしていた
打球は大きな弧を描き
空のどこかへと消えて
二度と戻ってくることはなかった
家に帰るとリビングの隅に
ボールが転がっていた
返さなければ、と思い ....
粒の中に
粒、ずっと粒
惑星のように
ささやくと
平たくなる
蟹になる
蟹はハサミを見ている
ハサミの向こうに海
海からの風
でもハサミだけ見ている
ハサミに刻まれた
 ....
  日曜日、
  くさかんむりの広がる野原で
  ピクニックをする
  あなたは適当なところに
  持ってきたもんがまえを敷いて
  ここに座りましょうという
  おべんとうよ、と
 ....
 
 
アトリエで
鳥と歌う
リスと笑う
鉛筆に泣く
 
 +
 
飽きてしまった
飛ぶことにも
理屈をつけることにも
襟を汚したまま
  
 +
 
空いているところ ....
 
 
ひとつ、またひとつ
豆腐が落ちていく
月のテーブルから


+


引継書は、深夜
透明に
積まれて


+


陽だまりに
トマトの痕跡
使わないのに ....
{引用=

おともなく
とりがおちている
水色の
ふちの欠けたバケツに
吸殻を捨てる
おわった花火が
ひたされている

夏は、ここで
行き止まりだった






 ....
 
 
リンカーン・ヘアのきみが
動物園に忘れ物をして
糸電話で通信している
ノルウェーの森
パジャマに縫いつけられた
イカの一夜干しを
かじりながら
 
地元の英雄に
さい銭を ....
 
 
家族が寝静まった頃
ぼくらはそれぞれの家を出た
ぼくはミルクチョコレートを持って
きみは水筒に氷と麦茶を詰めて
二人で村田川の護岸に膝を抱えて座った
今日は手を握ろう、と思ってき ....
 
 
犬も歩けば棒に当たるそうです
眠ることが下手な人が
こっそりと教えてくれました
でも、僕は何もしてあげられません
犬が棒に当たる様子を黙って見ているか
背後にその音を聞くくらい ....
小川 葉さんのおすすめリスト(1505)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さよなら中継- たもつ自由詩711-8-31
黒い空- チアーヌ自由詩911-8-30
迷子- たもつ自由詩511-8-30
帰れない- 春日線香自由詩911-8-29
叫び声- 春日線香自由詩411-8-29
廊下- 春日線香自由詩611-8-28
わたしのいのちは天(そら)へはいかない- 小原あき自由詩16+*11-8-19
なつのいのちはめまぐるしく- 小原あき自由詩6*11-8-19
夏の終わり- たもつ自由詩911-8-16
終わらない夏- たもつ自由詩511-8-14
夜明けの深呼吸- たもつ自由詩511-8-12
水槽の下で- たもつ自由詩311-8-10
追いかけっこ- たもつ自由詩711-8-7
紙の夏- たもつ自由詩911-8-5
ウォークマン買いました_第一回「一発屋ビリー・ジョエル」- たもつ散文(批評 ...8+*11-8-4
黙祷- たもつ自由詩611-8-2
平日- たもつ自由詩111-8-1
帰ろうか- たもつ自由詩911-7-23
腕時計- たもつ自由詩511-7-14
猫背- たもつ自由詩311-7-10
憧憬- たもつ自由詩611-6-28
空地- たもつ自由詩811-6-20
鮮魚コーナーにワタリガニが並んでいた- たもつ自由詩711-6-7
くさかんむりの広がる野原で- 草野春心自由詩26+*11-6-5
アトリエ- たもつ自由詩4*11-6-4
ひとつ- たもつ自由詩6*11-5-22
うたたね- mugi自由詩20*11-5-20
仮眠- たもつ自由詩211-5-18
初恋- たもつ自由詩611-5-16
犬も歩けば棒に当たるそうです- たもつ自由詩611-5-15

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