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木蓮の花は
{ルビ宇宙=そら}を見上げる
『木蓮の咲く丘で』
花木好きの彼は
木蓮の花が一番好きで
白く甘い芳香が
中途半端にひらいた花びらから立ち上るのを
まる ....
身近なものに世界という名前を与える
だから私たちは世界を知っている
世界という名前を与えた私たちは
神である
*
おのおのが良いと思う形で祈り
....
07/07/02
で。
パート。
あ。
パート。
アッバウトな挨拶
奪われた空の
コバルト
不足する金属のコインを紙で代用
紙コイ ....
へらへら顔に
爆発頭
だけど心はセンチメンタル
僕に触れたら
誰もが懐かしさに浸って
死んじゃうから
離れててほしい
昔のアルバムを
朝焼けに
溶かしてしまいたい
十六 ....
その花には名前はなく
道の隅に ひっそりと咲いていた
それをみつけた きみは
その花に名前をつけた
その花は、あたらしい「いのち」を与え ....
The world owes me nothing. I didn't ask for beauty and I wasn't expecting it. But there it ....
おりのそとには あおいもりだわ
はだしであるく みずごけのうえ
うでよりほそい おがわがあって
あたまくらいの うえきもあったよ
むせるほどの きいろいひかりに
ふらつく ....
レコォドの針がぐるぐると巡回する
たちまちこの部屋に横溢する
とめどない狂おしい優しい旋律
作者不明の名曲だ
長い瞬きの後で
果てしない音の海に
ダイヴする
息もできない
雨のよう ....
流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマス ....
みつけたかった、のに
上手くはいかなくて
でも、
たまたまの風が
心地よかったりするもので
選ぶことのたやすさは
果てないそらを
みずいろに
ひろがる
しあわ ....
ある日ふとあなたは
わたしの優しい母となり
慣れないヒールの高い靴を履いたまま
図書館のカウンターのはるか内側
シチューを煮込んでいる
戸外、三角ポールの静かな
駐車禁止区域に来 ....
キミが初めて僕の前に姿を現した時 その光景が頭痛がする程脳裏に焼き付いた
今思い出しても頭痛がする
キミが可愛くてふわふわした気分で同じ夜を過ごしたんだ
けどキミは2日後に死んでしまった ....
くろに燻ったぼくのいかりと、きのうのゆめが
ちらかったなつのよる、小さなさんぶんをぬりつぶします。
くれよんとかえんぴつをなめて、蛍のうみをえがこう。
あじさいのはなびらが、 ....
毒薬のような願望を散りばめた、
陰茎の夕暮れが、
いちじく色の電灯のなかで燃え尽きると、
ようやく、わたしの夜が訪れる。
静寂をうたう障子は、わたしのふるえる呼気で、
固く閉ざしてある。 ....
言葉に挑んでみる
言葉の世界は広くて深いので
何もしなければ
言葉に溺れてしまう
バタバタするのではなく
全身を使ってバランスよく
綺麗な姿勢で泳ぐのがいい
言葉に向かってみる
言 ....
1
昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
* 雨 ぷらす 享楽
かたつむりを追いかけたり
水たまりに入ってみたり
いつもと違う遊びができる
この日を待ちわびていた
泥だらけのズボンの裾を誇らしげに
明日の約束を交わした
....
誰かに嫌われたり
誰かに騙されたり
誰かに愛されたり
全て混ぜ合わせると
結局は黒になる
人は生まれもって
白、白、白
(もしくは親色に少し)
そして
いろいろい ....
こどもの頃棄てたはずの手が
壁の中で指をならしている
むかし山の小川に浮かべた舟が
朝のトイレの水面をはしっている
出会った人も別れた日々を憶えずにはいられない日々
雀たちの六月 ....
道を割る五つの草の上に
頭と両手と両脚を乗せ
冷える音を見ている間に
夜はふたつすぎてゆく
色の名を持つけだものが来て
建物を貫き 声を曲げ
闇のなかの虹
寒さの粒を ....
とむらいの儀式には
いろいろあるらしい
風に流したり
星に浮かべたり
鳥についばまれる
それも自然だ
骨を
石に混ぜて焼く
というのもあるらしい
鈴にして欲し ....
続いた雨の音階は消え
訪れた静かな夜
問うこともせず
答えることもなく
過ぎてゆくだけの影に
狭くなる胸の内
満たしていたもの
耳に慣れた雨音と
肌に馴染んだ湿度と
それらの行方 ....
・
女子高生のルーズソックスの中には
何が入っているのだろう
はるか昔
恐竜が生きていて
まだわたしが女子高生だったころ
何度もルーズソックスを履こうと試みたが
あの絶妙なふくら ....
小学生のころ
仲が良かった友人の家の
お父さんは雨男で
お母さんは雨女だった
家に行くたびいつも羨ましかった
彼女の家の中はいつも雨で
じゅうたんにも床にもトイレにも ....
ダイニングテーブルのうえには
いま
まさに呪いのかたちがある
パン
なみなみと注がれたぶどうジュース
半熟の茹で卵
干からびたベーコン
銀のナイフとフォーク
それらすべてが
....
何を植えるかなんて
考えもなしに
掘りおこした
庭のすみ
やわらかい土の頂きに
雀が降りて
ころころと、まろび遊ぶから
つい、嬉しく振り返って
あの人の面影を探してしまう
幸 ....
樹木の陰が
けだるく映る
細い暖かな湧水が
濁りの池へ静かな型を決めて流れ込む
表面張力の曲線を孕み
丸あるい葉は
水面を押し分けて浮かぶ
黎明からひと時すぎた
小鳥のさえ ....
見えないカルピスがながれていたの
日曜日のよるに
へやを暗、く・して
どうしてもそれが
ほたるのようで
やんわりと
灯し、宛てる
どこかに飛んでいきそうな
空のおしり
ぼくは ....
学校とはまた違う場所へ
僕たちはいくつかの街を横断して向かいます
学校で習ったことと
大差ないことを
言葉を変えて教えてもらいます
この時間に僕たちはここにいる必要はないのです ....
なんだかいつも
青い空だったような気がする
手を合わせる人の横で
小さな子が
走りまわっていたような気がする
遠くから
懐かしい歌が聞こえてきて
それはもう当たり前のことのよ ....
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