亀を背負って
懐かしい人の苗字を呼びながら
塩を舐め続ける
水が飲みたい

+

かまきりの新しい
亡骸を
司書は黙って
見ている

+

カンガルーが直立したまま
波音 ....
あなたの
書いたもの

読みたい

なんでもいいから

淋しくならないように
たくさん たくさん
書いて書いて
そしたら

わたし
白ヤギさんのように
おいしく
食べる ....
傘のほね
しずく垂れるさきっぽ
ぼうっと煙るような空を
みていた

置き忘れた想い
片手いっぱい
こぼさないように抱えたまま

見つからない答えを
いつまで待つの
むらさきの花が ....
かしましい

と、鼻で笑うか。
構ったことじゃない。

一羽の兎が駆けるのよ。
雪肌の兎が跳ねるのよ。

 あちらからこちらへ。
 こちらからあちらへ。

草原を鳴らせ。
きゃ ....
おんなのこは
とてもいじわるなので
けたけたとわらいます

たたみのうえ
すっぱだかで
けたけたとわらいます

でんきにぶつかるむしが
そんなにおもしろいのときくと
わたしはじ ....
 あたしは射精が好き。
射精は、どこか現実味を帯びていなく、
傍観できる、
あの白い液体は、
現実と妄想の産物。

人間として、感覚的に現実味が帯びる時は、
ティッシュの山、味だったりす ....
君のこぼれた笑顔の隙間から

幸せがあふれ出て

それが僕の心に染みこんで

僕の心が満たされる

笑顔って

そういうものなんだよ
{引用=始めませふ 安易な位置づけ
       
               椎名林檎『真夜中は純潔』}








{引用=デイストオシオン}


うねりゆく夕空 ....
空からは 降りてくる
土からは 起きあがる
手をさしのべて
のびをして
あくびする
呼ぶ声にこたえる
うつくしく
わらう





                    { ....
1.

男の精液ってさ タンク一杯の梅酒みたいだよね


タオルを集めていると香恵ちゃんがつぶやく


なにそれどういうこと

上の部屋に オーナーがおいてった梅酒があるんだけど
 ....
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った

えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
 ....
エレベーターの中で
「開」というボタンを押すと
涙が止まらなくあふれ出た
何かを受け入れるということは
何かを拒絶することと同じくらい難しい
一人またひとりと乗り込む人を
か細い指で支えな ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=100523

 〈ネット詩f〉という語に託し、インターネット上における新しい文学としての「ネット詩」に可能性を求めたこ ....
一.


番号をつけるかわりに
名前をつける
えんえん正しい
回路
いつか誰かにのぞまれる手
という呪文




二.


ステップが日の長さに合わない

れんげは ....
脊椎動物として生きる
その悲しみ

そして
珍しく雪が降った
朝の喜び

もし君が生まれてきたら
おもいっきり抱きしめて

そんなことのいくつかを
教えてあげたい
コンビニのレジから
僕らのタクシーがあふれ出すから
春はまた息苦しい

行き先も告げずに乗ると
君の家を通過して
犬小屋の屋根を壊してしまう

料金を体温で支払う
少しのおつ ....
亀が永遠にいきていくのを 
最後まで世話をしたいと願う 
彼はもうすぐしんでしまう 
でも×月×日は朝早くから 
数えきれないだけのキャベツを剥いた 
いつのまにかキャベツは無くなり
気が ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
月曜日は新聞当番なので
いつもより一時間早く出勤する
業界紙も含めた各紙を切り抜き
部長室分もあわせて十三部コピーする
厳密に言えば著作権違反という議論も
今ではどこかに行ってしまった
そ ....
洗濯物を取り込む音が
二階のベランダから聞こえてくる
言い争うことも無く
君はもう産まない
とつぶやいた

