すべてのおすすめ
知らないくせに
知ったふりして
大きな顔して
世界は回る
回る地球は
ひだり巻き
ねじ回しを
押っぴしょる
軍事内閣
戦線不足
木霊誰何が
甘くなり
売れなくなった
終戦 ....
文科省認定漢字検定準2級問題集
この一行でも明白なことではあるが
アラビア風の衣裳を着ている余所者
漢字ではないものが一人潜んでいる
それが我が国の文化的な特徴と誤解
....
上手く眠れないままの空が白み始める。轟音
で走り去る獣たちもわずかで、その咆哮にも
ためらいが見える。廃墟の影に潜む小人たち
は闇が消えていくに連れ恐る恐る顔を覗かせ
覗いた顔を逆に覗かれ ....
「2年前の、あの身許不明の男性の白骨死体なんだが」
「はい、私が生前の顔を復元したやつですね」
「若いのがふざけてロン毛のカツラ被せてみた」
「ひどいな」
「ああ、だがそれを見たヤツが、気づい ....
<上面>
SevenStars
<左側面> <正面> <右側面>
SevenStars ....
参道下の古ぼけた店で
岩魚の塩焼きを齧る
雨が降ってるので
ゆっくり と齧る
しらやまさんに降った雨は
百年後の加賀平野を潤す
その雨が
降っているので
ゆ ....
「なぁ、萩原、そんなに落ち込むことないって
他人なんか気にするな。お前のこと分かってないんだよ
俺は分かってるよ。お前はほんとにいい奴さ、萩原
恥ずかしいけどお前がいるから生きてる、ってか
俺 ....
卒園式ではいつも以上に
園長先生のお話 長いね
と うちの子供が気にかかる
寝てはいないか
ちょっかい出してはいないか
そんな心配もなんのその
みんなちんまりと神妙な面もちで
....
レッグウィップレッグウィップ。足元にじゃ
れつくウィップ。遠ざかる遠吠えにウィップ。
深夜のアスファルトに水滴。薄い雨粒。オゾ
ンの微膜が地表にはびこり地球を覆いつくす。
オゾンウィップオ ....
疫病が蔓延して
またひとつ
古い村が捨てられた
縦穴住居跡には
いつも怯えたような
青白い満月がかかる
古代を復元した月が
青白いのは空気が澄んでいたから
ここにも ....
十月
忘れられない人がいる やわらかな白いカーディガンをきて 水辺のそばに佇んでいた人 手をふりやさしくぼくに微笑んでくれた あかるい霧のような雨が降っていた
ぼくは何気ないそぶりで 自然 ....
曇り空に似合いの栗の花
白濁の匂い
蒸せる空気に重く混ざり咽る
萌えあがる緑にそそぐ霧雨は
「熱帯雨林」という言葉を浮ばせて
栗の花
呼吸困難
緑のトンネル
国道4号線
....
風がおわるよ。
もうすぐ。
ともだちの
髪もなまえも
風の泡になるね。
ちいさなガラスをとおして
見える視野。
いつもの都会のはずなのに。
それは、
....
エリンギとはなにか
考証してみた
いや
考証しようと考えた
名前の
瞬発力からは
超能力のある
伝説の占い師の名前であろうと考えた
古来、占い師は
男である場合が多い ....
「心霊写真持ってるって? 見せろ見せろ」
「これだよ」
「高校の集合写真か。で、霊はどこなんだよ」
「これが俺だ」
「若いなーお前。それより霊はどこだっつーの」
「これ、一人で写したんだ…」 ....
親になるための国家試験に20年落ち続けている
資格がないので「できちゃった息子」は
国の管理のもと今年、成人を迎えた
その息子が昨日、強盗殺人を犯し銃撃戦の末に死亡した
この国はまだ
「 ....
女がクレヨンを奪って逃げた
必要のない色を奪って逃げた
生活はなにも不便にならない
箱をゆすると音がするだけだ
「生活はなにも不便にならない」
念のためフタの裏にそう書いた
....
くもり。非常階段へ続くベランダからは大き
な白いビルが見える。本当は白ではなく薄く
濁っているそのビルの外壁には大きなヒビが
いくつか、ひとつ、ふたつ、崩れ落ちるよう
な気配。ジェニファーの俊 ....
{引用=かみなりさまの おとおりだい
そこのけ そこのけ おいらがとおる
くすぼった 心 雨なんか降らせないで
そら
ななめ 一直線に駆け巡って
そら
隅っこから 満面 真っ黒
....
さいとういんこさんのお腹は大きい
大きく膨らんでいる
さいとういんこさんの子供が大人になる頃
僕はもう59歳だ
それまで生きているかどうかわからない
生きているつもりもないし
自信もな ....
かんぬしまちの
おさななじみだったおねえちゃん
がみこさんになったとき
ぼくのこころは
ふ ってはずれて
べっくうさんやのほうに
ぷかり ぷかり
とんでった
きれいだったん ....
グリコのおまけのグリセリン
咲いたばかりの美しい
グラジオラスに擦り付け
花咲爺に殴られた
そんな台詞は納屋にしまって
早起き鳥がコケコッコーと
軍人精神が染み込んだ生卵を
青大 ....
高く高く突き抜ける比翼に
いくつもいくつもの夢を見た
閉じる前に輻射する粒子の
ドミノに分離する輪郭の呼応の
劣勢の瞼に諭す残像に相応の祈りを
そ ....
チアの髪だった
耳の
曲線は
何百年の病だった
貝殻をあわせてみると
二輪車の棲んだ
浜辺に
いる
きーたんが笑う
きーたんが笑うと
みんなも笑う
笑わないと
だれかに撲たれる
強いきーたんが
楽しそうに笑うから
安心して笑える
きーたんは怒らない
いつも愉快そ ....
切り刻んだお新香
にたにたと醤油をかける
薄化粧の私の娘
二十歳が匂う
裸鰯は漁らないが
花柄の帯を締めた
固い絆の海女たちと
今朝も鋭い磯笛を
吹く
ブリキの潜行艇に乗り ....
ひとが死んだ
そして
その後にひとは
死んだひとをまたころしている
もう血も流れないから
ひとはなみだを流せないのか
そうやって
いちど死んだひとのいのちを
にどもさんども ....
母に
「おまえよりおとうとのほうがかわいい」と
言われた
ようやく10年後
家を出れた
わからなかった
母も人だということが
家族という塊を抜けたいま
いたいけれど わかる ....
大きな木の枝に縄を架けて
ブランコを作る
日がな一日
ブランコ、ブランコ
秋になると実がなって
地面に落ちる
拾って拾って
ブランコ、ブランコ
クりの実 ....
*
わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。
*
少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
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