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イーダちゃん
62年目の朝が来ました

日本には あなたを苦しめた
原爆は 落ちていません

だけど この地球上で
戦争によってばらまかれた
放射能で 
殺され 傷つき ....
真夏の陽炎の向こうから
短い編成の列車はやって来る

そのいっぱいに開かれた窓から
ショートカットの後ろ姿が見える

列車の外から
車両の様子は
ありありと伺えて
制服の脇に置かれた ....
らうあ らうあ
翳りの帆
道を泳ぐ道を読む


悲しさになると
消える悲しさ
空と水をつなぐ坂


そばだてた耳が唱になり
影を踏まない影の足もと
ほころびをひとつ ....
眠れない朝にあなたを思う


夜を通り抜けて
窓越しに出逢うあさやけは
そこはかとなくかなしい


あなたを抱きしめるだけの日々に
空で時を知ろうとしなかったから
この ....
41

市民会館の大ホールを
ゼリーは満たしていた
屋外では雨が
土埃の匂いを立てている
観客の思い浮かべる風景は
みな違っていたが
必ずそれはいつか
海へとつながっていた


 ....
三度に分けて呑み干す光
その日かぎりの地図にこぼれ
街はひとつ低くなる
空き地は碧くたなびいてゆく


わずかに曇った風が吹き
ふところに涼しく正座している
頬を染め 空を ....
髪を 切った 襟足の ひみつ から

娘たちは 飛んで ゆくと いう

純朴な 神話が 解かれて いる

風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は

 ....
ぼくの温度は

ビッグバンのときの

熱のいちぶか

その子孫か

いのちには

温度があるというの

温度には

いのちがあるというの

だれか大人のぼくに教えて
 ....
内に外に転がる音の
離れてもなお近しい音の
ふさふさとした
柔毛の音の


遠さは鼻先のまま香り
同じ色の大きさに降り
布をくぐる
まぶしい輪唱


ある日どこかで ....
1.風の運命


風はどこへでも行けた
神様がそう決めたから 
風は旅した
誰よりも自由だった

風は見た
いろんなものを
地平線のかなたの 鮮やかな光を
海をゆく 船の帆の白さ ....
白くしずかな八月の
午さがりのあかるい部屋である
私はただソファに横たわっている
そして部屋の中空を
一個の檸檬が歩きまわっている
まるで散歩でもしているようだ
いつのまに出現したものやら ....
                                   あたしは、
                         綿のスカートを翻して逃げる。
誰もいない、
  ....
斜光のまどろむ講義室
ノートを広げて座る僕と
入口には車椅子の男の子

授業までの待ち時間を持て余し
ふたりは
ノートの隅に書かれた
シュレーディンガー方程式の
井戸の中で
はにかみ ....
夕暮れの歩道橋で見ている風景
行き交う人波が思い思いに辿る家路
西と東と北と南を結ぶ交差
自分の影と誰か達の影が
重なってはゆっくりと離れていく

言葉を交わす事さえ無い
デジタル時計は ....
/水膜現象

 ざざあ、と音を立てて降る雨の中を走っていた。暗い。フロントガラスにぶつかり続ける雨は視界を著しく遮り、ライトの届くその先を見通すことはできない。ワイパーがぞんざいに動き、僅かな間だ ....
空が滲んでいる
夏の午後の昼下がり
遠くからだんだんと自分の方へ
その暗闇が近づいてくる
あっという間に
滲んだのは空だけではなくなった
明確だった単語や熟語の中を
その雲は浸透してくる ....
私は輪廻を信じないのだけれど
ねえ、ジム、それともジムソン?
へびつかい座ホットラインなら
あたしは信じる
だからある日きっと
あなたからの連絡がくる、と
あたしは信じる
あなたが星から ....
纏わりつく感触の群れに足を止め
アスファルトに革靴を叩きつける
ごぼごぼ夜が沸きたつ