僕らは同じ悲しみを
分かち合って生きる
多分同じくらいの
分かち合えな ....
砂が舞う

晴れた日ほど景色が白む
風のせいでもなく
冬のせいでもなく
グラウンドから逃げ出したい
砂のせい

砂が舞う
口に入る違和感
砂のせいだ
景色が、白い
河川敷でオギの群生が燃えて
大量の灰が河を流れた
きいろいでかいはな
きいろいはやいでんしゃ
それ以上は小さくならない単位からの
新しい組成の可能性が
河原をすすむほどに薄れて
遠いとこ ....
旅先の田舎のベンチで
君の名前を見つけたよ 
夏子
いつたい誰が 断りもなしに
君の名前を書きつけたりしたんだ

(こんな色褪せた おんぼろベンチの
背凭れに 乱暴な稚拙な字で  ....
手で触れようとすると崩れてしまうおそれがあります。
できることならば遠くから眺めているのがよいでしょう。


 *


 雨だれ

 雨の音がするのです。
 理由はそれだけです。
 ....
ベッドが泣きべそをかきながら
部屋の中をうろうろしていた
寝ぼけて
もう何が何だかわからないのだ
思わず笑いそうになったけれど
どの引き出しが口なのか
自分でも判別がつかなかった

 ....
夜中、リビングに降りると
テーブルがひとりで
テレビを見ていた
外国の戦争映画だった
たくさんの人が
次々に命を落としていった
リアルなくらい
みな清潔な最後だった
突然テーブ ....
君が糸電話を作っていた
夕暮れまで
まだ時間があるというのに
いったい誰にかけたかったのか
小学校の図工の時間のように
器用な指先で紙コップの底を切り取り
セロハンを貼っている
 ....
苺ジャムから
苺を引いたら
夕日が残った
誰も地下鉄になど
乗ったことの無い町だった
くすんだ陽射しの中
食品工場の隙間では
猫たちがよく逢い引きをしていた
友だちにもみな両親 ....
牛のお肉が
ぴとぴとと
月の光に貼りついてる
生きているときは草をよく食み
くるぶしも美しかった
のだと思う
わたしのお肉もきっと同じ色をして
人のことをかつて愛したのも
この肉の ....
小川 葉さんのおすすめリスト(1505)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かなしみ- たもつ自由詩37*07-3-31
黒ヤギさんへ- とうどう ...自由詩22*07-3-28
あじさい- ku-mi自由詩23*07-3-28
*かしまし兎*- ちと自由詩8*07-3-27
おんなのこ- ミゼット自由詩10*07-3-19
_射精- つぐこ自由詩1307-3-14
笑顔- テルテル ...自由詩7*07-3-8
NOISE_FLOOR- 本木はじ ...短歌1107-3-7
はる- 渦巻二三 ...自由詩11*07-2-26
よるにとぶふね- haniwa自由詩14*07-2-19
えむさんの草原- たもつ自由詩3707-2-17
宝石- たもつ自由詩18*07-2-13
エレベーター係- Tsu-Yo自由詩1807-2-9
清野無果「■批評祭参加作品■ネット詩fについて」を読んで、イ ...- 田代深子散文(批評 ...20*07-1-31
断片集「リバーリバー」- 簑田伶子自由詩25*07-1-29
制度(悲しみと喜び)- たもつ自由詩1107-1-23
制度(タクシー)- たもつ自由詩1907-1-12
近道- 砧 和日自由詩607-1-7
フレアスカート- 片野晃司自由詩42*07-1-3
公務員なんかにならないでよ- たもつ自由詩14*06-12-4
空にあってよかった- たもつ自由詩2106-12-2
- アイバ  ...自由詩8*06-11-28
トーエ- 砧 和日自由詩9*06-11-25
売れつ子になつた夏子- 杉菜 晃自由詩18*06-11-18
6月の取り扱いについて- 降旗 り ...自由詩28*06-11-10
たんす- たもつ自由詩1206-11-8
生存- たもつ自由詩16*06-10-27
図工- たもつ自由詩1406-10-21
苺ジャム幻想- たもつ自由詩19*06-10-18
お肉- たもつ自由詩506-10-17

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