燃え尽きる花火の匂いに
車が一台、点滅する信号
止まり、あるいは駆けて
生まれる空行と

なつ ....
18歳のわたし
初めての アルバイト
働いてみたかった ただ それだけだった

ひょんなことから 15歳のゆきちゃんと巡り会った
「家庭教師をしてください」
でも、ゆきちゃんにはお金がなく ....
〈海辺にて〉
水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を ....
弟が、
はじめて天体望遠鏡を買った夜のことは、
今も忘れない。
失われた母星を見ようと、
みんなでベランダに集まって、
家族で覗き合った。
結局、
あたし ....
赤いザーメンが射精した時に出た
病院に行ったほうがいいんじゃない? と君は言った
構わない と答えた だが少し不安になった
再び射精した時も赤い精子が出た
少しずつ世界が変わってきているのね  ....
梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る

新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏

種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
目を閉じることと口を噤むことは似ている。
眠りに就くことと死ぬことは似ている。
さようならを言いながら終わっていく。
世界について考えるときに眩暈を起こす。
沈黙する、



沈黙する ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
鼻先に突き出してやると
給食の匂いに
ひょいと頭だけを出す
小さくあくびをして
そこでは伸びも出来ないだろう
机の中の猫

小学生の夏、4年目の
算数の教科書を探そうと思ったら
手を ....


わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている

トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる


白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる


手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
 
 
31

世界が坂道と衝突する
アゲハチョウの羽が
誰かの空砲になって響く

内海に
大量のデッキブラシが
投棄された夏

遠近法のすべてを燃やして
子等は走る

 ....
ずっと向こうの
そのまた ずっと向こうの
背中の海で
泳ぐひとがいる


しずかな潮がつぶやいている


わたしたち
泡ぶくだったのね
小さな水とたわむれて
いつか
生まれた ....
山中 烏流さんの自由詩おすすめリスト(975)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
イーダちゃんへ- 池中茉莉 ...自由詩3*07-8-6
夏列車- 銀猫自由詩23*07-8-6
ノート(昼)- 木立 悟自由詩807-8-5
眠れない朝に_- Rin K自由詩39*07-8-5
「その海から」(41〜50)- たもつ自由詩1407-8-4
数と光- 木立 悟自由詩607-8-4
ライトニン- モーヌ。自由詩22*07-8-3
大人のぼくに- 吉岡ペペ ...自由詩207-8-2
みどり_双つ- 木立 悟自由詩707-8-2
組詩「風」_- 青の詩人自由詩2*07-8-2
檸檬の歩行- 塔野夏子自由詩10+*07-8-1
FREE_FORM- はらだま ...自由詩21*07-7-31
車椅子の背中- 悠詩自由詩4*07-7-31
平凡な旋律- 松本 卓 ...自由詩307-7-31
あるいは、あめからの呼びごえ- 月見里司自由詩507-7-30
空が滲んでいる- ぽえむ君自由詩19*07-7-30
創書日和。星_【遙かなる光はすべて天の星】- 佐々宝砂自由詩5+*07-7-30
熱砂- 月見里司自由詩507-7-29
ゆきちゃんの想いで〜教育についておもう〜- 池中茉莉 ...自由詩9*07-7-29
考察- Tsu-Yo自由詩5*07-7-29
「_チ玉人にはわからない。_」- PULL.自由詩9*07-7-29
Red- 円谷一自由詩6*07-7-29
ホウセンカ- 銀猫自由詩26*07-7-28
溶暗- さいらと自由詩607-7-28
千の詩- ぽえむ君自由詩20*07-7-27
あいのねこ- 夕凪ここ ...自由詩1307-7-27
トンネル/天国/書店- 吉田ぐん ...自由詩2107-7-27
夜のころも- 木立 悟自由詩1007-7-27
「その海から」(31〜40)- たもつ自由詩1107-7-27
背中の海- yo-yo自由詩9*07-7-27

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